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第八話 アルファス半島沖海戦 後編

皆さんあけましておめでとうございます。


難産でした。自分で言うのもアレですがやっつけ感がありますが、どうぞ。


ラーバス艦隊の残存艦艇の巡洋艦の数が合わないとのご指摘があったため、3隻から2隻に変更。


2016/01/30/01:15

更に修正。

また対艦ミサイル、SSM-2Bによる攻撃の箇所を高度6000mからの暖降下からシースキミングに変更。

同日

ラーガスタ大陸 アルファス半島沖

ラーバス皇国植民地艦隊旗艦ルブラシア


「…!司令!!対空レーダーに反応!!12時方向!!距離50km!!」


「何!?」


旗艦ルブラシアのAD-1C対空レーダーに映ったもの。

それはF/A-2C/D 8機からなる攻撃隊から発射された32発もの93式空対艦誘導弾(ASM-2)であった。

攻撃隊はルブラシアのAD-1C対空レーダーの索敵範囲外からASM-2の最大有効射程150km地点で発射したのだ。発射後ASM-2は中高度をしばらく飛行した後一気に海面にまで降下して海面スレスレを飛行していたのだが、偶然にもこれを探知していたのだ。

因みにASM-3こと08式超音速空対艦誘導弾を使用しなかったのはASM-2の在庫処分である。


「これは…!み、ミサイルです!!数は32!!低空を飛行しています!!」


「何!?み、ミサイルだと!?ありえん!!ミサイルは高等文明国家であるラーバス皇国のモノだぞ!?何故蛮族が持っている!?」


「距離は!?」


「もう40kmを切っています!!距離37km!!」


「ええい!!迎撃せんか!!この馬鹿者共が!!」


テオドールが感情に任せて怒鳴り散らす中、ルブラシア艦橋の見張員は前方両舷にいるレオドール級巡洋艦二隻の前部甲板の単装発射機からAS-1対空ミサイルを発射したことを知らせる。


「巡洋艦レオドール、ミサイル発射!!迎撃開始!!」


「同じくラント!!ミサイル発射確認しました!!」


その報告にテオドールは気を良くし、狂喜乱舞する。


「よぉし!!蛮族の劣化コピーのミサイルなど我がルブラシアの敵ではないわ!!一発残らず叩き落せ!!本艦のミサイルは!?」


「今発射しました!!二発!!」


ルブラシアは連装タイプの発射機を右舷左舷合わせて四基持っており、この内前方を指向できる二基から一発ずつ発射。一発ずつなのは単に照準用のレーダーが最大二発までしか誘導できないためだ。


「他の艦は!?」


「ミサイルを発射したのは本艦、レオドール、ラント、後はレンバル級大型駆逐艦四隻のみ!!後はミサイルを搭載していません!!」


テオドールは他の艦はどうしているのかルーカス大佐に聞く。しかしその答えはテオドールを余計怒らせるだけであった。


「くそ!!これだから植民地艦隊のポンコツどもと行動を共にしたくは無かったのだ!!クソ!!クソ!!クソ!!クソォ!!」


テオドールは自分がこの艦隊の指揮官である事を忘れたかのように、ただただ艦橋で無駄に装飾された司令官席で怒鳴り散らす。怒鳴ってどうなるものではないというのに。

その間にもASM-2は迫っており、まずAS-1対空ミサイルの迎撃網に引っ掛かった。


AS-1は最大射程40kmの艦対空ミサイルで、誘導方式はセミアクティブ方式を採用しているが命中率が低い上に近接信管も不具合が多く、10発撃って4発当たればいい方である。


