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トキノマ  作者: 木島別弥
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 ムラクモとクシナタの二人は、トキノマ探しをする凶悪犯として、政府に認定されてしまった。

 できるだけ速やかに拘束せよ。それが不可能ならば、射殺せよ。との命令が六つの政府から出された。

 なぜ、トキノマ探しがそれほど危険視されるのか。

 なぜ、政府はトキノマ探しをそれほど撲滅させようとするのか。

 ムラクモにはわからなかった。

 当然、クシナタにもわかるわけがなかった。

「だから、わたしのいた場所は地球なのよ。こんな平らな大地が宙に浮かんでる世界じゃないんだって。だから、わたしにはトキノマが何かなんて、まったくわからないんだよ」

 クシナタは何度もそれを強調した。

 いつまでたっても、ムラクモはクシナタがトキノマから来たのだということを信じつづけるからだった。

 早く、それがまちがっていることを納得させないと、家に帰れそうにない。

 というより、今、クシナタは家にではなく、トキノマという正体不明の場所へ行かされようとしているのである。

 トキノマには果たして、クシナタの家があるのか。

 クシナタには、トキノマにはクシナタの家はないような気がしてならない。

 なのに、なぜ、クシナタがトキノマ探しをしなければならないのか。

 しかも、命を賭けて。

「何で、ここの政府は、わたしを拘束しようとするのお。なんでえ」

「それは、クシナタがトキノマから来たからじゃないか。トキノマの謎が解ける時、六大陸世界が滅びるっていわれているんだ。政府はそれを信じているんだ。トキノマの謎が解けそうになると、邪魔しに来るんだ。邪魔しに来るというより、殺しに来るといった方がいいのかな。トキノマの謎を解いたものから殺される、そういう世界なんだ、ここは」

 ムラクモは静かに語った。

「クシナタをこの世界に連れてきた人、ズサだっけ、ズサは今頃、もう殺されてるかもしれないな」

「ええっ」

 それは嫌だ。

 クシナタは思った。

 確かに、ズサの所為でこんな六大陸などという場所にやってくるはめになったのだけれど、それでも、別に恨んでいるわけではなかった。

 ズサは、ただ、政府の禁止している実験を行っただけなのだという。

 この世界では、それだけで殺されてしまうのか。

 なんと物騒なところだろう。

 ここの政府は危険思想におかされているとしか思えない。

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