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超能力者の異世界生活!  作者: ヒデト
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エルフの国!

「うーん。何しよっか。」

「お任せします。」

「いいの、私が決めちゃって。」

「何書いてあるか分かんないんだ、察しろ!」

「あっ。ごめん。」

しかも、もし読めてもモンスター討伐とかだったら、どんな生き物か分かんないから一緒だからな。

「これにしよう。黒き狼(ギアウルフ)討伐、星2。」

「了解。」

「じゃあ、依頼受けてくる。」

ニーナは依頼書を持ってカウンターへ持って行き依頼を受ける。黒き狼(ギアウルフ)は街の外の森にいるようなので三人は森へ向かった。


「ところでクロは何も武器を持っていないみたいだけど魔法を使うの?」

「ああ。」

「じゃー問題ないね。」

森へ入り早速探し始める。

「ギアウルフは夜行性だから見つかるかなあ。」

「えっ夜行性?何でそんなの選んだんだ。まだ昼前だぞ!」

「だって任せるって言ったじゃん。」

「いや、言ったけど…。」

「まぁ、大丈夫。すぐ見つかるよ。」


森を十分ほど捜索すると、食事中の黒き狼(ギアウルフ)を発見する。見た目は少しハイエナに似ていた。物陰から様子を伺う。


「うわ、本当に居たよ。これってもう夜行性じゃ無いんじゃないの。」

黒き狼(ギアウルフ)は野宿してる旅人をよく襲うんだよね。」

「うん?てことは昨晩、俺の眠りの邪魔をしてたのはこいつらって事か。」

「お兄ちゃん、やっぱり眠れなかったんだ。」

「えっ、あっはい。眠れませんでした。」

「こいつらは…。」

「ここは俺に任せろ!」

「あっ!ちょっと待って」

クロはニーナの話しを無視して勢い良く飛び出す。クロに気づいた黒き狼(ギアウルフ)は食事をやめ、警戒する。

「このハイエナ擬きが、ただで済むと思うなよ!」

すると、黒き狼(ギアウルフ)は突然遠吠えを上げる。

「なんだ?」

黒き狼(ギアウルフ)は敵に遭遇すると、仲間を呼ぶ習性があるんだ。」

「早く言ってよ。」

「言おうとしたら、君が飛び出して行ったんじゃないか。」

「うっ。」

森の中からぞろぞろやって来て、俺たちを取り囲む。

「どーするのこれ。」

「任せろって言っただろ。」

「うん?」

俺は拳に電気を溜める。

「くらえっ!これが俺の怒りだ!サンダーーーー!ボルトッ!!」

拡散する落雷(サンダーボルト)。拳には溜めた電気を空へ打ち上げる。それはある高さまで行くと止まり、雷鳴を鳴らし拡散する。拡散した電気は周囲に落雷の様に落ちてギアウルフを攻撃する。無差別、そして無数に落ちたそれは俺たちを取り囲むギアウルフの殆どに命中し倒していく。そして運良く当たらなかったギアウルフは走って逃げて行く。

「すごい。」

「見たか!これが俺の力だ!」

「お兄ちゃん、すごい!」

「だろ。ハーーハハハ!」

自慢気に話すクロを見て、少し呆れた顔するニーナ。

「…でも、これなら。」



俺たちは街へ戻り、ギルドで依頼を完了し報酬をもらう。

「報酬は銅貨二十枚になります。お疲れ様でした。」

俺たちは空いてる席に座る。

「私、何もしてないから二人で分けて。」

「いや、色々世話になったしニーナ十枚、俺とアリスで十枚にしよう。いいよな、アリス。」

「うん。」

「じゃー、今回の報酬は要らないから代わりに君たちに頼みたい事がある。」

「なに?」

「君たちを雇いたいんだ。」

「雇う?どう言うことだ。」

「実は私、エルフの国の第五王女なんだ。」

「……まじ?」

「まじ。で、今国の近くてある生物が異常発生しているんの。そのせいで大きな声では言えないけど、かなり危ない状態なの。それで、お父様から五人いる王子、王女一人ずつ、街から手練れの冒険者を連れて来いって命令を受けたの。」

「それでニーナは俺を選んだと言うこと。」

「そう言うことね。引き受けてくれれば、もっと詳しく話すわ。」

「うーん?」

これはかなり大きなイベントだな。これを受けない手は無いけど、何か予想外の事がありそうなんだよな。…まぁいっか。

「受けるよ。」

「本当に、ありがとう!じゃー詳しく…。」

「っと、その前に腹ごしらえをさせてくれ。」


俺は貰った報酬で買えるだけの料理を注文する。俺とアリスはその料理にかぶりつく。二人は空腹になった腹を満たしていく。ニーナはその間に詳しく話をする。

今回、ニーナの国で異常発生した生物はバラスパイダーと呼ばれる生物。体長は1メートル〜50センチ、50センチくらいのは普段もたまに街中にも現れる。毒を持っているが凶暴性は無く、こちらから手を出さない限り何もしてこない割と大人しめの生物だ。見つければ、国の兵士が駆除もしている。だが今、異常発生しているバラスパイダーは1メートル級ばかりで街中に常に徘徊している。そして普段、大人しいはずがかなり凶暴になっていて、国の兵士も大勢やられてしまっている。それで五人の王子、王女に手練れの冒険者を連れてくる様に命令し、その冒険者の力を借りこの危機的状況を打破しようと言う考えらしい。


