第三話
俺が孤児院に来てから三年が過ぎた
孤児院に来た初日の雰囲気は無くなり、皆仲良くなったと思う
俺と良く連んで居たのは、クロードとミルキィだった
2人とも初めての友達が俺だったのか、良く懐いた
10歳を超えたイーサン、ロード、ガイ、クリフは10歳の時にギルドに登録して働いている
働いていると言っても、イーサンとガイが猟師の手伝いの依頼を受けている
クリフは薬師の手伝いで薬草を採取したり、調合したりの依頼だ
ロードは孤児院でメルアさんの手伝いをしている。将来孤児院を引き継ぎたいそうだ・・・そんなロードにイーサンは好意があるみたいだ(笑)
サラ、アンネ、ウェルは、良く固まって遊んでいる・・・ウェルとガイはよく喧嘩するが、多分好意の裏返しなんだと思う。お互い
ケイティは体が弱いため、大半をベッドで過ごしている
なので、よく作り話と言って前世の本の話をしてあげている
ケイティにも懐かれて『お兄ちゃん』と呼ばれるようになった・・・同い年なのにorz
確かにケイティは小柄で童顔だから幼く見えるけど・・・
俺が暇な時に作った将棋・囲碁・チェス・オセロが孤児院で大人気になった
皆暇だったんだろうな
「カムイは居るか?」
そんなある日ガロンさんに呼ばれた
「どうしたんですか?」
「陛下がカムイと話したいそうだ」
今までガロンに付いて城には何回か言った事があるけど、ご指名は初めてだな
「マジかよ!やったじゃねぇか!」
五月蠅いよクロード
・・・正直面倒くさいですけど
クロードの外見は茶髪でヤンチャだ
目は鋭くて、瞳は赤色だ
「行かなきゃ駄目ですか?」
「何言ってるの?陛下直々の命なのよ!」
俺が嫌そうな顔で問い掛けたら、ミルキィに怒られた
「そんなに嫌がるのはお前だけだろうな」
だって何かとマリア姫と婚約させようとするんだもん
まだ五歳だからね?早過ぎだからね?俺って孤児だから平民なんだからね?
第二王女だからって扱いが酷いよ?
マリア姫が可哀想だよorz
「・・・準備します」
「クロード、ミルキィ、カムイが逃げないように見張っといてくれないか?」
信用されてねぇな!
「それから、カムイが作った遊具を全部持って行くから馬車がある場所に来なさい」
遊具、将棋・囲碁・チェス・オセロね
了解しましたよ~
右手を挙げて自室に向かう
その後をクロードとミルキィが追ってきた・・・本当に信用されてねぇなorz
上質な服に着替えてから馬車のある場所に向かった
何時もの服じゃ駄目だからね
「お待たせしました」
クロードとミルキィは見送りの為に付いてきていた
「うむ、では行くぞ?」
「はい」
「・・・お前達も来るか?」
ガロンさんが少し考えてからクロード達に話し掛けた
「えぇ!」
「いいのかよ!」
「別に構わないだろう」
「じゅ、準備してくる」
クロードとミルキィは凄い速さで自室に駆けていった
「そんなに行きたいのかね?」
「カムイは頻繁に行ってるから、そう思わんのだろう」
「そんなもんですか」
クロードとミルキィを待ってから、馬車に揺られて50分くらいで城に着いた
「で、デカいな・・・」
「・・・・・・」
クロードとミルキィは城の大きさに唖然としている
多分孤児院と比べたんだろうな。それなら当たり前だけど
「行こうか?クロードは角隠しとけよ?」
「わかってるよ」
自分の前髪で角を一生懸命に隠すクロード
「ミルキィはコンタクト」
「ちゃんと付けてるわよ」
黒のカラコンが付いているのを見せてくる
この世界は、魔法が主体だと思ってたけど、ちゃんと科学も発達しているみたいだ
人間達には鬼人も魔人も良く思われてないからな
人間には、エルフ、獣人、鬼人、魔人という順に馴染まれている
王座の間に入ったら、王座に陛下がその隣に水の巫女である王妃が座っていた
クロード、ミルキィは緊張してガチガチだ
