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君に見せるはずだった小説

作者: 殻沢 明羅
掲載日:2026/03/19

正直、読んでて何言ってんだコイツって思うかもしれませんが、安心してください、僕も思ってます。


全てに意味がないとは言わないので、読んでから自分なりの解釈を持ってもらって大丈夫です。

橋の上で欄干に立つ男が1人。


それを見て、私は彼の行く末を見届けようと思った。


とりあえず私は、男の横に立ってみた。


川の上は、こうも涼しいものだとは


先が良く見える。


黄金色の夕陽はスポットライトの如く、2人を照らし出している。


これほどまでに、気持ちがいいのに


男の顔は曇ったままだ。


不意に男は、河川敷に座る男女に目をやった。




男「もうすぐ卒業ですね。」


女「そうだねーいやー高校3年間早かったなぁ」


男「優璃(ユリ)さんは、芸術大学に通うんでしたっけ?」


優璃「そうだよ、蔦屋(ツタヤ)くんは...何だっけ?」


蔦屋「僕は小説家になりたいんですよ。」


優璃「あーそうそう、蔦屋くんらしいね。」


蔦屋「らしい...ですか?」


優璃「だって蔦屋くん、授業中も本読んでたじゃん」


蔦屋「見識を広げるのは、大事なことです。」


蔦屋「小説を読むのは、僕にとって世界を知る事なんですよ。」


優璃「ふーん、私には分からないや。」


蔦屋「優璃さんはなぜ、絵を描くんですか?」


優璃「聞きたい?それはね〜たくさんの人に私の絵を見てほしいから」


蔦屋「見てほしいから...ですか」


優璃「蔦屋くんだってそうでしょ?」


優璃「あなたの世界を知りたい人もいると思うんだ。私」


蔦屋「僕の世界...か」


蔦屋「優璃さん大事な話があるんだ。」


優璃「なに?」


蔦屋「ずっと好きでした。優しい貴女が、笑ってくれる貴女が、僕は好きだったんです。」


優璃「うん...私も、何でだろうね...嬉しいのにさ、涙が出てくるの。」





風よ、吹き荒ぶは誰の為か、


雨よ、降り頻るは君の為か、




彼は、その様子を見て懐かしくも、儚げだ。


少しづつ、陰りが見え始めた。


ふと、彼は振り返る。


踏切のすぐそば、アパートが見えた。


その日は、冬一番に冷え込む日だった。




蔦屋「3日ぶりだね。元気にしてた?」


     「うん、久しぶり大学忙しいよー」優璃


蔦屋「ちょっと話さない?」


               「良いよー」優璃

蔦屋「こんばんは」


優璃「おひさー」


蔦屋「学校どんな感じ?」


優璃「忙しいけど楽しい、友達ももう出来たんだよ。蔦屋は?」


蔦屋「やっぱり...人付き合いって苦手だよ。」


優璃「はぁ〜、ホントに成長しないなぁ」


蔦屋「どうしようもない事だってあるでしょ」


優璃「高校の時だって、私が滑って、本にお茶こぼしちゃったよね。」


優璃「その時の蔦屋の顔ったらw、引き攣りまくっちゃってw」


蔦屋「初めて喋った時か、優璃の第一印象はそんな感じだったね。」


蔦屋「それからは毎日何かと話す事が増えた気がするよ。」


優璃「そうだよねw」


蔦屋「何そんなニヤニヤしてんのさw」


優璃「いや〜笑う事増えたなってさ。」


蔦屋「うん、確かにね。」


優璃「蔦屋は大学どうなのさ。」


蔦屋「高校の時とあんま変わってないよ。」


蔦屋「実は、一作目を今書き始めてるんだ。」


優璃「すごいじゃん!えー出来たら見せてくれる?」


蔦屋「もちろん。最初は優璃に見てもらうと思ってさ」


優璃「私も、作品作らなきゃ」




君が為、惜しからざりし、命さえ

