第4話 いっぱい倒した
今日から1本づつ更新予定です。
それは17匹目のスライムを弾けさせた時だった。
「うぉぉ……光ってる。」
目の前には石の他に光の塊がふよふよ浮いている。
恐る恐るそれに触れると
ー召喚獣[スライム]を獲得しました。
ー現在1体のみ召喚可能です。
頭に流れてくるメッセージ
その言葉に従い、召喚を行使する。
足元に魔方陣が浮かび、ポンという小粋な音と共に、目の前にさっきまで屠り続けたスライムと同じものが現れる。
右前足でチョンと触れるとプルプルと震えるが襲ってくる気配はない。
ーーー名前をつけますか?
その言葉にうーんと悩む。
青い体、プルプル震えるボディ……(ぷる)ぷる+(あ)お……ぷるおだ!
「お前の名はぷるおな!」
ープルプルプル
軽く光りスライムの頭上にひらがなでぷるおと表記が現れた。
ぷるおは嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた後、背の上へと着地する。
ひんやりして気持ちいい。
その感触を楽しみつつここまでの成果の確認とぷるおのステータスチェックをしよう。
Name ぷるお
Job スライム
Skill 補食 弾力性 ーー ーー ーー ーー ーー ーー ーー ーー
Name ルルナル
Job 野狐
skill 呪術[妖] 召喚術 変幻 爪new ーー ーー ーー ーー ーー ーー
私に増えていたスキルに爪が追加されていた。
効果は単純、爪での攻撃に若干の補正がある程度だ。
他は変わらず最初のまま
あ、でも召喚には少し文が増えていた。
召喚術
戦闘召喚可能数1 非戦闘召喚可能数1
召喚獣
・ぷるお《スライム》
ぷるおの方も確認できるので確認しておこう。
補食 取り込んだ対象を消化し栄養とする。
弾力性 物理に若干の耐性補正
うん、普通っぽい。
とりあえずこれで戦闘が少しは楽になりそうだ。
ぷるおにやるぞー!と意識を向けるとやる気を出したのか背中で元気に震えている。
私はまた辺りのスライム探しを始めた。
ーーーーーーー
「レベルが上がらない!」
ぷるおと私の二人での攻撃のお陰か、スライムを倒す数が着実に増えてきたが、未だにレベルアップの兆しはない。
辺りは暗くなり始めたのでそろそろ潮時と感じ始める。
「今日は帰ろっかぁ、ぷるお?」
背中で肯定を示すように軽く震えるぷるお。
私はぷるおを背に乗せたまま門へと向かっていく。
「お疲れさん、沢山倒したなスライム。」
「ありがとうございます!」
門を潜ろうとしたときあの門番さんが声をかけてきた。
そこで自分が自己紹介をしていないことを思い出す。
「あ、私自己紹介してませんでしたね、ルルナルと、背中にいるのは召喚獣のぷるおです。」
「俺はレナルド、町の自警団に入っていて門番をしている。ルルナルは渡りだろう?」
「渡り……あ、そうですね!レナルドさんは現地人……現地獣ですか」
レナルドさんの渡りという総称は、私たちのようなプレイヤーの事で渡りや、渡り人と現地の存在に呼ばれている。
現地の存在といったが高度なAIにより全く人と変わらない。
私には正直頭の上に出るプレイヤーネームがなければ区別が出来ていない
「ん、そうだな。まぁ、俺達はお前たち渡りのお陰で安全に暮らせてるんだ。ありがとよ。」
「私は、今日来たばっかなので……あんまり役立ってないです……あの、今日、最初ありがとうございました。」
「いいって事よ。聞きたいことがあれば聞いてくれ。ほら、後ろも待ってるやつがいる。もう入りな。」
「ありがとうございます!」
ペコリと頭を下げ町の中へ入っていく。
向かうは数時間ぶりの職業案内所だ。