「良く来たね、カムイ君。其方の2人は?」
俺とクロードとミルキィの3人で陛下と対面中
ガロンさんは別の部屋で仕事中
「彼は鬼人のクロード。彼女は魔人のミルキィだ」
「なっ!!」
「ちょっ!!」
斜め後ろに居る2人を紹介した
紹介した瞬間、周りがザワめいた
クロード達も困惑しているな・・・俺が紹介したから変装した意味が無くなったからね
「彼らは?」
陛下の眼が鋭くなった
「俺の義兄弟だよ。変装させたのは、変に警戒されたくないからね」
俺は陛下に対してタメ口で話す
これは陛下からの頼みだ。なんでも友人として接したいらしい
「今はまだ五歳だから大丈夫だけど、十歳になったら働かなきゃいけないんだ。その為の根回しの為に連れて来たんだ」
鬼人、魔人という理由で就職出来ないからね
「将来私に雇えと?」
わかってんじゃん♪
「そうですね♪鬼人の力は成人男性の三倍、魔人の魔力は低くても聖女クラスの下の下だ。損は無いと思うよ?」
遠回しに軍隊に入れろと言ってみる
「・・・・・・」
「・・・・・・」
陛下は無言で俺を睨む
俺は笑顔で受け流す
周りはかなり焦ったような表情だ
「く、くはははは!」
無言の時間が十秒くらい続いた瞬間、陛下が突然笑い出した
「そうだな。カムイ君の言う通りだ!五年後と言わずに今日から見習いとして雇おう!」
おぉ!寛大だね!
「鬼人のクロード君は戦士・剣士・闘士の三つから、魔人のミルキィちゃんは魔術師でいいかな?」
「え?・・・その」
「ぅん・・・えっと」
いきなり話を振られてキョドる2人
「では、登録をしないとな!頼む」
陛下は隣にいる王妃に声をかけた
「ええ」
王妃は優しく微笑むと立ち上がって2人の前に来た
「そんなに堅くならないで、今のステータスと称号を与えるだけよ」
王妃は混乱している2人に向かって両手を広げた
「祈りなさい」
王妃が言った瞬間、2人は光に包まれた
それから直ぐに光は収まり、2人の前には一枚ずつカードが置いてあった
カードには
名前:クロード
年齢:5歳
筋力:E
体力:F
魔力:G
敏捷:F
精神:G
運勢:G
称号:闘士
特性:鬼火
人種:鬼人
属性:茶色の波動(土)
二つ名:無し
名前:ミルキィ
年齢:5歳
筋力:G
体力:G
魔力:E
敏捷:F
精神:G
運勢:F
称号:魔術師
特性:魔眼
人種:魔人
属性:黒色の波動(闇)
二つ名:無し
とそれぞれ書いてあった
「まだ五歳なのにEがあるわね。人種の関係でも、五歳なら良くてFよ。凄いわね~」王妃が2人の頭を優しく撫でた
G・F・E・D・C・B・A・S・SS・SSS・EXの順で上がっていく
噂ではEXの上があるらしいが、出たことは無いらしい・・・EXって確か測定不能だったよな?
普通の人間でオールGだったかな?(18歳で)
2人はいきなりEを出したのだ
きっと優秀なんだろうな
因みに精神とは、集中力の事らしい
「次はカムイ君だな」
「俺も!!」
いきなり何を言うんだろうね?あの陛下は?
「彼らだけ入隊は変だろう?君も入らなきゃ」
変じゃないですよ?
俺は2人と違って飛び出ている物は無いんですから!
「結構で・・・何で掴むの?」
断ろうとしたらクロードとミルキィに両肩を掴まれた
「仲が良いのね」
王妃が右手を頬に当てながら話しかけてきた
売られてるだけですorz
「遠慮するなよ」#
「そうだよ」#
何故か怒っている2人
「祈りなさい」
眩しいよ!!
十秒後、光は消えて足下にはカードが・・・見るのが怖いなぁ
拾って確認
名前:カムイ・ゼロクン
年齢:5歳
筋力:F
体力:F
魔力:E
敏捷:F
精神:E
運勢:D
称号:騎士
特性:???
人種:人間
属性:虹色の波動(全+?)
二つ名:無し
おう!なんだコレは!?
「こんなの初めて見たわ」
王妃も唖然としていた