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第十一話


side―カムイ―


気が付いたら迷宮の入り口に横たわっていた

起き上がりながら身体に異常が無いか調べる

うん!大丈夫そうだ


「・・・ぅん」


横で声が聞こえたので横を向く・・・誰も居ない

コワッ!!


「・・・ぇう」


下を見たら、髪が桃色の女の子が倒れていた

水槽に入っていた女の子だ

あの時は水槽の中に居るって事に驚いて、良く見てなかったけど、髪の長さは肩までで肌が白い

瞳は目を瞑っているので確認できない

一応毛布みたいので身体を包まれていた

これは城に報告しなきゃな

確認の為に入り口の方を見る

入り口は閉ざされて入れないみたいだ

ふと、入り口の前に何かが刺さっているのが見えた

剣だ

両刃で刀身が赤と黒だ

ベースが赤で黒が血管のようにデザインされている


「・・・貰ってくか?」


ガッ!


剣を取りに行こうとしたら後ろから足を掴まれた


「此処・・・何処?」


振り返って確認しようとしたら、女の子から話しかけられた


「此処は水の国アルテミアだよ」


女の子は座っているので、目線を合わせるためにしゃがむ


「あるてみあ?」


どうやら記憶がないらしいな


「名前は?」


「名前?・・・クロウ」


クロウか・・・女の子っぽくないな


「ちょっと待っててね?」


クロウを待たせて、剣を取りに行く

剣の大きさは、短剣と同じくらいだ

ちょうど良いな

何か手に馴染んでるし


「行こうか。掴まって?」


クロウの所まで戻って、クロウをお姫様抱っこする


コクン


クロウは頷いて両手を俺の首に回した


「行くよ」


風竜の鎧に魔力を通して一気に上昇して、城を目指した




城の中庭に降りた

城に着いたのは夜遅くになってからだった

降りた時に兵隊に騒がれたが、俺だとわかると自分の持ち場に戻って行った


「今から陛下の所に行くから付いて来て?」


コクン


俺の後ろをトコトコ付いて来る

歳は同い年か、年下かな?

まぁ、俺にはもう関係ないけどな♪

孤児院を運営しているガロンさんの方に行くはずだからね


「着いたよ・・・おいで」


珍しそうに城の中をうろちょろしていたクロウを呼んだ


「入るぞ」


クロウがトコトコとコッチに着てから扉を開けて中に入った


「やぁ、カムイ君。どうしたんだい?」


「実は・・・





って事だ」


迷宮の中での事を話した

悪魔と天使の事は、何となく言わない方が良い感じがした

だから、奥にクロウが居たことにした


「大変だったね」


「まぁな」


「彼女・・・クロウちゃんの事だけど・・・」


陛下がクロウの方に視線を向けた


ススッ


クロウは陛下の視線から逃げるように俺の背後に移動した

やめてよorz

何か嫌な予感がするじゃんorz


「よし、クロウちゃんはカムイ君に任せよう!」


ほらぁぁぁorz


「何でだよ!ガロンさんに頼めよ!ガロンさんは孤児院を運営しとるでしょ!」


「いやぁ、ガロン将軍より、カムイ君の方が懐いてるしね」


ギュッ


左手を握られた

クロウを見ると、緑と青の瞳で見上げていた

しかも涙目だ


「ハァァァ・・・わかったよ」


なげやりに言いながら、クロウの手を握り返した


パァァァ


クロウの表情が、見るからに嬉しそうになった


「今日はもう遅いから城に泊まっていきなさい。先に風呂に入りなさい。その間にご飯の用意をしとくから」


「ありがとう」


俺はお礼を言って、部屋から風呂場に向かった

そういえばクロウの服が無いな

風呂に入るときに頼めば良いか


カッポーーン!


