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二面作戦と構ってちゃん

「と、言う訳っす!てことで作戦ばっちり大成功!四季っちどっすか?驚いたっすか?」


と、顔をにやけさせながら花奈はこちらの反応を伺ってくる。


正直、予想通りだったからそこまで驚きはしなかったが、実際にいきなり目の前に現れる感覚というのは不思議なもので、花奈が言っていたのも理解できた。


「ったく…まあ、それは良いとして、出来る事も分かったし早めにバイクなり車なり探しに行くか、本人見つけて張っておいた方が良いな」


と、俺はむかついたので花奈の問いかけはスルーする。


「あー四季っちスルーは酷いっす!構って構って構ってー!」


と、腕をブンブンと振りまわし駄々っ子の様にウザ絡みしてくる花奈を無視して、コンの方に向き直り話しかける。


「コンすまんが頼むぞ?」


と、まっすぐ目を見て言うとコンは迷いなくこちら目を見つめ返し力強く返事をした。


「あいなのじゃ!任せておくのじゃ!」


と、拳を作り胸を張りポンと軽く叩く。


心なしか鼻が伸びている様に感じたが、得意げになっているだけだ。


俺はそんな様子に苦笑しつつも、コンの頭に手を置くとサラサラの髪の毛を無骨なてで覆い、無遠慮に撫でまわす。


艶やかな髪がスルリと通り抜ける感触が掌に広がり心地よい。


コンを撫でると落ち着くのは多分あれだ、犬や猫を撫でてるのと同じ感覚だからだ。


土地神様を犬猫と同等に扱ってしまうのもいかがなものかといったところだが、如何せんコンを見ていると、そう思えて仕方が無かった。


出来る事ならずっと撫でまわしてやりたいが、そうも言ってられない。


「こ、こら!やめるのじゃ!髪が乱れる…のじゃっ!」


と、悪態を吐きつつも本気で抵抗している様子はない。


口では嫌がる素振りを見せるが、なんとやらというやつだ。


可愛いやつだ。


帰ったらおやつをやろう。


と、ひそかに心に決めるととりあえず行動することにする。


「さて、と…。とりあえず、二手に分かれよう」


俺がそう言うと、樹と花奈はコクリと頷いた。


「俺と…コンはそのまま駐車場に向かってそれっぽい車があるか探してみる。いざとなったらコンにはすぐ姿を消して設置してもらうから、こっちに着いて来て貰った方がいいな」


一度言葉を区切り、樹たちの方に目配せして指示を出した。


「樹と花奈はさっきの奴らを探してくれ。んで、見つかり次第尾行開始。バレない様に駐車場近くまできたら連絡入れる事。んで、俺とコンで二人が見つからなかったとしても外の方で待ち伏せする二段構えで行こう!」


俺がそう言うと樹と花奈は右手で敬礼のポーズを取り、気を付けの姿勢を取る。


「「了解でありますっ!」」


と、何故か軍隊みたいな感じになってしまっているが、今は気にしないでおこう。


「立駐の方に居る可能性もあるけど、とりあえず外から探してみる。ああいう輩の車なら派手な目印もある可能性が高い。無かったら無かったで次の手考えるから、今はとりあえず動こう」


俺はそう言うと、コンの手を握っていた。


「ゆくのか?」


と、コンが問いかける。


「ああ」


と、俺は短く返事を返すと振り向き歩いていた。


「んじゃ、健闘を祈る。見つかっても無茶はしない様にな?」


と、念押しすると樹と花奈はひらひらと手を振って「うい~」と、気の抜けた返事をしていた。


本当に大丈夫だろうか?