「君たちがご飯、食べてる間に迎えに来るように連絡しといた。夜には来るはずよ。」


そして、夜になり街を出てすぐの所で迎えを待つ。

「なぁ、俺で良いのか?」

「なんで?」

「いや、お前が連れて来るように言われたのは手練れの冒険者なんだろう。どう考えても、俺は手練れの冒険者じゃないと思うけど。今日、ギルド登録したばっかだし。」

「大丈夫。冒険者としての経験はともかく、君の使った魔法はかなりのものだった。あれだけの魔法が使えればバラスパイダーも簡単に倒せるはずよ。」

「そうなのか。」

あと気になるのは迎え、だな。やっぱり馬かな。いや、ニーナは王女だって言ってたから馬車。でもここは異世界だから恐竜みたいなのとか、狼とか。なんだろう。

「迎えって何が来るんだ。」

「フェアリーバタフライって言う虫型の生物が迎えに来ることになってるわ。」

「フェアリーバタフライ?」

「昔から私の国で使えてるって言うのかな、飼ってるっていつのかな、まぁこう言う時の迎えや移動する時に力を貸して貰ってるんだよ。」

「ふーん。」

フェアリーバタフライ。妖精に蝶か。どんなのが来るんだ。名前だけでも凄く綺麗な生物を連想させるな。ワクワクするぜ。

すると、突然空から物凄い風圧が来る。そして何かが羽ばたく音が聞こえ、だんだんと近づいて来る。

「来たみたい。」

上を見上げると黒い影が降りて来て、そばに降り立つ。

「こっこれは!」

「これがフェアリーバタフライよ。」

その姿を見た瞬間、寒気がした。鳥肌が立ち、冷や汗をかく。そのシルエットは想像したものとは全く違うものだった。

キッモー!キモいキモいキモいキモいキモい!!なんじゃこいつ!どこが蝶なんだよ。どう見ても蛾じゃないか!

10メートルはあろう身体に身体から生える緑色の毛。羽根には人の顔の様な不気味な模様があり蛾にしか見えなかった。

モスラだ!リアルモスラだ!

「さあ、行くわよ。」

「えっ?!こいつに、乗るの?」

「そうだけど…まさか、高いの苦手?」

「いや、苦手じゃないけど…。」

そうじゃない。そう言うことじゃないよ。いや、だって…乗れないよ。だって蛾だもん。

その思いに反する様にニーナは何も気にすることなく乗る。そしてアリスも俺が乗るのを待っていた。俺は恐る恐るフェアリーバタフライの背中に手をかける。動く背中に戸惑いながらゆっくりと足を掛け乗る。それを追う様にアリスも乗る。

「じゃー行こうか。」

合図をすると、フェアリーバタフライは羽根を羽ばたかせ木々が大きく揺れるほどの風をおこしながら飛び立ちエルフの国へと向かう。背中の上は乗り心地最悪だった。生暖かい背中が羽ばたく度にうねうね動く、そしてその乗っているものか虫の中でも嫌いな蛾。ただただ気持ち悪かった。

「お兄ちゃん、本当に大丈夫?」

「あっああ。」

気持ちわりー、汗が止まんねーよ。早くつかねーかな。


「そんな下ばっかり見ないで空見なよ。」


俺は顔を上げる。目の前には大きな湖が広がっていた。空には無数の星が異常なまでに輝き、それが湖に写り込んでいた。

「すげー。」

「きれー。」

「マジですげー。」

乗ってるのがこんな蛾じゃ無ければ最高だったのに。


あっという間に湖を超え、また別の森に入る。そして少しするとある範囲だけ光っている場所が見えてくる。

「着いわよ。ここが私たちエルフの国、シフレス。」

光っている場所に着き下見る。そこは正しくファンタジー。巨大な木々が立ち並び住人はその木の上、木の中でも生活していた。そしてその巨大な木々は装飾されたクリスマスツリーのそうにキラキラとカラフルに光っていた。

「みんなこの木で生活してんのか?」

「ええ、私たちエルフは遥か昔からこのバンデルツリーの力を借りて暮らしているの。」

「へぇー。」

一際大きく太い木に降り立つ。恐らくここが王城だろう。


「ついて来て。父にあってもらうわ。」

「父って王様だよな。おー緊張する!」

「あのー、私も一応王女なんですけど…。少しは私にも緊張していいのよ。」

「そういやそうだったな。でも今更緊張って言われてもな。」

「そういやって…まぁいいけど。」


ニーナに付いて王城の中に入る。王城内は木の匂いし暖房が入っていると思うくらい暖かかった。

「うわ、あったけー。」

「木にも体温があるからね。生きたバンデルツリーの体温は20度から24度、私たちが生活するには最適の温度なのよ。」

少し歩くと他の扉より一際大きく豪華など扉があり、その前に八人の人が立っていた。

「ニーナ、遅いぞ!」

「すいません。」

「これで全員揃ったな。では、入るぞ。」

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