表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/212

64話 競技は驚きの展開がつきもの

こんにちこんばんは。

ちょっと最後の方が雑くなった仁科紫です。


それでは、良き暇つぶしを。

『駆け抜けるカオスファミリアは流石、今大会のダークホースと言われるだけあるわ。

 赤組は後ろからの攻撃に戸惑ってばかりで手が出せないようね。』


『本当に。あれだけの速さでどうしてハチマキを取れるのか僕が聞きたいくらいだね。あれで800位って詐欺だよ?』


『最近出来たばかりで実績がないから仕方がないのだけどね。』



 そんな実況と解説の声を聞き流しつつ周りを見ながら走る。開始から既に5分が経ち、全体の数は半数ほどに減っていた。作戦は順調であり、私たちが派手に暴れて混乱している所へアキトさんや妖華さん達が乱入。次々とハチマキを回収していく事が出来ていた。とはいえ、赤組も何も考えていない訳では無い。複数組で集まり、とられないようにと警戒しているのだ。

 そうは言っても競技が進むほどに数も減っていき、疲れが見えてくる。そこを私たちが派手に動けば動くほど、こちらを遠巻きにするものと追いかけてくるものに分かれていくのが見ていて面白かった。



「神様!次、あそこに突撃しますよー!」


「えっ!?ちょ、プティ!?」


「はははっ!神様なら行ける行ける!」


「ん。ついてく。」


「ちょ……!?……もー!仕方がないなぁ!行って!」



 目を引いた複数人集まって魔法の盾を構えているところに突っ込む。神様が渋ろうと足は私たちなのだ。そこはイケイケどんどんと進んでいくだけである。

 実際に神様は戸惑いつつもなんとか対処してくれるんですよね。



『あら。三組固まっている所へ突撃するなんて無謀ではないかしら。』


『でも、さっきから見ている限り、アルベルト選手は瞬発力で勝っているから出来ることなんだよね。普通ならこうはいかないよ。』



 感心する声に少し誇らしい気持ちになりつつ前の障壁が壊れる音ともに三組の間を走り抜ける。その間に神様がハチマキを取り、退場のブザーが3つ響いた。

 悔しそうな顔をして姿が消える赤組のファミリアを横目に次の獲物を探す。失格になったら観客席に戻されるというのは危なくていいですよね。


 そして、そろそろフィールドでは上位ファミリアが目立つようになっていた。



「よし!そのまま真っ直ぐ突っ込め!」


「は、はいぃ……!」


「アー!ソッチじゃないヨ!コッチ!」


「こっちってどっちですか!?」


「だかラー!コッチなんだッテ!」


「分かりませんよ……!」



 ある場所ではアキトさんが白組と赤組が対決しているところへ突っ込めという司令を出し、妖華さんが曖昧な指示を出して余計に馬役の人を疲れさせ、キレられていた。なにせ、妖華さんのところの馬役の人達は体力面に余裕が無い。理由としてはステータス的に後衛職よりだからだそうだ。

 元々アテナは知恵と戦闘を司る神様ですからね。魔法使いが多く所属していてもおかしくは無いでしょう。……妖華さんを見ていると、知恵とは?と思いますけどね。



 ・

 ・

 ・



『いよいよラスト5分ね。残り人数は後50組程かしら。』


『10分をきったところからの追い上げが凄かったからね。300組からたった5分で白組が30組。赤組が24組になったから、今のところは白組が優位かな。』


『そうね。……それにしても、こんなに広かったかしら?ここ。かなりの人口密度だったのだけど……もう魔法合戦だってできるわよ?なんなら、実際に始まってるくらいだし。』


『ここからが見所だね。ダークホースのカオスファミリアもまだ残っているし。未だにランキング上位12位のファミリアは一組も消えていないんだからね!』



 それにしてもやっぱりあの実力で800位はおかしいよと言うアカツキさんにサルーラさんがもう聞き飽きたと返すのを少しにやけつつ神様の指示に従って走る。……まあ、時々空の指示なんですが。


 今までの経過を見て私たちに近づくことすらも嫌なのか、上手く赤組を捕まえられずに2分ほどが経過する。そこへ右側から声がかけられた。



「ふふふ。ここまで囮役、ありがとうございます。」


「メルフィーナさん!お元気ですか?」


「そうね。それなりよ。」



 相変わらずの優しい微笑みに会場の殺伐とした雰囲気を忘れかけるが、そこへ鋭く神様から声がかけられる。



「プティ!後ろ!」


「了解です!空!ガイアさん!左側に回転します!神様はすぐに障壁を!前へ出ます!」


「オッケー!」


「分かった。」


「分かったよ!」



 空との意思疎通をし、体を動かしながらガイアさんについてきてもらう。神様には指示なんて要らないだろうが、一応でも私はこのファミリアのマスターだ。少しはマスターらしく指示くらいはすべきだろう。

 長たるもの、責任を持たねばなりませんからね!