32発ものASM-2はAS-1の迎撃を受けたが32発中2発が迎撃され、残りのAS-1は大きく外れて海面に突っ込んで水柱を上げた程度であった。

AS-1の迎撃網を意図も簡単にあっさりと抜けたASM-2はあっという間に艦隊まで10kmにまで迫っていた。


「ミサイル迎撃失敗!!命中したのは二発のみ!!」


ミサイルを担当する火器管制官からの悲鳴とも思える報告がくる。それにルブラシアの艦長はどの艦から発射されたものか聞く。


「どの艦から発射したものだ!?」


「本艦のものです!!」


その問いに火器管制官は自艦から発射されたものと答える。実際ミサイル用のレーダーモニターには自艦が発射したミサイルしか表示されないようになっている為識別は容易である。


「他の艦は!?」


「駄目です!!外れました!!」


通信長が他の艦から来たミサイルによる迎撃結果を艦長に報告し、それを聞いたテオドールが更に怒り、声を張り上げる。


「何故だ!!何故ミサイルが当たらないのだ!!」


テオドールは始めてみたAS-1という艦対空ミサイルに期待を寄せていた。それも過剰なまでに。当然テオドールもAS-1の不調は聞いている。だが彼はそれら全てを使用した者が適当に使用したと判断していた。つまり彼は自国の技術に溺れていたのだ。そして期待した結果が迎撃失敗という形で出てきた。


「敵ミサイル、本艦の対空砲の射程圏に入ります!」


「迎撃しろ!!」


見張り員からの報告に艦長は直ぐに搭載されている対空砲と対空機関砲による迎撃を指示する。



同日

ラーバス皇国植民地艦隊前衛 駆逐艦ダグダ


植民地艦隊に所属する駆逐艦ダグダは旧式の駆逐艦で排水量1550トン、12cm単装砲三基、37mm三連装対空機関砲四基と武装も貧弱だ。嘗ては魚雷発射管を搭載していたが現在は取り外されている。


その駆逐艦ダグダの艦長であるラーガ少佐は艦橋で水平線を睨んでいた。


「副長、旗艦は?」


ラーガ少佐は自身の信頼できる副長に旗艦はどうしているか聞く。先ほど対空ミサイルを発射してからどうなっているのか気になったからだ。


「どうやらミサイルによる迎撃に失敗したようです…」


「そうか」


副長のその答えにラーガは表情を変えずにそういう。元々彼はミサイルというものに信頼していなかったし興味も無かった。なのでミサイルによる迎撃が失敗しても気にならなかった。むしろ従来の対空戦闘――レーダーと連動した対空砲と対空機関砲による弾幕――のほうが効果的だと考えた。それが今までの航空機――レシプロ機程度まで――なら効果的だが残念ながら相手は対艦ミサイル、それも時速1150km超えの速度で、超低空を飛行するミサイルには無力であるとラーガ少佐は気づかされることになる。


「ッ!!艦長!!前方12時方向、ミサイル超低空で接近!!」


「来たか…対空射撃!!」


「はッ!!対空射撃!!」


ラーガは副長に対空戦闘を指示し、副長は砲術長に対空射撃を行うように指示を出すが対艦ミサイルはすでに主砲で攻撃できる範囲を越えていた。


「だ、駄目です!!目標が早すぎて…ッ!!主砲攻撃圏突破されました!!」


「何!?」


ラーガ少佐は相手を見誤っていた事に今更ながら気づかされた。

彼は決して無能ではない。でなければこの艦の乗員達から慕われることは無いだろう。


「機関砲!!何をしている!!」


ラーガは近くの伝声管で機関砲座に怒鳴り込む。だがその答えは絶望的であった。


『目標が速すぎて捕捉できません!!』


「ミサイル上昇!!」


見張員の悲鳴にも似た報告を聞き、ミサイルをみた。


「化け物…」


駆逐艦ダグダの手前1km地点でホップアップしたASM-2はシーカーを起動し目標を捕らえ、そのまま第一砲塔の少し手前の前部甲板をぶち抜き、船の背骨とも言うべき竜骨(キール)で弾頭に搭載された250kg高性能炸薬が炸裂。その瞬間ラーガは自身の艦に突入したそれ――93式空対艦誘導弾Ⅱ型――を見てそう言い、意識を永遠に手放した。



