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超能力者の異世界生活!  作者: ヒデト
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異世界!

朝、目を覚ますと大好きなアニメの大好きな美少女キャラのポスターを最初に見る。

「うん。今日もいい朝だ。」

俺は毎日、漫画やゲーム、ライトノベルが沢山ありアニメのポスターが壁一面に貼られているザ・アニメと呼ぶに相応しい部屋で目を覚ます。そして顔を洗い歯磨きをして髪をセットする。

「うん。今日も決まった。」

鏡を前でニヤニヤしながら独り言をつぶやく。リビングへ行きカーテンを開け朝日を浴びる。

「おはよう。今日もこの素晴らしい時代に生まれた事に感謝。」



今のこの世界は歴史上で最も平和な時代と言われている。今から二百年前、超能力を科学的に証明する事に成功した。その事は世界に凄まじい影響を与えた。戦争をしていた国は強引に戦争を終結させ、戦争をしていた国々は戦争に使っていた金を全て能力研究に注ぎ込み、その研究に没頭した。世界中で能力研究の競争が始まったのだ。

そして今、世界は一定の成果を出し、能力研究の競争も落ち着き、能力を使った競技ができ始め、能力の強さごとにランク付けされたりと、能力に関する事が整備されてきていた。

そしてここは、能力者たちが快適に過ごせるよう、また能力者たちの抑制させるために開発された最先端の都市だ。

超能力の証明に成功したと言っても、世界中の人全員が能力者と言うわけではない。能力研究で一定の成果は出したが、まだ解明されていない部分も多い。だから世界の国々は自国の中から五千人の学生を選び、能力者にする事にした。そしてその選ばれた学生たちがこの都市で暮らしている。



いつものように、学校へ向かう。

「みんな、おはよう。」

「ああ、おはよう田中。」

クラスの男子が笑いながら少し馬鹿にするように言う。

「俺を苗字で呼ぶんじゃない!」

「じゃーおはよう悟。」

「名前も呼ぶんじゃない!」

「じゃーなんて呼べばいいんだよ。」

クラス全員が笑う。

くそー!

少し悔しそうな顔をして席につく。

俺の名前は田中悟。俺はこの名前が好きじゃなない。

田中!なんだよ田中って!苗字多いランキングのトップ五に入ってくる苗字だぞ。…ありえない。

そして悟。なんだよ悟って。変とは言わないけど、今どきの若者の名前じゃないだろ!……地味。

まぁいい。今日は能力測定の日だ。みんなにかっこいいところを見せてやる。



能力測定はその能力の性質で測定方法はこのなる。俺の能力は電気を操るタイプの能力だから測定機に攻撃をし、威力を測るタイプの測定と測定用に準備された機械を指示通りに操るといった測定をする。

「次は、出席番号十二番。田中くん。」

「はい。」

ふん!やっと俺の番か。

「じゃーあの測定機に攻撃してください。」

ゆっくり測定機に手を向ける攻撃をする。

光の閃光と共に電気がバリバリの音を鳴らす。次の瞬間、目が眩むほどの光を放ち、空気の振動を感じるほどの爆音がグラウンド中に響き渡る。

『測定結果。ランクS』

測定機が判定する。

ふん。決まった。

「うわー。相変わらずスゲーな。」

「あれであの痛い言動がなかったらいいのにな。」

攻撃した後の決めポーズを見ながら言う。


能力はSからEまででランク付けされる。その中でもSランクはまだ世界で五人しかいない。俺はその五人のうちの一人だ。



「じゃー対人での測定をしまーす。」

「っな!…なんだと!」

能力研究で能力者たちの能力の衝突で能力の共鳴が起こる場合がある。そして能力の相性と言った未解明な部分がまだ沢山存在する。そう言った未解明な部分を解明する為に行われている測定だ。測定方法は単純だ。能力を使って重傷を負わせない程度に検査機が終了の合図を出すまで戦うと言うものだ。


俺はこの測定が嫌いだ。


「じゃー今日はこの組み合わせでやっていきます。」

組み合わせ表をみんなに見せる。

「先生!対人測定するなんて聞いてないですけど…。」

「うん。だって言ってないから。……それに今日決まった事だし。」

「そー言う事はちゃんと!…だったら最初から来なかったのに。」

後半は聞こえないくらいの声で言う。

「あーもう決まった事なんだからごちゃごちゃ言わないでくれる!」

少しイライラした様子で言う。

「はっ、はい。すいません。」

小さい声で落ち込んだ感じて言う。

「じゃー始めまーす。」


対人測定が始まり、次々と測定が進んでいき等々俺の番がやってきた。


「じゃー次はの組み。前に出て。」

「はい。」

ついにきてしまった。

「おーい。頑張れよ!」

クラスメイトが笑いながら声援を送る。

「よーい!はじめ!」



開始の合図から数秒後には仰向けになって空を見ていた。周りのみんなはそんな俺を見て笑っていた。俺はこの対人測定が嫌いというより、人に能力を使うのが苦手だ。少し調節を間違えれば簡単に生き物を殺してしまうこの力を人間に向けて使う事がとてつもなく怖かった。


そもそも何で他の人はそんな躊躇なく人に能力使えるんだ?