風呂から出た

クロウの入浴をメイドさんに頼んだら、またクロウが涙目になった

だから、俺と一緒に入浴した

正直風呂で泳ぎだした時は焦った

因みにクロウの服はワンピースだった


ガチャッ


クロウを連れて食堂に入る


「カムイィィ!」


「ゲフッ!」


マリアがロケット頭突きをかましてきやがった


「今日は泊まっていくんでしょ?」ガクガク


「ちょっ、止めって!」ガクガク


気持ち悪くなるからやめてくれ!


「ちょっと!聞いてるの?」ガクガク


「・・・・・・」ピクピク


限界に近い俺ですorz


「・・・」グイッ


クロウが横から俺を引っ張って、マリアから引き離す


「・・・だめ」ギュッ


クロウが大事そうに抱き締める


「あんた何よ」ギロ


クロウを睨み付けるマリア


ススッ


マリアから隠れるようにして、俺の後ろに移動するクロウ


ブチッ


マリアの何かが切れる音がした


「ちょっと来なさい!」


マリアが強引にクロウを別の部屋に連れて行った


「はぁ・・・」


何だったんだ?

やっぱり待つしかないのか

溜め息を吐いて適当な席に座って待つ事にした


「いいのかい?」


今まで傍観していた陛下に話しかけられた


「別にいいですよ。二人とも何を張り合ってるのか、わからないんだし」


「そ、そうか(カムイ君はかなりの鈍感なんだね。カムイ君に惚れた子は大変だね。人事だから良いけど・・・)」;


俺の顔を凝視する陛下

顔に何か付いてるのか?

ちゃんと洗ったはずなんだけど?

自分の顔を触りながら確認する

駄目だ、わからないorz




それから10分くらいしたら、二人とも戻ってきた・・・笑顔で

仲良くなったら別に良いんだけどね


「・・・」ジッ


右隣に座っているクロウがジッと俺を見ている

因みにマリアさ俺の左隣だ


「・・・?」


一度料理を見てから、また俺を見る

もしかして、食べ方がわからない?

試しに近くにあった肉をナイフで切って食べる

そしたら、クロウも同じ様に切って食べた

違ったのかな?

そのまま、クロウを観察してみる事にする


「・・・」


「違うよ」


クロウはサラダもナイフで切ろうとした


「こう」


サラダにフォークを刺して食べるのを見せる


「わかった?」


コクン


やっぱり食べ方が、わからなかったみたいだな

教える事が沢山あるな

右手を目元に当てて上を向きながら、クロウに教える事を考える

頑張るか

意気込んでから食事を再開した


食事が終わった後、うろちょろしてたら王妃に会ったのでカードの更新を頼んだ


名前:カムイ・ゼロクン

年齢:6歳

筋力:D

体力:E

魔力:D

敏捷:E

精神:E

運勢:D

称号:騎士

特性:???、圧縮・解放、刀魔術、精霊王の加護、魔力武器化(未完成)

人種:人間ハーフ

属性:虹色の波動(全+?)

二つ名:無し


そういえば、ドラゴンを倒したけど、ドラゴンってどのくらいの強さなんだろう?


「・・・私も」


「そう?」


隣で見ていたクロウも、やりたいみたいだ

王妃は確認の為か俺を見る


「いいんじゃないんですか?」


「じゃあ・・・祈りなさい」


クロウのキャッキャッ喜びながらカードを見せてくれた


名前:クロウ

年齢:8歳

筋力:F

体力:F

魔力:C

敏捷:F

精神:C

運勢:D

称号:無し

特性:???

人種:人間ハーフ

属性:虹色の波動

二つ名:無し


「あら?カムイ君と同じ特性ね」


???があるからね

???の中が同じとは限らないけどね

属性が虹色の波動か

とことん俺と似ているな

ステータスも高いしね

もしかして、クロウと俺は同じ・・・

まさかね!

気にしてもしょうがないか!



俺とクロウは、その後用意された部屋で寝た

寝る時にマリアが乱入してきたので、三人で寝た

それからクロウは孤児院に連れて帰って紹介をしたあと、俺と一緒にアリトリアさんに世話になることになった

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