永くもがなと、思ひけるかな。




春を過ぎ、夏と知った頃に彼は、ようやく歩き始めた。


から蝉は泣くと、誰が決めつけたのだろうか


人は鳴くんだ。


遠くまで鳴いても、誰にも届きはしないのに。


そうしているうちに彼は、公園にたどり着いた。




蔦屋「遅いなぁ、優璃」


優璃「ごめ〜ん、バイト長引いちゃった。」


蔦屋「良いよ。思う存分、人間観察出来たからさ」


優璃「ちょっとそれどういう意味?」


蔦屋「勘違いしないでくれよ、あくまで小説のネタ探しだって」


優璃「ふーん、ホントかなぁ?」


蔦屋「遅れたのはどっちさ?」


優璃「分かった。信じてあげるよ。」


優璃「今日はどうしたの?」


蔦屋「デートだよ。」


優璃「それは分かってるわよ。どこに行くのってさ」


蔦屋「実は、今日僕の地元で祭りがあるんだ。そこに行こうと思ってさ」


優璃「何で、そんな大事な事後から言うの?」


優璃「私、浴衣も着てきてないのにー」


蔦屋「あぁ...それは...ごめん」


優璃「蔦屋ってそういうところは疎いよね」


蔦屋「だからごめんって」


優璃「まあ良いわ、レンタルしてこようかな?」


蔦屋「それなら、僕が出すよ、費用」


優璃「良いよ、後でたっぷり屋台のもの、奢ってもらうからw」


蔦屋「分かった、そうしよう」


優璃「ラッキー!」


蔦屋「じゃあレンタルしに行こうか」




優璃「おまた〜どうコレ?我ながらセンス良いと思わない?」


蔦屋「良い柄じゃん。でも動きにくくない?」


優璃「大丈夫だよ。何かあったら蔦屋に助けてもらうから」


蔦屋「じゃ、そろそろ行こうか」




優璃「結構、人混んでるねぇ〜。」


蔦屋「ここ、珍しく花火が上がるからね」


優璃「花火見れるの?!来てよかった〜」


蔦屋「優璃に見せたかったんだ。だから内緒にしたかったんだけどね。」


優璃「ちゃんと考えてくれてんじゃん...」


蔦屋「サプライズの難点だね。」


蔦屋「優璃、何食べたい?」


優璃「ごめんね、楽しませてくれようとしてたのに色々言っちゃって...」


蔦屋「良いってそんなの、切り替えてさ、祭り楽しもうよ。」


優璃「うん。じゃあ私たこ焼き食べたい!」




蔦屋「結構食べたね...」


優璃「満足、満足〜」


蔦屋「そろそろ花火始まるから、良い場所知ってるんだ。」


優璃「おっ、さすが地元民」


蔦屋「あっちの丘なんだけど行けそう?」


優璃「う〜んちょっとね...」


蔦屋「足擦れちゃった?」


優璃「少しくらいなら平気よ。」


蔦屋「じゃあはい、ほら乗って運んであげるから」


優璃「私重いよ〜大丈夫だよ、それに恥ずかしいし」


蔦屋「良いから、怪我人はいくらでも健康なヤツに甘えればいい」


蔦屋「よっと」


優璃「大丈夫?重くない?」


蔦屋「大丈夫、むしろ軽いぐらいさ」


優璃「息切れてるの丸わかりだよw」


蔦屋「花火見せたいのは、僕の勝手だから、僕が頑張らないと...」


優璃「髪、いい匂い」


蔦屋「何嗅いでるのさ...」


優璃「不思議だよね、これだけ近くに居てもまだ知らない事ってあるんだ。」


蔦屋「そうだね。小説書いてる時もさ、登場人物になりきって会話を考えたり、彼ならどう考えるかな?って考えるんだ。」


蔦屋「でも、1番好きな人の事を考えても、まだまだ分からない事だらけなんだ。それを知りたくて、優璃と会っているのかもしれないね。」


優璃「...素直に好きって言いなよ...」


蔦屋「好きだよ。」


蔦屋「聞こえてるよ。鼓動もね。」




咲いたよ、咲いたんだ。

未来も、夢の中でさえも、全て望んだ通りさ!




噛み締めるだけ、熱くなった。


何が可笑しい?


