晴れ時々岩
思ったより早く書けた!
この文量なら週2投稿ぐらいならやれるのでは…?
見渡す限りの岩
若干の舗装はあるが人1人通るのがギリギリな通路
天南山は緑豊かで自然に囲まれた山ではない。まるで巨大な岩が時間をかけて風化してあったかのような断崖絶壁まみれの山なのである。
「一応道は若干舗装されてるし…めんどくさいけど能力は使わずに歩くかぁ」
移動に能力を使わない理由は舗装された道があったからだけではない。
(ガタゴト…)
さっきから小さな岩のモンスターが大量にいるのだ。今は好戦的じゃないのしかいないが好戦的なのが出てきたら…
「実践で俺の能力はどんなけ役に立つのか…」
しかもよく考えれば戦うかもしれないのはモンスターだけではない。
「南家の人は話が通じる人だといいなぁ。もうすでに帰りたい…」
もう何分登ったかわからない。
どこを見ても岩!岩!岩!変わり映えのしない景色。
だいぶ足が疲れてきたがおそらくまだ半分ちょっとぐらいだろう。
「はぁ…はぁ…木が無いせいで日差しが直で来てあっちぃ。山の天気は変わりやすいって言うし曇ってくれねぇかな、、」
そんな願いが通じたのか日陰ができ…これ……違う!曇ったからじゃ無い!
ゴォーン!
とっさに【変化:跳躍脚】を使ったから助かったが、、
「あのままあそこにいたら…」
俺がさっきまでいたところに巨大な岩が降ってきて粉々になっていた。
あいにくの無風だ。質量的にも風で飛んできたなんてことはありえない。
「奇襲されて能力を使わさせられた、」
これ勝てるのか?
俺の能力【変化】は『肉体の性質・構造を変化させる』力だ。
しかし、いくつか制約がある。
その一 【変化】をするためには対象について理解する必要がある。少しの理解でも使用はできるが本来の力の発揮は見込めない。
そのニ 【変化】の同時使用・連発は負荷が大きい
体いじってんだからそりゃそうだ。
具体的にはやりすぎるとその部位が数分間痺れる。
その三 【変化】は5分で切れる。そして同じ変化を同じ場所に使うには5分間の『クールタイム』が必要となる。
跳躍脚はバネの構造を参考にし、足の弾性あげることで踏み込みや跳躍の威力を底上げしている。
「もう一分は経ったな…次の攻撃はなし。さっきのは連続使用できないのか?兎にも角にも相手の居場所を探さなければ…」
考えててもしょうがない!倒さないとこの先危ないってんだったら…「やるしかないっしょ」
もったいけど使うしかないな。
【変化:鷹の目】
かーらーのー!貯めて…ジャンプ!ヒュンッ
「この高さなら…あそこだけ岩の色が違う!見つけたぞ!」
よっ…と
ぽよんぽよん
バネでうまいこと相殺して落下ダメージ0!
跳躍脚はあと3分ってとこかな…一回解除して回復を待つのもあり、いや!解除した状態でさっきのが来たら直撃する、もう一度相手が逃げる前にこのまま畳み掛けよう!
「待ってて良かった護身用短剣くん…よし、行くぞ!」ビュンッ…
「邪魔するぜぇぇぇ!」
反応は遅い!初撃入る!もらっt …ガキン!
「なっ…」
硬い!こいつは…甲羅が岩のでかいアルマジロ?
「後ろがダメなら正面から、」
手を体の前に出した、何をするんだ?
「ウェウェー!」
ガチゴチガチ…
これが飛んできた岩か!
「ウェー!」
「来るとわかってれば…」
ピョンッ
「案外避けれるな」
よっと
数手のやり取りだがだいぶ攻略法は見えた。
まずあの甲羅、とんでもなく硬い。今の俺じゃ正直あの甲羅の破壊はできないだろう。だが甲羅にも隙間があった…そこを狙えれば
次に最初に飛んできた岩、あれはあいつが『魔力』を使って周りの岩を固めて作ったものだ。
さっきのを見るに大きくするのに時間がかかるしあまり脅威ではない。なんなら予備動作があるから隙ができるな。狙うならそこ!
「遠く見るの特化だし鷹の目は解除してっと。代わりに…」
【変化:クラブハンマー】
まずは接近!武器は短剣近づかないことには何もできない。
「跳躍脚はあと2分、それまでに片をつける!」
「ウェー!」
バン!バン!ガチ…バン!
「飛んだとこを狙われたか…残念だったな。」
カンッカンッ…ガンッ!
「でかいのは流石に痛いが…小石程度ならクラブハンマーで防げる!」
「ゥエー」ゴロゴロ…
丸くなった!そりゃアルマジロだしなるか。
「転がり攻撃のつもりかもしれないが、初速は遅い!これなら狙える。」
「そこだ!!」
ザシン!
「ウェー!!」
丸まりが解けた!
あの手の位置は岩飛ばし!
転がりながら中で岩を作ってたか。
この至近距離発射されればひとたまりもないな、
「発射されれば…な」
【クラブシザース】!
ミシッミシ……バキン!ボロボロ…
「ビンゴ!」
防いだ時も!最初に飛んできた岩も!衝撃で粉々になってた!細かい石をまとめてるからか強度はない!
今度こそ正面!クラブハンマーをそのまま
「アッパー!」
「ウェッ!」
「よし!よろけた。」
今ならやれる。飛ぶ方向を定めて…踏み込んで…
「そこだぁぁぁぁ」
【飛燕突】
ザシュッ…
「はぁ…跳躍脚が切れた…あぶねー…でも…」
「ウェウ…」
ドサッ
「勝ったぁぁぁぁぁぁ!!!よし!アルマジロ倒したし下山し……」
「あ…」
「南家行くために来たの忘れてたぁぁぁぁぁ!」
勝った喜びは一瞬で消え、まだ山を登らなきゃいけない絶望感から膝を落とすのであった…
・メタルアルマ
人と同じくらいの大きさのアルマジロのモンスター。
生まれた場所に多くある鉱物を食べ、その鉱物で甲羅を形成する。
魔力を使って周りの小さな鉱物をまとめ、弾とし発射する。
主に山や洞窟に生息し、洞窟で珍しい鉱物を食べて育った個体の甲羅は高く売れる。
※鉱物を食べているため毒がある場合があります。食べる際は毒抜きを忘れずに…
アルマジロって可愛いよね
竜変くんの登山はこれからも続く!