まあ、仕事はきっちりこなす二人だ。


心配しなくても大丈夫だろう。


万が一があっても樹がいるし、流石に荒事に発展したりはしないだろう。


憶測だが、百八十センチの大男に喧嘩を売る程相手も馬鹿じゃないだろうし、相手はこちらの目的も分からないはずだから、因縁の付けようはないはずだ。


なるべく穏便に済めばそれが一番だ。


俺はそうなることを祈りつつ、コンの手を引いてショッピングセンターの出口へと向かって歩いていた。



外へ出る頃には時刻は二時過ぎで、気温は35度を超えていた。


駐車場の植林には、何匹か蝉が止まっており元気に声を張り上げ、車道の車の音に負けない位の大声で、ひと夏のアピールをしていた。


「くそ暑いな…」


と、外に出て一言目には悪態を吐きたくなる程気温が上昇しており、昨日に引き続き今日も快晴だったのは運が良いのか悪いのか。


「まあ、ぼやいてても仕方ない…コン、車を探すぞ!」


と、一緒に着いて来ているコンに声をかけると、耳と尻尾も元気一杯なコンはやる気に満ち溢れている様子だった。


「うむ、頑張るぞ!」


この暑さも神様には関係無いみたいだ。


まあ暑さに負けて動けないよりは頼もしい。


俺とコンは一度辺りを見渡して、探す場所を絞り込む。


「とりあえず、バイク置き場から行くか…偏見になるが、ああいう輩は割と派手目なバイクに乗ってたり、車に乗っているにしても、目立つところにステッカーが貼ってあるかもしれない。そういう派手な車やバイクを探すんだぞ?」


と、コンに伝えると、コンは相変わらず口を栗みたいな形にして半開きで、真面目に話を聞いている様だったが、言葉の意味を理解していない様子で、クエスチョンマークを浮かべていた。


「すてっかぁ?ばいく?すまぬ、それはなんじゃ?食えるのか?


と、ボケているわけでは無く、至極真っ当に分からないから質問してくるコンに説明する為辺りを見渡して目的のブツを探す。


「ああ、すまん。ステッカーってのは、お札みたいなもんだ。派手なお札が張ってあるんだよ。ほら、あの車のガラスにもあるだろ?こういうやつだ」


と、近くにあった車のステッカーを指さす。


ステッカーには”煽り運転は危険DEATH”と、ドクロの絵の上下に赤文字のおどろおどろしいフォントで書かれていた。


血が垂れてきている様を連想させるパンクチックな注意喚起ステッカーだ。


コンはそれを見て引き気味な様子だったが、そういう物で名前や所属を表現したり、注意喚起するものだから敢えて目立つようにしてるんだと説明してやると、理解してくれた。


「なるほどの、ドクロを使って目立たせている訳か…うむむ…てっきり呪術師でも乗っておるのかと思ったぞ…」


と、素っ頓狂な事を言うコン。


確かに何もわからなかったらああいうステッカーってちょっと怖いよな、とか思っていると、コンはこちらの方を向き直り両腕をグーの形にしてふんすふんすと息巻いていた。


「わかったのじゃ、ああいう札のあるやつを探せばよいのじゃな?よし、そうと分かれば行くのじゃ!」


と、一人先走って行こうとするコンの首根っこを摑み引き留める。


「ぐえっ!何するのじゃ!」


と、涙目で抗議してくるコンをそっと下ろす。


「まあ待て、とりあえずこれを持っていけ。ああいう札が張ってる車を探すのはいいが、出来ればこういう文字が入ってるやつを探すんだぞ?」


と、胸ポケットに入っている手帳にペンでひらがなとカタカナとアルファベットで目当ての文字を書き記していく。


”BadWolves”

”ばっどうるゔす”

”バッドウルヴス”


とりあえず、こんなもんか?


手帳のページを千切るとコンに渡す。


「ほら、こんな感じの文字が書いてるやつを探すんだ」


と、指示を出すとコンは素直にそれを受け取り、メモを見つめると拳を突き上げる。


「えいえいおー…なのじゃ!」


と、やる気はばっちりで十分な様子だ。


「んじゃ、いっちょ気合入れて探しますか!」


と、俺も本腰を入れて探し始めるのだった。


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