晴天は平等に人を照らすから、不公平だ。


彼はそっと目を閉じる。


涼むには遅いな。帰ろう。




蔦屋「優璃出来たよ!!記念すべき一作目だ!」


            「やったじゃん!」優璃


蔦屋「今度会える?すぐに見てほしいんだ」


「もうすぐクリスマスだよね?その日にしよう」優璃


蔦屋「楽しみだよ。」




蔦屋「久しぶり、ま、上がってよ」


優璃「おっ邪魔しまーす」


蔦屋「待ってたよ」


優璃「寒いね〜今日」


蔦屋「寒かったら、暖房上げてくれていいから」


優璃「これ?原稿」


蔦屋「実は完成したって言ったけど、最後が決まらなくてさ、まだ悩んでるんだ...」


優璃「ふ〜ん」




蔦屋「どうかな?」


優璃「確かに、終わり方がね〜暗いよ。」


優璃「私、ハッピーエンドが好きなんだ。スッキリして気分良くなるから」


蔦屋「この展開でハッピーエンドか...」


優璃「大丈夫だよ、私最後まで見届けるからさ」


蔦屋「ホントに?」


優璃「あったりまえじゃん。なーに弱気になってんのさ」


蔦屋「続けてるうちにさ、決して好きな事が得意な事と繋がってるとは限らないのかな、って考えちゃうんだ。」


蔦屋「そんな事、辛いだけじゃないか」


優璃「でも書きたいんでしょ?」


蔦屋「悔しい事にね」


優璃「私もね、定期的に大学で絵画のコンテストがあるんだけど、まだ一度も選ばれた事ないんだ。」


優璃「でも一度も才能無いなんて、思った事ないよ?」


蔦屋「どうして?」


優璃「知らない1000人に伝わらなくっても、伝えたい1人にさえ伝われば、それで良いからね。」


優璃「蔦屋はまだ、その知らない1000人の為に作品を作ってるだけだよ、絶対に分かってくれる人はいるんだからさ、自分の為に作ってみたら?」


蔦屋「そうかもしれない。先の事を考えるといつもそうだ。売れなきゃ、もう小説は書けないってどこかで恐れてる。」


優璃「私も描き続けるからさ、元気出しなって」


蔦屋「情け無いよ、自分に自信無いからってさ。」


優璃「そこも含めて、頑張れって言ってるの」


蔦屋「分かった。完成させるよ。小説」


優璃「おう、待ってるぜ〜」




弥生時代に桜はあったのだろうか?

必要無いだろ?お前は桜を知ってるじゃないか




大した雪は降らなかった。


また風が来る。


今度はもっともっと強くなるだろうね。


見失わないようにしないと。


彼はどこに行くのやら




蔦屋「どう?体調良くなった?」


             「まだ熱あるよ」優璃


蔦屋「明日空いてるから、必ず行くね」


         「ごめんね、心配かけて」優璃


蔦屋「何言ってるんだよ、心配なんて気にしなくて良いんだ。何かあったらすぐに連絡してよ。」


         「分かったよ。ごめんね」優璃




蔦屋「はい?もしもし」


??「蔦屋さんですか?」


蔦屋「そうですが、どちら様ですか?」


??「落ち着いて、聞いてください





白井 優璃さんが事故に巻き込まれて意識不明の重体です。」





蔦屋「は?どういうことですか?」


??「現場の方に話を聞いた限りだと、居眠り運転の車両に、巻き込まれてしまったと。」


??「とりあえず、急いで〇〇病院まで来てください。事態は一刻を争います。」


蔦屋「分かりました。優璃をお願いします。」




何でだよ。


何で優璃がこんな目に。


優璃が何したってんだよ。


頭が痛い、吐きそうだ。




蔦屋「白井 優璃さんはどちらに?」


受付「今、手術中ですのであちらにご家族おります。落ち着いて、お待ちください」


蔦屋「ありがとうございます。」




白井「蔦屋くん、来てくれたのか」


蔦屋「今どうなってるんです?」


白井「全く分からない...」


白井「あの娘は、居眠り運転の車に気付いていた。」


蔦屋「だったら何で...」


白井「それと同時に、車線上に小学生がいる事に気付いたんだよ...」


白井「優璃に突き飛ばされた小学生は軽傷で済んだ。」


蔦屋「そうですか...」


蔦屋「優璃は熱を出していたんです...」


蔦屋「僕が、直ぐに看病に行っていれば...優璃に外を歩かせなくて済んだんだ...」


白井「君は何も...悔やむなと言っても無理があるな、もしそうだったとしても、轢かれていたのが君だったかもしれない。」


白井「いつも優璃から聞いていたよ。君は優璃に世界で一番優しいそうだね。両親を差し置いて、優璃が君を選んだんだ。」


白井「だからもし逆の立場なら優璃も十分苦しむだろう」


ガチャン


蔦屋「先生、優璃はどうなりました?」




医師「手は尽くしました...今回は打ちどころが悪かった。」




静けさは、嵐の後に来るものなんだ。


何も残ってないよ。




白井 優璃様へ


いかがお過ごしでしょうか、こちらはまだ肌寒さが続いています。

どこに行ってしまったのか、それともすぐ近くにいるのか、時々、探しに行こうかとも思いました。


貴女を想うほど、辛い事はありません。


大好きだった貴女が、思い出になるのが、恐ろしくてたまりません。

                蔦屋より



その日の事はよく覚えていない。


この手紙を持って、君が眠る棺に入れた。


それ以降、僕は小説を書いていない


紙と向き合うたび、僕の中の死が色濃くなってしまうだけだ。


優璃、もし1番に自分を伝えたい人がいない人は、どうすれば良いんだ?




風は、嵐となり、雨は雷雨となった。

残ったものは葉の露のひとつぶ。




思い出したよ。


彼は、私を信じてくれる人。


いつも一緒にいてくれた人。


何で、今まで忘れてのかな。


見届けるって約束したのに。


最低だよ。




ポタッ


蔦屋「雨か...」


暗くなってきたし、帰ろう。


約束ね...


完成させなきゃね。


最後だからさ。




机に向かって、筆を走らせる。


今、この今だけは、全てを忘れよう。


賭けてきた情熱も、やりきれない人生も


今はただこの瞬間に。




蔦屋「出来た。」




お盆になった。


君は帰ってきたのかな。



読んでいただきありがとうございます。


どうでした?僕は、書きながら話を展開してまとめていくので、おかしい所とかあるかもしれません。


考察の余地あるか?と思うけど、う〜ん例えば、名前の由来とか考えてみたらどうですか?1番分かりやすいと思います。

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