同日

ラーバス皇国植民地艦隊


植民地艦隊に襲い掛かった30発のASM-2は容赦なくその猛威を振るった。懸命に対空砲火で撃ち落そうとしたが対艦ミサイルの前では無力でそれらを潜り抜けて行った。


植民地艦隊前衛を務めていた駆逐艦ランドの轟沈を歯切りに続々とASM-2は殺到。駆逐艦ダグダの後方にいたダグダ級駆逐艦二番艦のデラグは艦橋にASM-2が命中しランドと同じく真っ二つに引き裂かれ轟沈。旧型の巡洋艦デンバー、クレダは中央部と前部甲板に一発ずつ直撃し弾薬庫を吹き飛ばされ爆沈。

植民地艦隊でも比較的新しい巡洋艦ラントは前部甲板に設けられたミサイル発射機にASM-2が直撃しその下の弾薬庫に収められていたミサイルに誘爆しそれが主砲弾薬庫にも引火しあっという間に爆沈。

旗艦ルブラシアにも二発が命中したがラーバス皇国が誇る艦なだけにその程度ではビクともしなかった。

だが植民地艦隊が被った被害は大きく、出撃前は駆逐艦24、巡洋艦5、大型巡洋艦(巡洋戦艦)1の計30隻を誇っていた艦隊は今や駆逐艦12、巡洋艦2、大型巡洋艦1の15隻までになっていた。


被害報告が上がり、それを聞いたテオドールは当然の如く怒り狂い、残った15隻で南ラーガスタ海への突撃を幕僚たちが反対する中、司令官権限でテオドールは強制的に決定させた。




同日

日本海軍ラーガスタ大陸派遣艦隊第二戦隊


ラーガスタ大陸派遣艦隊第二戦隊は敵艦隊発見の情報が入って直ぐ旗艦加賀からの命令で直ぐに摩耶を引き連れ敵艦隊攻撃の為前進している。


「攻撃隊による攻撃は成功…だな」


第二戦隊旗艦ミサイル巡洋艦高雄のCICで戦隊司令の田中少将は艦隊旗艦加賀からの情報で一回限りの航空攻撃の結果からそう判断した。また衛星が捕捉した情報によると敵艦隊は半数がやられたのにも関わらずアルファス半島方面に向かっているという。


「はい。それに我々と敵艦隊との距離は凡そ400kmです」


「哨戒に出しているヘリ(ロクマル)からは?」


「今のところは何も」


「そうか…」


第二戦隊は現在、哨戒ヘリのSH-60Kを前方に6機出して哨戒任務に当たらせている。アルファス半島での海兵隊上陸作戦時にはそれらは第一対潜哨戒護衛隊群旗艦の日向に一時期預けていたが、現在はそれぞれの母艦である高雄、愛宕、摩耶の3隻に戻っている。


戦闘空中哨戒(CAP)は?」


「瑞鶴から4機。全てF/A-18FJ(スーパーホーネット)です」


「そうか」


レーダー情報が表示されたモニターには第二戦隊上空を周回する戦闘機の情報が表示されている。

何れも所属は瑞鶴搭載の第四航空団に所属する12機編成の第271戦闘攻撃飛行隊のもので、その内の4機が上空の援護の為に来ている。



同日

アルファス半島沖

日本海軍第二戦隊

ラーバス皇国植民地艦隊



植民地艦隊を見つけたのは、第二戦隊直援のホーネットが交代して5分後。

高雄搭載のSH-60K(シーホーク)が18ノットでまっすぐこちらに向かってくる敵艦隊を補足。距離にして凡そ350km。それを受け、田中は総員戦闘配備の命令を下し、第二戦隊は速やかに迎撃体制をとる。


そしてラーバス艦隊は旗艦ルブラシアの対水上レーダーにより、第二戦隊を距離180kmで補足。第二戦隊でも高雄、愛宕、摩耶のレーダー…FCS-4Aがラーバス艦隊を捕捉した。

