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99話 捜索は地道に

こんにちこんばんは。

ギリギリに書き終えたので、見直しが出来ていない仁科紫です。


それでは、良き暇つぶしを。

「ここも違いますか……。」


「シャァ……。」



 あれから神様のお店を出た私とカンタはガイアさんの居た謎の空間とアイテールさんのいた場所を訪れたものの、手掛かりらしきものを何も見つけられずにいた。

 ダンジョンから出て2人で並んで肩を落とし、次の目的地へと向かおうとする。しかし、何かが視界に入った気がして注意深く辺りを見渡すと、遠くの空に何かが飛んでいるのが見えた。



「あれは……鳥、ですかね?」


「シャァ……シャァ!」



 どうやら当たっていたらしく、頷くカンタに機嫌を良くする。

 鳥と言えばやはり連想されるのはアイテールさんだろう。しかしながら、その影はアイテールさんとは別の鳥のようだった。随分と小さい上に長い尾羽がヒラヒラと舞っていることからして間違いないだろう。

 それに、カラフルそう?ですしね。影になっているために全体的に黒っぽいのであまりよく見えないですが、辛うじて頭部が若干白っぽく見えますし。僅かに桃色にも見えた気もしますが……うーん。分かりませんね。


 あれはなんの鳥だろうかと考えている間にもそれは何処かへと飛び去っていってしまった。

 追いかけてもいいのだが、今はそうのんびりしても居られないだろう。また見かけた時にでも正体を確かめようと次へ急ぐ。行き先はニュクスさんとへメラさんを見つけた昼光の街だ

 そういえば、あそこには変な信者さんたちも居ましたよね。


 もしかしたら何か分かるかもしれないと微かな期待を抱きつつ向かった。




 □■□■□■□■




 相も変わらず派手なネオンが街を照らし出す昼光の街。そのビル街の路地裏の一角では怪しげな7人の男たちが幼い少女によって身動きを取れないようにされていた。

 少女の頭の上にはタコのようなイカのようなどちらとも言いきれない軟体動物がクエッションマークを形取りながら男たちを見ている。通行人がいれば思わず二度見しそうな程には摩訶不思議な光景であった。

 ……まあ、その幼い少女とは私のことですが。



「うわっ!?な、何か用かよ!?」


「そうだそうだ!俺らはただあの方たちのためにだな!?」


「へぇ?あの方たち、ですか。詳しくお話を聞いても?」



 ニコリと意識して笑みを作る。勿論、そこに温度などある訳もなく、ただ相手に威圧感を与えるのみだ。……った筈なのだが、おかしな事に一部頬を染めて嬉しそうにしてきる輩がいる気がする。いや、きっと気の所為だろう。

 見ていません。ええ。私は見ていませんとも!



「あぁ……あの方達が至高ではあるが、こういうのもアリだなぁ……。」


「ワカル!ワカルゾ!」


「分からないで貰えますか!?」



 何やら頷き合う人々に思わずツッコミを入れるが、残念ながら不発に終わったようだ。不満げな顔を向けられ、不覚にも男たちを絡めとっている糸をギュッと縛り上げたが、余計に喜ばれただけだった。

 こんにゃろうども……!



「シャァ……?」



 苛立ちのあまりうっかりやらかしてしまいそうな所へ頭の上にいたカンタが地面へと降り、首を傾げて私を見てきた。その視線にハッとして咳払いをして衝動を誤魔化す。誤魔化しきれなかった分は気持ちを切り替えるべく突きつけた指の勢いに込めることにした。



「あのですねぇ!私はニュクスさんとへメラさんの居場所を知りたくて尋ねているんです!教えて頂けませんかねぇ!?」


「いや、教えて欲しい奴の態度じゃないだろ!?」


「そこは頭くらい下げてくれねぇと、なぁ?」


「ソウダソウダ!」


「は?」



 その言葉の数々に苛立ち、意識してより冷たい笑みを浮かべる。きっと殺気だってこもっているはずだ。

 短い悲鳴をあげる男たちだったが、勿論、喜んでる輩もいる。そこは気にするまい。人形でなければ青筋が浮かんでいたであろうが、そこは人ではないこの身だ。笑顔など作るのは容易いのである。



「で、でもなー?ご褒美もないのに教えるなんて……やる気が出ないなー?」


「ゴホウビ!ゴホウビ!」


「ふふふ。ご希望の方には後で鞭打ちにでもして差し上げますので、さっさと私の質問に答えて頂けますかね?」



 うふふあははと笑いながら笑みを濃くすると、ようやく話を聞くことが出来たのだった。

 はぁ。変態は欲深くて敵わない……と、言いますか、怖いもの知らずすぎてたまったものじゃないですね!?


