表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

第一話

俺は気が付いたら薄暗い部屋にいた

どうやら牢屋みたいだ

天井・床・壁が石で出来ていて正面は鉄格子で出来ている

両手には頑丈な手錠・・・やけに手が小さいな?

体を確認したら幼児だな・・・そんな幼児が何故牢屋?

何時までも横になっているのも辛いから起きるか


カタッ


起き上がった瞬間、牢屋の外から音が聞こえた


「誰か居るの?」


それはコッチの台詞だよ

声の主は真っ直ぐコッチに向かってきているようだ

何となく危険だと思うので牢屋の奥の隅に移動する


「居るなら返事をして?」


声は俺の部屋(牢屋)の前から聞こえてきた


「此処は何処だ?そして誰だ?」


「キャッ!!」


声をかけたら悲鳴をあげられた

向こうが言ってきたのに・・・

薄暗いから姿をちゃんと確認できないんだよね


「コッチだったの・・・私はマリア・アルテミアよ。アナタは?」


・・・誰だろうね?

この姿の名前知らないんだよな・・・俺が気が付いたのさっきだし

それに名前が前って事は日本じゃない?

俺の名前は・・・まぁ、適当でいいかな?


「神威、カムイ・ゼクロン」


「そっかぁ、じゃあカムイちゃんだね!」


嬉しそうにピョンピョン跳ねる(気がする)マリア

って!ちゃんってなんだ!


「ちゃん?」


「だって女の子でしょう?」


そうなのか!

自分の姿を確認した時は、軽く手足を見ただけだから解らなかったけど、俺は女の子なのかorz


「何故?」


一応何で解ったか聞いとこう


「だって声が高いもん♪」


・・・それは声変わりをしていないからでは?

自分で下半身を触って確かめよう!・・・・・・・・・あった

良かった~~~~~~~~~~~~~!

俺は男の子だ!!!

よし!!


「違うよ。男だよ」


「そっか、男の娘なんだ」


あれ?

何かが違う気がするけど解らないぞ?


「さっきの質問だけど、此処何処?」


「此処はアルテミア城だよ♪」


城か・・・やっぱり此処は牢屋だな

地下かな?

そして『アルテミア』城に居るマリア・『アルテミア』って・・・・・・普通に考えて姫様だよな


「どうしたの?」


「何でもないよ」


どうやら黙ってた事が気になったみたいだ


「そっか♪・・・顔が見えないね」


悲しそうに言われたら、何となく応えたくなってしまうな


「見えるところに移動するよ」


鉄格子の方に移動する

その際、手錠の鎖がジャラジャラ音を立てた


「ふむ。綺麗な髪だね」


普通に素直に真っ直ぐな意見を言ってしまった

女の子の髪は綺麗な空色で、瞳も同じく綺麗な空色だった

髪は肩まで長さで、瞳は人懐っこいタレ目だ

肌は雪のような白だった

年齢は外見で判断すると2~3歳かな?


「ありがとう」///


頬を桃色に染めて俯いた

そう言えば俺の容姿ってどんな姿何だろう?


「あなたの髪はボサボサで前髪で顔が見えないわね」


・・・らしい

そりゃこんな所に居れば当たり前か

それよりも情報が欲しいな

解らない事が多すぎる


「この世界はどんな世界なの?どうやら記憶が無いみたいなんだ」


「そうなの?じゃあ教えてあげる」


その後、彼女は少ない知識でなるべく解りやすく教えようとした










彼女の話を聞いていくつか解った

まず


『この世界には魔法が存在する』


『魔法を媒体無しで使う事が出来るのは女性だけ』


『男性でも魔法を使えるようにと造られたのが魔法具』偶に男性でも魔法具無しでも使える者が産まれる


『魔法の属性は【火・水・土・風・光・闇】の六種類である』


『全ての属性魔法を使えるが初歩の初歩まで、自分に合った属性のみ上達する』


『それぞれの魔法を極めた者を○の巫女と呼ぶらしい』○には属性が入る


『魔法を使えるランクとして【聖女】【魔女】【見習い】の三種類』巫女はそれぞれの属性に一人だけ


『男性が使う魔法具は個人よって使える数が違う』


『人間以外にも様々な種族が居る』


『世界各地に遺跡・ダンジョンが突如として現れ、攻略すると消える』

『遺跡・ダンジョン攻略者は膨大な財宝、宝具を手に入れる』


などである

少し興味が出てきたな


「ふぁ・・・はむっ」


どうやら長い時間話していたようだ

欠伸をして眠たそうだ


「もう戻った方がいいよ?」


「うん・・・バイバイ」


「バイバイ」


彼女は手を振って戻っていった・・・俺は手錠が重くて無理だった









翌日早朝から看守(かな?)に起こされた


「陛下がお見えになった。起きろ!」


起きるから、そんな大声出さないでよ


「うむ。初めましてかな?」


がっちりとした肉体で、髭を生やしたオジサンが優しい雰囲気で話しかけてきた

俺は両手をダランと垂らしながら睨み付ける


「これはこれは王様。こんな見窄らしい場所にどんなご用件で?お持て成しも出来なくてすいません」


俺を此処に入れた張本人だろうだからね。警戒はするよ?・・・皮肉タップリだけどね!

