終焉〜妖々夢編終了〜
妖々夢編終了です
その昔、僕は想う人がいた。当たり前だろ?いくら蓬莱人になったからって人間。人を愛するのは当然さ。でも、僕は不老不死。僕が想った人は人間。人間は死ぬ。すぐ死んじゃうんだよ。もちろん、彼女が天に登った時僕は泣いた。泣くにきまってる。悲しみや非力な自分に腹が立ったり色んな感情があったよ。
そして、その後に出来た偶然、奇跡の技。それが終焉。
何故終焉と名付けたのか。それはもう僕が人を愛する事はもう無いから。あの愛が最後。僕の愛する、という感情は死んだのさ。
***
辺りは暗い。あのスペカを使い幽々子はピチューンした。そして西行妖を再封印する事にも成功した。春は幻想郷に帰り今頃桜が神社の前で咲いているだろう。
西行妖が封印された事によって桜は無くなり、いつもの冥界になった。さっきまでは辺り一面桜で綺麗だったけど、このいつもの冥界も普通に綺麗だ。
「…っ」
「お。霊夢。起きた?」
「…か、薫。…あいつは?」
「倒したよ」
「そう…」
「さて、霊夢帰ろうか」
「ええ…」
そして、無事異変解決。これでいつもの生活に戻れる。早く帰ろうか。
「薫。私…」
「ん?」
「役に立たなかったわよね。ごめんなさい」
「ははっ。何言ってんだよ」
「だって、薫の足止め出来なかったし」
「いや、十分だよ。霊夢が足止めしてくれなかったらやられてたよ?」
「それでも…」
「良いんだ。霊夢は良くやってくれた。ありがと」
僕は霊夢の頭をクシャっと撫でた。霊夢は恨めしそうに僕を睨んだがすぐ笑顔になり
こちらこそありがとう
と、可愛らしい顔で言った。
***
「ったく!あんたらのせいで!私はぁ!どんっっっっだけ疲れたと思ってるのぉ!?あぁ!?」
「だからすいませんって言ってるじゃないですか。そもそも私は何も…」
「あら?妖夢。共犯でしょ?」
「そーですが…」
「いいからぁ!謝れぇ!そして金をよこせぇ!」
「すいませんでした。金は渡せませんが酒を…」
「ったく…」
いつもの如く宴会です。お分かりでしょうが霊夢は完全に酔っております。幽々子と妖夢にずっと謝れぇ謝れぇって言ってる。
僕は今日は一人酒じゃなく皆の輪に入り酒を飲んでいる。まぁ霊夢がたまにはこっちにきなさいって言わなかったら一人酒だったけど。
「お疲れ、薫」
「ん?あぁレミリア」
「今回はあなたも出撃したのね」
「出撃って…。まぁうん。友人が起こした異変だったし」
「そう。あ、これこれ。紅魔館からのプレゼント?的なモノよ」
「お、ありがとう」
開けてみるとワインだった。
「ワインか!ありがと!」
「うん。じゃ私は戻るわ」
そう言うとトタトタと自分がいた所に戻って行った。
ワインか。これ美味いんだよ。前紅魔館で宴した時に飲んだのと同じかな。アレは本当に美味かったよなぁ。
「薫!何よ!それ」
「ん、あぁこれ今レミリアから貰ったワインだよ」
「何一人で飲もうとしてるの!」
「一人では飲もうとしてないよ」
「私にも飲ませなさぁい!!!」
「はぁ、はいはい」
いつもの日常に戻ったなと思った瞬間だったよ。
次から永夜異変までしばらく日常編です。