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神子

神都レーデン


神殿の中でまだ10才前後であろう少女は眠っていた。

その額には目のような形をした紋章が現れている。

少女の周りには円を描くように大規模の魔法陣が展開されており、さらにその周りには祈るように手を前で組み、頭を傾けている者達がいた。

その者達はこの神殿を管理している神官で、

私もその1人だ。

私はまだ神官となり日が浅い。

ただの村民だった私だがが15才を過ぎた頃、

聖属性魔術の才があったようで、神殿に連れてこられた。

この儀式を見るのも初めてだ。

何でも未来が見えるとか。

少女が眠りについて半日ほど経過した頃だろう、突如魔法陣が弾けるような音がした。

その音に驚き顔を上げると、少女は上体を起こし目を擦っていた。

どうやら目覚めていたようだ。

最高神祇官であるマクシム様、そして補佐官2名が少女の前まで行き跪いた。

それに習い他の神官も跪く、もちろん私も。

「アメリア様、我らに啓示を。]

少女は少々蹌踉めきながらも立ち上がり

上を見上げながら呟いた。


「…めちゃ、やばい……。」



神殿全体に動揺が走る。


「それは一体なにがやばいのでしょうか?

具体的な説明を!」

周りに控えていた神官の一名が

たまらず叫んだ。

そしてそれに続くように周囲をが騒がしくなる。

冷静な神官達が神聖な儀式の場で叫び出すなど、本来ありえない光景だ。

だが仕方ないだろう。

過去、神子様が発言された、

「…やば…」

でさえ同盟国2カ国に裏切られ、

この国は半壊しかけるという事態になった。

「静まりたまえ。」

マクシム様がそう発言したことで

再び静まり返る。

「ミア様、再びこの国に危機が訪れるということでよろしいですか?」

周囲の神官達は固唾も飲んで静聴している。

神子様が軽く会釈したことで動揺が大きくなる。

私は混乱していて訳がわからない状況だ。

「私達にそれを回避する手段はあるのでしょうか?」

恐る恐るマクシム様が尋ねると、

「…あなた達には、無理。」

神官達の顔が絶望にそまる。

「…私が、でるしかない。…多分何とかなる…。もう日が昇ったら、出る予定…

…時間が、惜しい…。」

「なんと?既にそこまで?

では直ちに、護衛と身の回りの世話をするものをこちらで選抜しておきます。」

「…いらない 。シンを連れて行く。」

「なるほど…シンティア様ならば安心ですね」

シンティア様って確かこの神殿を守護しているとかいう神獣様だよね。

っていうか実在したんだ…。

「後は身の回りの世話をする者ですが、

最低でも1人は連れて行かれるのが良いかと…」

「…うーんじゃあ、あの子。」

そう言い彼女は指をさした。

指先を辿って行くと

えーと、え?


私?


神子様と目があった。

透き通るような青色の瞳をしており、

目を合わせていると吸い込まれそうだ。

「ミア様彼女は確かに優秀ですがまだ若い、

経験が不足しているかと思われるのですが…。」

「…だいじょぶ。問題、なし。」

「ミア様がそう言われるのでしたら…。

ではアメリアよ、貴様に命ずる。

ミア様と共に行き補佐せよ」

え?思考が追いつかない…。

「返事はどうした」

「は、はい!謹んでこの引き受けさせてもらいます。」

慌てて返事をし頭を下げる。

はぁ、私に務まるかなぁ

しかしとんだ大役に任命されてしまった…。

「…アメリア、3時間後神殿の前、待ってる。」

神子様はそう言い残し、数人の神官達を引き連れ、神殿内部に共に入ってていった。



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