Cランク以上の能力があれば簡単に人を殺す事ができる。Cランク以下でも重傷を負わせるだけの威力の能力が使える。そして俺はSランク。少し調節を間違えれば丸焦げにしてしまう。だからEランクでも出せるくらいの威力に調節してしまうし、躊躇もしてしまう。簡単に言うと…ビビりなのだ。


そんな俺が対人戦闘で勝てるわけもなく、対人測定の時はいつもこんな感じだった。


くそー!くやしー!


そして、全ての測定が終わった。



「はぁ〜。」

また恥を晒してしまった。いつかみんなを見返してやる。…まぁ今日は大好きなラノベの発売日、気分的にはプラマイプラスだ。さぁ、早く買いに行くか。


俺は足早に教室を出る。


「あっ!帰るの?」

廊下でクラスメイトが声をかけてくる。

「ああ。」

「明日、実験の感想聞かせてね。」

「実験?」

「一週間くらい前。国立能力研究所で行われる最新鋭の実験に呼ばれたぜ。ヘッヘッヘ!って言ってたじゃん。」

「そんな事いっ……あっ。」

一週間前にクラスのみんなに自慢していた事を思い出す。

「そーいやそんな事言ってたっ…て、俺そんな言い方してないだろ。」

まぁそんな事はいい。今日研究所に行っていたらラノベを買いに行けないじゃないか!


高まっていたテンションが急降下していくのを感じていた。


「はぁ〜。そうか…ラノベ買えないのか…。」

落ち込みながらその場を立ち去る。

「………。」


そしてフラフラしながら、憂鬱そうに研究所に向かう。


「おー!来たか。」

研究所に着くと博士が声をかけてきた。

「はい。」

低いトーンの声で答える。

「何だ。元気ないな。とりあえず研究室に行こうか。」

「はい。」

いつまでも気にしてても仕方ない。明日買えば良いんだから。当日読めないのは悔しいが、誰も呼ばれていない実験に呼ばれたんだポジティブに行こう。俺は選ばれしものだ。うん。そうだ、選ばれし者だ。なんだか気分が良くなってきた。


急降下していたテンションが真ん中より少し上まで回復した。

そして少し顔が緩む。


「それで、今日は何の実験をするんですか?」

「うん?…ああ。詳しい内容は言えないが、君にしか出来ない。君にやってもらいたい事があってね。」


おーー!まさに選ばれし者。


「それでやって貰いたい事というのは?」


研究室に着き、博士が何かのコードを渡す。


「…えっと。これは?」

「今日の実験に必要な電気を君に作って欲しいんだ。」

「……えっ?」

「いや〜今月電気使い過ぎだって怒られちゃってさ、今月もう電気使えないんだよね。」

「えっと…それって…。」

「で、世界で五人しかしかいないSランクの能力者であり、世界一の電気系能力者の君に実験に必要な電気を生成してもらおうと思ってお呼びしました。」


おい!何だそれ!俺は本屋に行きたいくて行きたくて堪らないのを我慢して来たっていうのに。


涙をぐっと堪える。


「はぁ〜分かりました。」

「いや〜ありがとう。…どーした?また悲しそう顔して、そんな顔してたらモテないぞ。はっはっはっ!」

笑いながら肩を叩く。


この腐れジジイが必殺のライジングパンチをテンプルにぶち込むぞ。


博士を睨め付ける。


「じゃー電気流してくれる。」

「はい。」

実験が始まり、実験装置が動き出す。

「おーいい感じ。」

くそ〜、帰ったら家にあるラノベ読みまくってやる。それから…

「うん?何だ?」

帰ってからのことを考えている時、実験装置内で謎の物体が発生していた。

次の瞬間、謎の物体が急に大きくなり凄い勢いで周りのものを吸い込んだ。

「うわっ!」

不意を突かれ、俺の身体が宙に浮き、持っていたコードも放してしまい謎の物体にあっという間に吸い込まれた。


「田中くん!」

「うわーーーー!」

謎の物体の中は真っ暗だった。上も下も分からない空間だ。だか、確実に進んでいるのは分かった。


何だこれ?まさか俺の人生これで終わりか?早い、早すぎる俺の人生。こういう時って諦めが肝心かな。次はもっと上手くそして長く生きられます様に。

拝みながら死を覚悟する。真っ先に頭に浮かんだのはアニメや漫画の事だった。

…ああ、もっとアニメ見たかったな。…もっと漫画やラノベ読みたかったな。


目の閉じ、いろいろな事を考えてると。


ガサガサっ!ッドス!


「いたっ!……イッテー。」

目を開け、身体を起こし周りを見渡す。


「どこだ……ここ?」

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