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トキノマ  作者: 木島別弥
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 異端の科学者ズサが無許可のまま、トキノマと六大陸世界をつなぐ実験を行ったことが政府にまで知れわたっていった。

 その実験の結果、トキノマから一人の少女がやってきたことが報告されていた。

 六大陸の六つの政府は、それぞれ大騒ぎになった。

 六大陸世界では、無許可でトキノマを関わることは、恐ろしく罪の重い凶悪犯罪として認定されているのだった。

 大急ぎで、六大陸世界の最高会議である六人会議が開かれた。六人会議は、六つの政府のそれぞれいちばん偉い人が集まって、相談する会議だった。

 六人会議では、すでに決定していることがくり返して確認されていった。

 まず、トキノマに関わることは世界を滅ぼしかねない重大犯罪であること。

 そして、だから、トキノマ探しをする者をみな処罰しなければならないこと。

 つづいて、トキノマへの道を開く実験は、例え何人殺すことになっても、阻止しなければならないこと。

「その科学者と女は、森の政府が責任を持って、監禁しよう。何十年たとうと、死ぬまで幽閉しよう。終身刑だ。それが妥当な線ではないかな」

 森の政府の代表がいった。

「これを機会に、トキノマを探さないので」

 砂漠の政府が尋ねる。

「危険すぎる。トキノマ探しをするものは、一人残らず、終身刑だ。拘束できない場合は、死刑をもって対処すること。これに異論はありませんな」

 森の政府の代表の声から厳しい内容が語られる。

「当然だ。トキノマに関わるものは、誰だろうと処罰せねばならん。例え、死刑になろうと、かまうことはないだろう。なんせ、トキノマ探しなのだからな。それくらいの重罪が当然の判断だろう」

 ビル群の政府の代表が賛成する。

「科学者の終身刑はよいとして、トキノマから来たという女はどうするのです。森の政府が単独で、調査なさるおつもりですかな。できるなら、調査には、海の政府も参加したいのだが」

 海の政府の代表が意見を出す。

「調査? 何を調査するというのですかな。女を甘やかして、トキノマ探しが広まっては危険すぎる。トキノマ探しを断固として禁止するためには、その女にも極刑を考慮に入れた対応をすべきだと進言したい。トキノマから来た女を野放しにしておけば、必ず、第二、第三のトキノマへの道を開けようとする実験を行う者が出てくるでしょう。それを抑止するためにも、トキノマから来たという女にも厳しい罰を与えるのが妥当だとわたしは考えるのでありますが」

 森の政府の代表が威圧する。

「場合によっては、死を与えると、そういうわけですかな」

 山脈の政府の代表が合いの手を入れる。

「簡単にいえば、そういうことです。トキノマに関わるものには死を。この原則を守るべきでしょう」

「承諾しましょう。我々、滝の政府は森の政府を支持します。トキノマに関わるものには死を」

 滝の政府の代表が発言する。

「異議なし」

 砂漠の政府が賛同する。

 こうして、六人会議で、異端の研究者ズサとトキノマから来た少女クシナタへの対応が決定したのだった。

 終身刑を。

 それが不可能なら、死を。

 それが六人会議の決定だった。

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