第八話
side―三人称―
クロード達の模擬戦が終わるまで、カムイとワルグは、斬り合いを続くていた
お互いに急所を狙うが、避けられ反撃を受ける。しかし、避けて反撃をするの繰り返しだ
2人の戦いは他と比べて、あまり移動していなかった
「ヤバいな」
アリトリアがポツリと呟いた
「どうした?何がヤバいんだ?ワルグと互角にやり合えてるじゃないか」
アリトリアの呟きが大和には聞こえていたみたいだ
「確かに表面上わな・・・」
「何が言いたいんだよ!」
はっきりしないアリトリアに少しキレ気味になる大和
「カムイは緊迫した状態が長く続くと・・・」
カムイはワルグの蹴りを喰らって吹き飛んだ
そしてトドメを刺そうと追い掛けるワルグ
「自分の精神を護る為に、アイツは反転するんだ」
その瞬間、カムイの魔力が膨れ上がった
「クハハッ!」
side―カムイ―
俺は短剣と水から氷に変えた短剣の二刀流、ワルグは刀で攻防を続けながら実力の差を考えていた
ワルグだっけ?
実力は同じくらいか?・・・接近戦は向こうの方が少し上か!
なら、魔法ならどうだ?近すぎて使えないけど・・・
無理に引いたら斬られるな
「クッ!」
考え事をしていた為か、短剣を弾かれた
直ぐに右手に土魔法の応用で鉄のガントレットを創り出して、ワルグの斬撃を防ぐ
「彼も二重属性持ち?」
フィアルさんが師匠のアリトリアさんに質問してるのが聞こえるなぁと思いながら、右手で刀を掴んで左手の短剣を破棄して鉄のガントレットを造り出す
「カムイは虹色の属性だ」
アリトリアさんは自分の事の用に話してるな
「余所見ばかりしてじゃねぇ!!」
ワルグの攻撃が一層激しくなった
俺は焦って足を止めて、手だけで避け始めた
ワルグの刀が胴を狙って横薙に振ってきたので、左手で上に弾き上げる
そして右手で顔面を狙って殴りにいく
しかし、顔を傾けるだけで避けられた
ワルグが左手の手刀で首を狙ってきたので、右手で左手首を掴んで止める
右手の刀で右腕を狙ってきたので、左手で刀を掴んだ
その瞬間、脇腹に激しい衝撃が走り目の前からワルグが消えた
「グッ!」
蹴られたのか?
『何をやってる?』
ドクンッ!
なんだ?
『何時まで遊んでるつもりだよ?』
ドクンッ!
俺はコレでも真面目にやってるんだ!
『解放しろよ!』
ドクンッ!
何をだよ!?
『もういい・・・変われ』
そして俺は意識を失った
side―三人称―
「クハハッ!」
カムイはユラリと立ち上がった
「あれはシンの方だな」
「シン?」
アリトリアの呟きに大和が質問する
「アイツは多重人格なんだ。闇がシン、光がレイだ」
大和の質問にアリトリアはカムイ・・・シンを睨みながら答えた
「・・・行くぞ?」
シンが言った瞬間、シンの姿は消えた
「ガハッ!」
次の瞬間、ワルグが後方に吹き飛んだ
ワルグは腹を押さえながら、うずくまった
「おいおい!どうした!?もっとやり合おうぜ!!」
シンの瞳は両目とも魔人のような金色だった
「待っててやるから来いよ!」
シンは右掌を上に向けて挑発した
シンの両手のガントレットは、何時の間にか無くなっていた
「く、クッソー!」
ワルグが両手で刀を持って斬り掛かった
「・・・ノロいな」
左手で向かってきた刀を掴んだ
左手から血が飛び散る
「ほら」
左足で横蹴りを放って、またワルグを蹴り飛ばした
「まだだ」
シンの右手には風魔力を圧縮した球があった
「耐えろよ?ウインド・リベリオン!」
シンは右手を前に突き出して、風魔力のままワルグに放った
風の塊が真っ直ぐワルグに向かって飛んでいく
「やりすぎだ!」
風の塊とワルグの間にアリトリアが入った
「ふっ!」
斬っ!!
アリトリアは光魔力で両手剣を創り出して、風の塊を二つに斬り裂いた
ドッゴーーーン!
