初仕事は倉庫にて 其の3
勉強大変すぎて書く時間ないよ!!
「はぁ…あと3人」
正直想定より消耗している、
このままあの冷気のやつまで連戦になったら確実に負けるだろう。
しばらく経ってから来てくれるといいなぁ…
弱気な考えは置いておいて、あと3人。
岩の鎧はついさっき効果が切れたが1分間は3つの【変化】を同時使用してたわけで……置いたはずの弱気が帰って来やがった。
とりまそろそろあのウザい魔法使いを片付けるか。
まずは跳んで位置を確認して…ピョンッ
「は?」
視界を眩い光が蝕む。もちろんその光源はただの光ではない。相手が周りの補助しかしていなかったから完全に失念していた物、魔法使いの基礎中の基礎である魔弾だ。
バーン!!
――――――――――――――
少し時は遡り…
門番の叫び声と隣のそうこでの戦闘音を聞いた賊達がわらわらと外に出て来た。
その者たちはその現実を見て歩みを止める。
襲撃されたのだから門番がやられていることは想像がついていた。しかし、やられているどころか周りに見当たらなく、丸腰の女がそこにいるなんてことは想像できていなかったらしい。
「なぁ嬢ちゃん。この辺で4人くらい人を見なかったか?俺たちの友達なんだ」
出て来た男はそう恐る恐る聞く。その女が4人を倒したわけではないと早く確定させるために…
だが彼らの希望はすぐに打ち砕かれることになる。
「私が全員片付けました。」
「冗談きついぜ?お前みたいな女の子が?流石にそんなわけないだろ。」
その言葉だけを聞けばメイを嘲笑っているように聞こえるかもしれない。しかし、周りにいる人間はその言葉は本能的な恐怖から来たものであるとわかっただろう。
「今ならお兄さん達何もしないから、早く家に帰りな…」
男が話し終わるよりも先にメイは動きを見せた。
いや、実際にはメイは動いていない。
なぜか何もなかったように見えたところから巨大な斧が飛び出て来て男の腹を裂いたのだ。
その状況に他の男達もようやく気がついた。
これは戦闘ではなく…一方的は蹂躙であると。
「う…うあぁぁぁ!」
その大きさの斧では自分でも避けて対処できると思ったのであろう。勇敢な1人の剣士が彼女に向かって突っ込んでいく。
シュッ!ドゴッ
しかし、その勇気は虚しくも一瞬で縮んだ斧によって打ち砕かれるのだった。
「な…なんなんだよお前は!」
一瞬で、しかも目の前で2人の仲間を失った男は恐怖にまみれながら叫ぶ。
それを聞きながらもその化け物は斧のサイズを自在に操作し、いまいち男達のことを気にしていないようだ。
「よし。」
彼女が斧のサイズを自分より少し小さいくらいにし、そう一言つぶやいた。それが合図となった。
一閃の光が走る。メイの斧が男の腹部へと直撃する。返り血で斧が染まり、残りの男達への恐怖をさらに強める。
「ちっ、化け物が!」
残りの四人の男たちは、驚愕と恐怖に顔を歪ませながらもメイの動きから目を離さない。
「囲んで捕えろ!」
一人の男が叫び、他の三人がメイを取り囲むように散開する。メイは少し動きを見せる。
「掛け声はブラフだよ!」
その隙を狙い、声を上げた男が隠し持っていたナイフを構えて突進する。
「えぇわかってますよ。」
囲まれてもなおメイは冷静であり、そう行動することがわかっていたようであった。もちろん行動が読まれていれば、刃が届くことはなく、ナイフを避けたその勢いのまま、斧を逆手に持ち替え、男の腹部に斧で一撃を入れた。
「ぐっ…がはっ!」
男は血を吐き、その場に崩れ落ちる。
残るは三人。
隙を突いてもダメならば2対1であると、囲んだうちの一人が背後からメイに飛びかかり、その動きに呼応するようにもう一人が正面から剣を振り下ろす。メイは素早く身をかがめ、剣をかわすと同時に、背後の男の足を斧で撃った。
ゴキッ
「うわあああああ!」
男の足は嫌な音を立ててあらぬ方向に曲がっている。おそらくもう今回の戦闘中には動けないだろう。
正面の男は、その隙を突いて少女の腕を狙って剣を振り下ろす、しかしその剣が肉を断つことはなく、少女に片手で持った斧で軽くいなされ、そのまま脇腹を斧で撃たれた。
「あと1人」
メイはなんの感情も込めずにそう呟く。
最後の一人。彼は倒れている仲間たちに目を向け、完全に戦意を喪失していた。震える手ではもはや剣を持つこともできず、剣を落としてしまっている。
メイはゆっくりと、しかし確実に彼に近づいていく。
「た、助けてくれ!何でもするから…!」
メイは何も答えずに、斧を振り下ろし男の動きを止めた。
「ゴミ掃除が終わりましたね。案外雑魚ばっかりでしたね。」
メイは竜変が入って行った方の倉庫に目をやる。中からは戦っている音が聞こえ、加勢しようかと思い倉庫へとあしを進めたその瞬間、もう一つの倉庫から足音がした。
ドシッドシッドシッ
重量感のある足音に出て来たらすぐに対処できるようにとメイは斧を構える。
「ふぁぁぁ〜」
巨大な男が欠伸をしながら倉庫から出て来たその瞬間、メイは大男へと斧を振り下ろした。
しかし、その斧は先程まで自分が向けられていた剣と同じように目的を切り裂くことはなく…
ガッ…
「うお、ちょっと痛いな。」
今までの雑魚とは明らかに違うその大男には軽く素手で受け止められてしまったのだった…
メイさんつおいよ