俺が話している時も手錠の鎖がジャラジャラ五月蠅い


「言葉もハッキリと言えてるから、意識はちゃんとあるようだな。それと、知能も高そうで賢そうだな」


王が俺を探るように見て、俺の状態を呟いている

正直苛つくな


「少し話そうか?お腹も空いただろう?」


そう言えば昨日は何も食べてないな


「彼を此処から出してあげなさい」


「陛下!!」


「彼なら大丈夫だろう・・・彼と食事をしながら話すとしよう。その前に風呂に入れてあげなさい」


王の護衛が「危ないです」と言ってるが、王は「平気だ」の一点張りだ

こんなにアッサリ出されるなら、本当に何で俺は牢屋に入れられたんだろうか?




風呂から出て、メイドさんに案内された場所は中庭だった

此処なら何があっても対処できるな

上からボーガンで狙ってるし

周りには護衛の人が沢山だ

結局王も俺を信用してなかったのか


「今日は天気が良いからね。外で食べようと思ってね」


よく言うよ


「それで話とは?」


王の向かいに座りながら話し掛けた

勿論、警戒はする

因みにテーブルは○型だった


「君はどうしてあんな場所に居たんだい?」


「あんな場所?」


「解らないのかい?」


俺が目覚めたのは昨日で、牢屋の仲なんで解らないんですよね


「君は一昨日ドラゴンの巣の中で倒れてたんだよ?周りにはドラゴンの死骸が六匹も居たんだよ?」


何となく読めた

俺がドラゴンを殺したと思ってるんだろうな

だから頑丈な手錠で牢屋に居たんだ


「解らないです」


「解らない?」


王の目が鋭くなった


「俺は昨日からの記憶しか無いので・・・解る事は名前くらいしか」


「そうか」

どうやら信用してくれたみたいだ


「因みに君が目覚めた事は娘のマリアに聞いたんだよ」


俺を安心させるためか、微笑みながら言ってきた

やはりマリアは姫様だったか


「それにしても、君は二歳児に見えないね」


俺って二歳児なのか?


「何故?」


「そんなに警戒しなくていいよ?娘のマリアが二歳でね?同じくらいだと思ったんだけどね」


なるほど


「年齢も解らないので」


「本当に何も覚えてないのかい?」


訂正!完全には信用してなかったみたいだ


「はい」


本当に悲しそうに言ってみる


「わかった!信じよう!」


・・・人が良いのか、単純なのか・・・同じか?


「一応何かあるといけないから、いつか条件をうけてもらうよ?その代わりに住む場所などを提供しよう」


「・・・わかりました」


断る理由がないだろう


「それじゃあ、食べたら移動しようか?君の待遇を皆と話し合って決めなきゃいけないからね」


「わかりました」


王が食べた物から食べよう


「どうしたんだい?・・・ああ!毒なんて入ってないから大丈夫だよ。何だったら僕のと交換しようか?」


「・・・大丈夫です」


少し悩んでから料理を食べた

王の言った通り毒は入ってなかったみたいだ




場所変わって王座の間

王座には王だけだ

そして周りには護衛と幹部の人が大勢


「彼、カムイ・ゼクロンの対処を決める」


王の一言で周りの人達がざわめきだした

そう言えば王の名前知らないな


「やはり牢屋に入れるべきです!」


「彼は記憶が無いのです!それにまだ二歳!孤児院に入れるべきです」


「記憶が無くて、二歳でもドラゴンの巣の中で生き残って居たのですぞ!危険です!」


「なら、監視を付ければ問題ないでしょう!」


どうやら俺を危険と見る方と二歳児と見る方とで意見が割れているようだ・・・ドッチも理由が失礼じゃない?


「静まれ!・・・ではガロン将軍」


「はっ!」


王はさっきと違って威厳があるな


「将軍は確か、孤児院を運営しておったな?」


「はっ!」


「彼を任せでも良いか?」


「お任せください!」

「うむ!では、彼をガロン将軍に任せる。ガロン将軍は彼の監視をするように!」


普通本人の前で監視って言うかな?・・・建て前かな?


俺はガロン将軍、ガロン・アクバレン夫妻の運営している孤児院に入る事になった




side―王―


カムイ君は一人で部屋から出て行った

ガロン将軍の孤児院に行くのは明日なので1日城に滞在することになるな

カムイ・ゼクロン君か

彼は記憶が無いと言っていたが本当だろうか?

それにしても二歳児に見えなかったな

出来れば我が国の為の柱になってほしい程の人材だな・・・あの子が敵になったら、どれくらいの被害が出るのか

一応根回しはしておくか?


「ガロン将軍」


「はっ!」

「カムイ君の周りに居たドラゴンの死骸で防具を造るように頼めるかな?」


「防具ですか?」


「ああ。そうだな・・・風竜は鎧、土竜はレギオス、右腕が火竜、左腕が水竜のガレッド、闇竜で剣、光竜でネックレス、最後に全てのドラゴンの牙を溶かして短剣でいいだろう」


「全て魔法具ですか?短剣は反発して効果は無くなりますよ?それに全て使えるとは・・・」


火と水、風と土、光と闇で反発するだろうな


「構わん。全てカムイ君専用にするんだ」


「・・・かしこまりました」


「頼んだぞ?」


これだけ高魔法具を用意すれば大丈夫かな?・・・ドラゴンから造られた魔法具って高いんだよな

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