アリトリアの後方で、二つに割れた風の塊が地面に着弾した
「やりすぎだ!」
広報からの強い風で、アリトリアの髪が乱れてしまった
「あ・・・く・・・うぁ・・・」
後ろではカムイに恐れてしまったワルグが腰を抜かしてしまっていた
「闘いに割り込むなよ。それともお前が相手をしてくれるのか?」
シンはアリトリアを挑発する
「今日は訓練ではないからな。やめておく」
「チッ!」
しかし、アリトリアは挑発には乗らなかった
シンはふてくされた
「まぁいい、俺はもう寝る。カムイに宜しくな」
シンはとろんとした目で言った後、欠伸をして倒れた
「アイツは勝手すぎる!」
アリトリアはカムイを担ぎ上げた
「陛下。カムイが寝てしまったので今日はもう良いでしょうか?」
「・・・そうだね。皆もゆっくり休むと良い」
「はっ!」×全員
陛下はカムイの多重人格の事は、アリトリアから事前に知らされていた
その為、皆よりも驚いていなかった
side―カムイ―
ワルグとの戦闘中にシンと入れ替わってから、目が覚めて一番最初に目に映ったのは・・・
「・・・医務室の天井か」
ベットから這い出て、身体を軽く動かして異常がないか調べる・・・うん、大丈夫だ
「魔力が消費されているだけか・・・何時もは身体が動かなくなるんだよな」
よそう
考えただけで嫌になるorz
俺の中には『シン』と『レイ』が居る
アリトリアさん曰わく、『シン』が闇で、『レイ』が光らしい
俺にとっては、同じ自分なんだが・・・
人格としてはシンは好戦的で乱暴、得意戦術は接近戦と広範囲魔法
レイは冷静沈着で温厚、得意戦術は遠距離魔法と複数同時魔法だったかな?
「起きたか?」
ストレッチをしていたら、アリトリアさんが入って来た
「はい。どれくらい寝てましたか?」
ストレッチを止めてアリトリアさんと向き合うように立つ
「体調も大丈夫そうだな・・・陛下からの伝言だ。そろそろカードの更新をしたらどうだと言ってるぞ?」
答えてくれなかった!
俺ってどれくらい寝てたのさ!
言えない事なのか!?
「ふっ・・・1日だ」
鼻で笑われた後に教えてくれた・・・俺何かした?
アリトリアさんの後ろに付いて王妃の部屋に向かったら、クロードとミルキィも居た
「おお!カムイ!大丈夫だったのか?」
「心配したんだよ!」
クロードとミルキィが押し倒さんばかりに、押し寄せてきた
「大丈夫だよ。魔力を使い過ぎただけだから」
「そっか」
ミルキィは安心したようだ
「心配させんじゃねぇよ!」
クロードは俺の背中をバンバン叩きながら言ってきた・・・イテーよ!
「皆揃った事だし、更新をしていいかな?」
王妃が騒いでいる俺らを、優しい目で見ながら言ってきた
「「「はいっ!」」」
「では、祈りなさい」
名前:クロード
年齢:6歳
筋力:E
体力:E
魔力:G
敏捷:F
精神:G
運勢:F
称号:闘士
特性:鬼火、無手魔法(未完成)
人種:鬼人
属性:茶色の波動(土)
二つ名:無し
名前:ミルキィ
年齢:6歳
筋力:G
体力:F
魔力:E
敏捷:F
精神:G
運勢:E
称号:魔術師
特性:魔眼、魔法属性付加(未完成)
人種:魔人
属性:黒色の波動(闇)
二つ名:無し
名前:カムイ・ゼロクン
年齢:6歳
筋力:E
体力:E
魔力:E
敏捷:F
精神:E
運勢:D
称号:騎士
特性:???、圧縮・解放、魔力武器化(未完成)
人種:人間
属性:虹色の波動(全+?)
二つ名:無し
2人は二つステータスが上がってるな
俺は一つだけか
まぁ、俺の方が高いから上がり方も遅いわな
それから、それぞれが師匠達の技を受け継いだくらいか
俺の圧縮・解放は二つで一つのスキルだったんだ
それにしても???が気になるな・・・多重人格か?
どうやったら表示されるんだろうか?
その後、皆でカードを見せ合いながら過ごした
訓練は昨日模擬戦をやった為休みだった
シン・レイのステータス
名前:シン
年齢:6歳
筋力:C
体力:E
魔力:C
敏捷:C
精神:G
運勢:G
称号:悪魔
特性:魔力解放、魔力強化
人種:人間
属性:虹色の波動(全+?)
二つ名:闇の人格
名前:レイ
年齢:6歳
筋力:G
体力:G
魔力:D
敏捷:D
精神:C
運勢:C
称号:天使
特性:刀氣術、複数同時展開
人種:人間
属性:虹色の波動(全+?)
二つ名:光の人格