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この復讐は、正義だ  作者: 安達ちなお
6章 大戦争

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快進撃 ――イオニアの陥落

 銀月帝国東側のうち、イオニア家が支配する領域は東方平原に恭順した。これに伴い、東方五氏族同盟は東方六氏族同盟と名を変え、その後も帝国への攻撃を継続した。


 イオニア家は帝国四大貴族に数えられる。当然ながら、簡単に降参したわけではない。

 すべては魔王クロカゲの殺戮とその後のの影響である。


 東方五氏族同盟が帝国に対して反旗を翻すと同時に、盗賊の勇者クロカゲは、自らの生存を知らしめると共に、次のことを内外に示した。


 すなわち、不死の魔王から不滅を奪い新たな魔王として名乗りを上げること、そして東方五氏族同盟から独立し独自の勢力として立つことを、全世界に宣言したのだ。

 そして帝国東側の各都市へ攻撃を開始した。


 まずは新都市カエリアの三万人を皆殺しにした。そこから西進をしながら、主要な都市へ同様の攻撃を加えた。狩人の勇者から奪った神弓と戦士の勇者から奪った必殺を組み合わせた、死の矢を降らせたのだ。


 二万の人口を持つ交易拠点都市キャフタは、その全員が殺された。

 四万の人口を持つ小麦の産地として名高い農耕都市ウルムチは、その全員が殺された。

 そして七万人が住み行政上の拠点も多く持つ大都市フーホットにクロカゲが現れたとき、イオニア家は魔王に降伏したのだった。


 とはいえ、クロカゲの要求は自身への隷属ではない。銀月帝国から離れることだ。正確には、皇帝ガイウスと敵対することを求めた。


 そのため、イオニア家は帝国から独立した。だが生き残るためには単独で帝国と敵対をしてはいられない。


 幸いにも、東方五氏族同盟と魔王クロカゲは、形式としては別の勢力である。

 そこで周囲の貴族家にも同調を呼びかけ、同盟入りを果たしたのだ。東方五氏族同盟と手を結ぶ道しか残されていなかったともいえる。


 その折、イオニア家は帝都へ向けても密使を送っている。そこでこう弁明した。


「魔王たるクロカゲに対抗し得ないため、兵を温存するために恭順の姿勢を示す。兵を積極的に出すことはせず、補給などで遅滞を図るので、その間に帝都へ戦力を結集してほしい。魔王が倒された暁には、イオニア家は全兵力で東方平原と戦う」


 これは、帝国側から見ても戦略的には誤りではない。魔王クロカゲさえ倒されれば、実現は可能である。


 だが皇帝ガイウスは「クロカゲが排除されれば、言葉のとおりに動くだろう。だがもし帝国の敗北が濃厚となれば、東方平原に真っ先に与した功をもって、本当に帝国を離れるだろう」と看破した。


 そしてその考えに気づく貴族家もあった。その上でイオニア家に賛同する者、帝国への忠誠を示す者などで混沌とした状況が生まれた。

 その結果として、帝国東側はイオニア氏族に属する領域と帝国に残留する貴族家が入り乱れる地域が生じた。当然、その境界は曖昧である。そこで帝国軍と東方六氏族同盟軍が衝突する。

 そして全体として東方六氏族同盟が戦いを有利に進め、西へ西へと戦線を押し進めている。


 そんな状況下で、ロクサーヌは目を覚ました。


「あ……れ……?」


 最初に目に入ったのは、見知らぬ天井であった。

 どこかに寝かされている。だが、どこだか分からない。周りを見渡そうにも、体が動かない。

 

 まるで体が布袋にでもなって、中に泥水でも詰まっているかのようだ。気だるく、重く、感覚は鈍い。気力も無い。グズグズだ。


 だが次の瞬間、不快な気分は全て吹き飛んだ。疑問も無くなった。

 今自分は救われたんだと確信した。


「良かった……目を覚ましたんだ、ロクサーヌ」


 脇に立ったアレクサンドラが、笑みを浮かべてこちらを覗き込んでいた。

いつも感想やいいね、ブックマーク、チャンネル登録、高評価、低評価、三密、GoToありがとうございます。

毎度嬉しさにウホウホしています。ドンドコドンです。(ドラミング)

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― 新着の感想 ―
わぁ!ロクサーヌも生きてましたか!よかったです! チトスもロクサーヌも生きてて良かった! チャンネル登録したい…!
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