第3話 町の外初戦闘
白い雲、青い空、プルプルしたスライム!
目の前にはスライムlV1と表記された生き物がうようようねっている。
さっきから見ているが移動は緩慢で逃げるのは容易い。
回りには他の獣達もいるのか至るところで戦闘が起きている。
「どうしようか、攻撃方法……呪術は……あ、使えない……。召喚は……ん?何これ?……あ、変幻は戦闘能力無しですかー……」
頼れるものは己の爪と牙と体……かぁ
もうちょっと調べてから動き始めよう。
町の門の近く、犬耳と尻尾の門番さんの前に陣取り画面とにらめっこする。
「戦わないのか?」
「ん、戦う術を探してから……」
「そうかい、なら近づく奴は倒しちまうぞ」
「お願いします。」
「おうよ」
短い会話を交わし画面へと視線を戻した。
呪術[妖] 1妖光 自在に操作可能な光の球を出現させる。触れたら消えてしまう。
次の技はLV3で解放
召喚術 対象がいません
変幻 相手へ幻を見せて惑わせる。
これでどう戦えばいいのだろう?
悩むこと数分……
「無理だ!殴ろう!」
どうしようもないことを悟り、狩りへと向かう。
門番さんにお別れを伝え近くの低レベルのスライムを探す。
直ぐにLV1のスライムを見つけると戦いの準備を始める。
変幻を発動し自分をスライムの同種と勘違いさせ近付く。
ちっちゃい爪を精一杯伸ばし構える。
「ていやっ!」
後ろからスライムの中心にある石に向け振り下ろした爪は、見事石を砕く……事はできずに弾き返される。
プルプルと攻撃された怒りを体の震えで表しているのか、スライムが飛びかかってきた!
「ふひゃぁあ?!」
よけたその場にビシャリと張り付いたスライム
体の中に取り込まれている草がみるみるうちに溶けていった。
「もう一回!」
爪を振り下ろすとまたもやそれは弾かれスライムが飛びかかってくる。
避ける、弾かれる、避ける、弾かれる……
その繰り返しを10回ほどしたときだった。
パンと音がしてスライムの回りの部分が弾け石が地面に転がった。
ーーー経験値を獲得しました。
「ふ、ふふ、や、やったぁ、倒したぁ!」
石に右前足を乗せ勝ち誇る。
初勝利は心の底から歓喜の声をあげて喜んでしまった。
「この調子で次もやるぞー!」
石をアイテムボックスへと収納し次のスライムへと向かっていった。
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「お、倒した倒した。」
門番は少し離れた場所でスライムと奮闘する子狐を見守っていた
ちょうど今初めての戦果をあげた所だった。
声は聞こえないがブンブンと振られる尻尾は喜びが隠しきれていない。
「調子のってあぶねぇ事しなきゃいいけど……まぁ、深い所行きそうになったら声かけっか。」
門番は近づいてくる魔物を一別もすることなく凪ぎ払い子狐を見守り続けた。
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想像してください、どや顔の狐ちゃんを……
ふんすと鼻で息を吐き、尻尾ブンブンの子狐を