敵艦隊捕捉の報を受けたテオドールは対艦ミサイルを搭載した艦による飽和攻撃を実施した。


「蛮族共め!!ここが貴様らの墓場だ!!対艦ミサイルを発射せよ!!反撃の猶予を与えるな!!奴等の船を1隻残らず沈めるのだ!!」


無茶苦茶な命令ではあったが士官たちはそれを忠実に決行した。

発射された対艦ミサイルは第一波から第四波までの計46発。

理論上これだけの対艦ミサイルを迎撃するのは困難に思われた。実際対艦ミサイル論者であるテオドールは絶対の自信が有った。

既にテオドールは勝った気でいた。揺るぎ様の無い約束された勝利。だが勝利の女神は、ラーバス皇国アルヴェニア植民地艦隊に微笑むことはなかった。

何故なら――


「…!!司令!対艦ミサイルからの送信波途絶!!」


「何!?」


「こ、これは!?対艦ミサイルが敵の迎撃を受けています!!」


神の盾――F.A.D.I.システム――と働き蜂(オオスズメバチ)の前では唯の(迎撃目標)でしかないのだから。


ルブラシアの艦橋が驚愕に包まれていた頃、第二戦隊ではミサイル巡洋艦高雄、愛宕、摩耶のVLSから03式艦隊防空誘導弾(SAM-1ER)が発射されラーバス艦隊が発射したのべ四波、46発にも及ぶ対艦ミサイルの大群を血祭りにあげていた。

03式艦隊防空誘導弾は、空対空誘導弾である99式空対空誘導弾を元に開発された艦対空誘導弾で有効射程は最大100km。さらに高雄、愛宕、摩耶が搭載する和製イージスシステムこと、艦隊(Fleet)防空(AirDefense)迎撃(Intercept)システムはその名の通り、艦隊防空を前提に開発されたシステムだが対弾道ミサイル迎撃機能も有する優れたシステムだ。

また搭載するレーダーも最新の和製SPY-1こと、15式射撃指揮装置4型(FCS-4A)で、F.A.D.I.システムとの相性が非常に良い。

元々FCS-4自体F.A.D.I.と同じ時期(2000年頃)に出る予定だったのだが、レーダーシステムの開発に手間取り、また専用システムであるF.A.D.I.システムも開発にてこずった為かなり遅れて登場た。

そこでまず先に00式射撃指揮装置3型(FCS-3)を完成させ、その後それらをベースにFCS-4を開発している。


ラーバス艦隊が発射した対艦ミサイル、計46発はSAM-1ERによる迎撃により全てが叩き落された。発射された対艦ミサイルがハープーン対艦ミサイル並の速度であったことと、波状攻撃と言うことも重なり第二戦隊は落ち着いて迎撃することができた。もちろん数発程すり抜けてきたものも有ったが、白露、村雨、春雨、綾波が搭載する03式個艦防御誘導弾(SAM-1SR)により迎撃されるか、ECMで対艦ミサイルの軌道を狂わせ、76mm速射砲や25mmCIWSにより突破した対艦ミサイル全てを迎撃した。


ラーバス艦隊が発射した対艦ミサイルを全て迎撃した第二戦隊は陣形を輪形陣から、槍の様な摩耶を先頭とした単縦陣へと瞬く間に作り変える。その陣形変更は鮮やかで素早い。それだけでも日本海軍が日頃から訓練してきた賜物である証拠であった。一方のラーバス艦隊は当初こそ輪形陣であったが対艦ミサイルを発射した際に陣形が崩れ、その姿はボートレースのように単横陣になっていた。

田中少将はここで戦隊を一旦反航戦になる様に進路をずらした。そして彼我の距離が60マイルになると、摩耶を除く第二戦隊全艦艇から1隻に付き1発ずつのSSM-2B――16式超音速艦対艦誘導弾Ⅱ型――を発射した。このミサイルはASM-3こと08式超音速空対艦誘導弾の艦載型で性能は殆ど変わりない。


