第7話 緊急ミッション終了
ーー緊急ミッション クリア
そのアナウンスと共に視界が職業案内所の中へと移動した。
相変わらず私はサキュバスに抱き抱えている。
「ミッションクリア報酬の受け取りは各カウンターでお願い致します!皆様ご協力ありがとうございました!」
職員さんの声と共に回りは盛り上がる。
ミッションを受けたであろう人達はそれぞれカウンターに並び初めている。
「私たちもいきますか?」
「んーそうだね。あ、どうせ時間かかりそうだし、今のうちに名前決める?」
「ほんとですか?うーんと可愛い名前でお願いします!」
ニコニコ顔のサキュバス
んーどうしたものか?
いい名前、いい名前……
「……サクとかどう?……なんとなく思い浮かんだんだけど」
「サク……はいっ!ありがとうございます!」
幸せそうに微笑むサクに抱き抱える手が強くなるのを感じる。
嬉しいんだなぁ……
あ、ついでにステータスも確認しておこう。
Name サク
Job サキュバス
Skill 魅惑 飛行 催眠 変化 ?? ーー ーー ーー ーー ーー
スキルとしては存在してるのに見えないものが一つある。
選択しても開示不能。好感度不足と表記されている。
それ以外の物も見てみるが戦闘系のものがない。
魅惑 対象を誘惑し誘う
飛行 空を飛ぶことが可能(時間小)
催眠 対象に暗示をかけ行動強制できる
変化 体を変化させる
?? 開示不能 好感度不足
「さっきまでの強キャラ感が一切無い……」
「仕方ないじゃないですか、ご主人弱いし私も弱体化されますよ……」
「そう言うもんなのか……」
「ゆっくり強くなりましょう!ふぁいとです!」
その後も色々とサクと話をしていたら自分の番がやって来た。
ミッション参加の報酬を受け取った後、サクがさっき渡した袋を出すよう促してくる。
そうすると追加で報酬が上乗せされた。
「私ユニークモンスター扱いだったのでこんなのもあるんですよ」
無い胸を張り、いまは、ご主人の召喚獣ですけど♪と私にだけ聞こえるよう呟いた。
それを聞き流し、宿屋へ向かうよう指示をする。
そろそろログアウトの時間だ。
宿へつくとすぐさまベットにのぼりログアウトの準備を始める。
ぷるおとサクはそのまま出しておけば次ログインするまで好きに行動出来るらしい。
「お休みなさい。今日は色々あったわー」
「お休みなさいご主人、ぷるおと仲良くしておきますね!」
プルプル
二人の姿を目に焼き付け、私はゆっくりと目を閉じログアウトした。
ーーーーー……
ーーーーーーーログアウト処理中です。
ーーーーーーログアウト完了しました。
人の体へと意識が戻ってくる。
若干の違和感は感じるものの特に問題はない。
「あ、おねーちゃんどうだった?」
ベットから起き上がり機器を外すと見知った顔がある。
「んー。すっごく事前情報通り、ありがとね」
「えへへ喜んでくれたならいいや、私宿題あるからもう行くね」
「え、もしかしてずっといたの?」
「うん。人によったら体も動いちゃう人いるみたいだしベットから落ちたら大変じゃん」
「そっかー。ありがと」
「んっ、じゃ」
パタンと手に持っていた本を閉じ部屋から出ていく妹。
「……ゲーム内ではサクと会わせれないわね、妹の名前つけちゃうのは不味かったかなぁ」
最近ちょっと距離(物理)をとってくる妹の昔を思いだしサキュバスに名前をつけたことに後悔はしつつも
その呟きを聞いているのは誰もいなかった。