この私を「役立たず」と「追放」した勇者に告げる。「もう遅い」と──
最近、なんだか勇者さまの身の回りが華やかになったと思ってたんですよねぇ……?
「お前を追放する。この役立たずめ」
勇者からそう言い渡され、私はパーティから追放された。
「仕方ない。故郷に戻って静かに暮らそう」
そして、15年もの年月が流た。
故郷で私は農夫の一人と結ばれ、その農夫との間に授かった子供は立派な勇者となり、魔王討伐のため剣を手に旅立って行った。
それから程なくして、私をパーティから追放した勇者が村までやってきて大声で私に言い放った。
「俺と結婚して勇者を産め!」
「もう遅い」