四連装発射機から発射されたSSM-2Bはある程度をロケットモーターで高度を稼ぎつつ加速。その後高度6000m付近でロケットモーターが切れる寸前でラムジェットに点火。その速度を一気に音速の三倍(マッハ3)まで加速し、高度6000mを巡航する。

ラムジェットはその構造上空気が薄い高高度が最も効率よく稼動するためだ。


SSM-2Bはある程度巡航すると艦隊から20km地点で海面スレスレまで降下し、低高度を音の三倍の速度(マッハ3)で飛翔し敵艦隊に殺到。6発のSSM-2B(音速の槍)は各々の標的、残存する2隻の巡洋艦と4隻の駆逐艦に命中し、800kg爆弾級に匹敵する400kg高性能炸薬が炸裂し、装甲の薄い駆逐艦は一発で真っ二つに引き裂かれ瞬く間に轟沈。巡洋艦はしばらく耐えたが、機関室に浸水し水蒸気爆発を引き起こしたり弾薬庫の誘爆により轟沈ないし爆沈。

そしてラーバス皇国最強の戦闘艦、ルブラシアにも魔の手が迫っていた。



ミサイル巡洋艦摩耶CIC


「目標敵巡洋戦艦。発射弾数5。主砲、撃ちー方始め!!」


「目標敵巡洋戦艦。発射弾数5。主砲、撃ちー方始め!!」


砲雷長が目標を指示し、砲術長がそれを復唱し、トリガー型の主砲射撃トリガーを引く。すると摩耶に搭載された18式152mm電磁投射砲が毎分20発の速度で、発射、冷却を繰り返しチタンとタングステンの塊が砲口から吐き出される。

最高速度がマッハ7にも到達する砲弾はまずルブラシアの艦橋を破壊し、テオドール以下艦隊司令部を壊滅させ、2発目は僅か250mm程度の重要装甲区画(ヴァイタルパート)を紙の如くぶち抜き、3発目は第二砲塔を破壊。4発目は機関室を、5発目は弾薬庫を破壊。機関室と弾薬庫を破壊されたルブラシアはその瞬間大爆発を引き起こす。その爆発は凄まじく、爆発により生じたきのこ雲はなんと500mにまで達したと、艦隊の前方哨戒に当たっていたSH-60Kのパイロットは後にそう語ったと言う。


「目標に全弾命中確認…」


「目標は?」


「現在確認中…ヘリより入電(データリンク)きました!…目標の沈黙を確認…撃沈です!!」


その瞬間CICが歓喜が沸いた。ガッツポーズを決める者。ハイタッチをする者等、各々のCICの管制官達は喜んでいた。


「終わったか…」


見守っていた摩耶の艦長も安心したかのように呟いた。だが直ぐに気を引き締める。



時を同じくして――

第二戦隊旗艦ミサイル巡洋艦高雄CIC



「そうか…やったか…」


高雄のCICでも戦隊司令の田中も同じように安堵していた。敵の象徴とも言うべき艦隊旗艦(フラッグシップ)の撃沈。おそらく敵残存艦は今頃慌てふためいているだろう。その証拠にレーダーモニターには回れ右をして逃げてゆく駆逐艦の姿が映っていた。


「これで、今後の作戦展開がやりやすくなりましたね」


「ああ」


(さて、後は海兵隊と陸軍か…)






アルファス半島沖で日本海軍ラーガスタ大陸派遣艦隊とラーバス皇国海軍植民地艦隊の戦闘の幕が下りた頃、ラーガスタ大陸では日満連合陸軍とラーバス皇国本国陸軍との戦いが激化していた。

そしてそれはこの戦争最大の戦車戦、後に『ラーガスタ大陸戦車決戦』の幕開けでもあった。

次回、『ラーガスタ大陸戦車決戦―序章―』

異界の地に鋼鉄の獣が集う。

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