カミングアウト
何を言っているんだこの人は?急に屋上に呼び出された挙句内容は「家族になるからよろしく」だと?
「どういうことですか?全然状況が読み込めてないんですけど」
「あれ、お父さんから聞いてないの?君のお父さんと私のお母さんが結婚するって」
「聞いてないです。そちらこそ人違いじゃないんですか?同性の違人とか」
「いや、それはないかな。結婚する人の息子がアルビノって聞いていたから」
「...後でしばきながら聞き出しましょうか」
「...お手柔らかにね」
っと言うわけで、俺の日常がひとつのカミングアウトによって壊れた日だった。後でおとうさん絶対しばく。
あの後2人で帰りながらスーパーで食材を買ってその日はそれぞれの自宅の帰路を辿った。
帰ると同時に洗濯物を畳んで風呂掃除が終わらせると、雪冶が帰ってきた。
「ただいまぁ〜」
という気の抜けた声に少しだけ怒気を含んだ返事を返す。
「おかえりなさい、お疲れかと思いますが、ちょっと来てもらっていいですか?」
雪冶は疑問符を浮かべていたが、話を聞いていくにつれ内容を納得して行った様子で聞いていた。
「で、どういうことですか?結婚の話」
「いや、別に全部本当だし、今更帰るつもりもないぞ。ただ、お前と同じ学校に行っているのは知らんなかった。」