 そうして振り向くと同時に神様が動く気配を感じる。それは今までにない程の衝撃だった。ガイアさんと組んだ手を離さないように力を込める。

 すると、まるで大丈夫だと言うかのようにガイアさんも握り返してくれる。やはり、ガイアさんは居てくれるだけで心強い。これはガイアさんが旧神だとかそういうのは関係なく、本人の性質なのだろう。



「さっきぶりだね。でも、大将は取らせないよ?」


「ふん。ほざけ。我らゼウスは負けん。」



 バチバチと手の叩き合いが始まる。言葉だけ見ると子供同士の喧嘩のようだが、実際の衝撃は物凄いものだ。目の前で馬役をしているトアさんも顔を顰め、膝を地面に付けないように耐えているほどなのだから。

 私だってキツい……というか、多分、本来は3人で馬を作るところを2人でしている分、衝撃を逃せていないんですよね。それでも、ガイアさんのお陰か崩れるほどではありません。


 しかしながら、徐々に後ろに追いやられていくのを止めることは出来ない。飛んでくる魔法は足元を狙っており、それを躱すためにも下がるしかないのだ。当然ながら、こちらも魔法を放つが、向こうはピンポイントでその部分だけ障壁を貼ることが出来るようで意味をなしていない。

 ジリジリと後ろへと下がる中、メルフィーナさんたちはと言うと、どうやら付き合ってくれるらしい。後ろで一緒に下がっている。



『あら。これは見物ね。ゼウスファミリアとカオスファミリアが戦い始めたわ。』


『やはりゼウスは強いね。魔導の崇拝者も居るから、魔法も撃ちたい放題だろうし。』



 このままではジリ貧だと思いながらも下がり続ける。……でも、です。それはこの状況が続けば、ですよね?


 若干冷や汗をかきつつも耐える。そして、ガイアさんがもうこれ以上は下がれないと握る手の力を更に込めた所で動きをとめ、飛んできた魔法を魔力糸で弾き、崩れないようにフォローする。



「口ほどにもない。」


「さて、どうかな?」



 へらりと笑ったであろう神様を訝しげに見るディボルトさん。

 しかし、防戦一方になっているのも事実だった。その後もこちらへと伸ばされる手は神様によって。魔法は私の魔力糸や障壁によって弾かれ続け、淡々と時間は流れる。



『もう守ることしか出来ていないじゃない。これは決まりかしら?』


『そうだね。カオスファミリアはこれ以上下がれないし……あ。』



 何処か呆けたような声が聞こえた後、そこへ乱入者が現れた。



「キミ達だけだなんて寂しいじゃないカ。ワタシも混ぜてヨ。ネェ?」



 ニヤリと笑う妖華さんの声とともに後ろから伸ばされる手。勿論、それに気づいたディボルトさんは慌ててその手を弾き、上体を反らす。そこへ神様からも手が伸ばされるのだからディボルトさんはたまったものでは無い。



「こっの……!トア!下がれ!」


「分かりました!左へ!」


「「是!」」



 崩れかけた体勢をすぐさま立て直したのは流石と言えるだろうか。勿論、ここで時間かければ妖華さんの更に後ろから赤組が来ることも十分に考えられる。

 しかし、だ。これは予め決められていた作戦だ。当然、その対策だってされている。



『ここに来てアテナファミリア参戦よ!

 いいわね!実に見ていてワクワクするじゃない!』


『伸ばされた手は届かないよ!でも、その後ろに居たヘラファミリアは何時まで……って、あれ?居なくなってる……?』



 困惑したアナウンスの声に焦っているゼウスファミリアは一様に驚愕の表情を浮かべる。

 そう。実は後ろにはもう誰もいないんですよね。


 ニヤリと笑いつつ、ゼウスファミリアの斜め後ろ右側から伸ばされた手を見る。そこにはメルフィーナさん達がいた。



「はぁい。ゼウスの皆さん?もしかして、私たちのことを舐めてました?」


「なっ……!?」



 立て直しを終えたばかりな所へ伸ばされる手。それを更に避けようとすれば……?



「あっ……!」



 慌てて体勢を戻そうにも既に騎手の体勢が崩れている。ここは円の一番端。ならば、どちらへ傾こうと先程のように体勢を立て直すには至らない。

 左後ろの人の足が円の外へと出る前にメルフィーナさんの手がディボルトさんのハチマキに届いた時、完全に騎馬が崩れた。



『あら。ゼウスファミリアの足が円の外へ出たわ。しかも、崩れたわね。』


『ここでゼウスファミリアが失格だよ。いつもは最後まで残っているのに珍しいね。』


『そうね。……というか、ヘラの性悪女ったら、ちゃっかり一万点をゲットしているのだけど。』


『君ぐらいじゃない?味方なのにそんな言い方をするの。』


『良いのよ。味方でも嫌いなものは嫌いなのだし。』



 ふんっと鼻を鳴らすサルーラさんの声を聞きつつ、後ろで今日一番の歓声が上がるのを感じた。既に残り時間は1分もない。辺りを見渡すと、周りには既に赤組が5組と白組が4組になっていた。

 そのうち、11組は神様ランキング上位12位に入るファミリアだというのだから、やはり凄い人達だ。


 その後、膠着状態が続き、残りの1分は過ぎていった。

 終了の合図がなった時、ポセイドンとアフロディーテの人たちからメルフィーナさんを妖華さんと一緒に守り続けている所だった。

 因みに、アキトさんは何故かアルテミスのマスターである月光院さんにひたすらキレられ、追いかけ回されていた。そこへデュランさん達アレスも参加していたと言うのに、捕まらなかったというのだから凄い。



『これにて全競技が終了ね。』


『後は集計だけだから、30分後に閉会式が行われるよ。皆、楽しみにしていてね!』



 さて、結局どちらが勝ったのか?楽しみですね!

次回、閉会式


それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 乱戦に次ぐ乱戦で、大混戦! カオスファミリアも無事役割を果たしました(笑)ゼウスを倒すのはヘラな辺り、神話通り「奥さんが強い!」ですね( ̄▽ ̄) [気になる点] こんなけ目立ったりすると、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