 もう二度と変態の相手はしたくないと思う私なのだった。




 □■□■□■□■




「さて、と。情報によるとここのはずなんですが。」



 そこはまだ昼だというのにどんよりとした暗い雰囲気を纏う一軒の洋館だった。昼光の街ではなくその隣町である夜闇の街の外れにあったそこは静まり返っており、人の気配を感じない。

 かの変t……コホン。情報提供者達によると、ニュクスさんとへメラさんは定期的にこの場所で人を集めてはパーティを開いていたらしい。それも、旧神の素晴らしさと信者を募るようなものだったとの事だ。布教活動と言ってもいいだろう。

 あの男たちはその過程で知り合った同志であるらしく、時折旧神の素晴らしさについて語り合う中なのだとか。

 まあ、その対象は主にニュクスさんについてだったようですが。


 大きな門を鍵開けスキルで解錠して開いて中に入るとその広大さに圧倒される。外から見ても広いとは思ったが、中に入るとその印象は強くなるばかりだった。

 小学校のグラウンド程はありそうな広い庭園に三階建ての大きな御屋敷。こんなに広いと何に使うのだろうかと思わなくもないが、パーティをしていたというのだ。余程大人数で行っていたのだろう。



「そういう所はニュクスさんとへメラさんらしい、のかもしれませんね。」


「シャァ?」



 突然何を言ってるんだろうと言いたげなカンタになんでもないと言って咲き乱れる花から目をそらす。丁寧に育てられたのであろう大輪の花を咲かせるそれらは、目を楽しませてはくれるものの、どうにも気分が上がらない。

 そうしている間にも庭の中央にあった噴水を通り過ぎ、屋敷の玄関へと辿り着く。

 すると、まるでそれを予期していたかのように外側へと扉が開いた。ギィィッという軋む音がなることもなくスムーズに開く扉に背筋が薄ら寒くなる。



「……これは、入れって事でしょうか?」


「シャァ。」



 その通りだと傍らで頷くカンタに強ばっていた顔を弛めて歩を進めた。


 中は暗いかといえばそうでもなかった。外からは光が差し込み、室内でも歩くには不自由しない。勿論、薄暗い場所もあるがそういった場所には既に照明が灯っており、まるで誰かが来るのが分かっていたかのようだ。

 うーん。少し、気味が悪いですね。


 この先に何かが待ち構えているかもしれない。そんな予感を覚えながら警戒しつつ奥へと進む。

 情報によるとパーティはいつも地下で行われていたとのことだ。地下への入口はこの屋敷の1階を一周して戻ってくると現れるとも。

 今も現れるかは分からないが、とりあえず試してみる価値はあるだろう。

 静かな洋館にコツコツという私の足音とペタペタというカンタの足音が響く。


 コツコツペタペタコツコツペタペタコツコツペタペタヒタヒタコツコツペタペタヒタ……ヒタヒタ?


 立ち止まり、おかしな足音が聞こえた方向を見る。……が、誰もいない。首を傾げて再び前へと歩みを進めるがやはりヒタヒタという音が後ろから聞こえる。立ち止まり、後ろを見るがやはり誰もおらず、足元のカンタと2人で目を合わせて首を傾げた。



「あのー。どなたかいらっしゃるんですか?」


「ッ……!」



 後ろを向いて声をかけると、僅かに息を飲む音が聞こえた。先程までは気づかなかったが、どうやら柱の後ろに居たらしい。

 チラッと見えたのは肩口でサラリと揺れた白っぽい髪。背丈は今の私とそう変わらないらしく、少女や少年と呼べる姿をしているのだろう。警戒するようにチラッと顔を出してはまた柱に隠れるその姿は特に害があるようには見えず、寧ろ微笑ましささえ覚える。

 気づけばクスリと笑みを浮かべ、柱の向こう側に声をかけていた。



「すみません。驚かせましたね。私はエンプティというものです。柱の影にいらっしゃる貴方はどなたでしょう?良ければお名前をお聞かせ頂けませんか?」


「ひぅッ……!?ば、バレてる……?」


「シャァ……。」



 ここに来てまだバレていないと思っていたらしい影の人物にカンタが呆れていたが、そこは気にせず笑みを浮かべておく。出てきてくれるのを待っていると、次第にひょっこりと顔を出してくれた。

 髪はやはり白に近い色合いであり、僅かにウェーブがかかっていた。しかし、それよりも特徴的なのは目を覆う黒い包帯だ。包帯の下からでも私の姿は見えているのか、視線を感じる。よくよく見ると顔のラインからして整っているのが分かり、顔半分を覆われていても分かる端正な顔立ちに瞳が見えない事を少し残念に思った。

 きっと綺麗なお顔をしていると思うんですけどね。勿論、神様には勝らないとは思いますが。


 まあ、顔など比べるものでは無いだろうとただ少年だったその影にいる人物と見つめ合う。やがて少年はおずおずと口を開いた。



「……えっと……ぼ、僕は……ロノ……。」


「ロノさん、ですか。よろしくお願いしますね。」



 ようやく聞けた少年の名に嬉しくなり、微笑みながら話しかけると、話しかけられたロノさんは首を少し傾げた後、頷いた。どうやらよろしくしてくれるらしい。

 無視されるかとも思いましたが、頷いてくれたなら話が通じそうですね。


 若干失礼なような気がすることを考えつつロノさんの言葉に意識を向けた。



「どうして、ここに……?」


「実は、人探しをしていまして。姉妹の2人を見かけませんでしたか?夜のような女性と昼のような少女なんですが。」



 不思議そうなロノさんに訳を話すと、何か覚えがあったのかやがてポンっと手を打った。



「それなら、こっち……。」



 それ以上こちらの事情を聞かずにスタスタと歩いていくロノさんの後ろを慌てて追いかけたのだった。

 それにしても、なんだか服装が旧神の方たちに似ているような……?でも、旧神の方たちの服装はこの世界でも偶にですが見かけるものですし、気の所為ですね。

次回、ロノの案内先


それでは、これ以降も良き暇つぶしをお送りください。

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[良い点] 彼らに慈悲はない…与えたら喜びそうですね(・・;) 一人と一匹の旅…母を訪ねてを思い出しますね。 [気になる点] ふ~む。案内人といったら船に乗って来るのが定番だったのでは? [一言] み…
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