模擬戦は意外と楽しいらしい
一気に相手との距離を詰めて腕をクロスする様に切り払う。そして直ぐに大刀で回転をする様な薙ぎ払いをしつつ、隙を無くすように小刻みに刀で相手を突く。距離が詰まり、相手の切り払いが来たのを刀で弾く。
リーチの長い大刀で切り込み刀で弾き突きを打つ。どんどん切り込む速度を上げていく。
あぁ、以外と楽しくなってきた。
それに、久しぶりにちゃんと戦ってる感じがするなぁ。うん、純粋に楽しいな。
まぁ模擬戦だしな。だがこのまま戦ってても飽きるだけだからちょっと勝負に出てみようかな?
一旦距離をとって大刀と刀を仕舞う。そして直ぐに、背中に背負っている大剣を抜き全身に魔力を込めて身体能力を上げる。
よし、これで片手でも殆ど重みを感じずに持てるな。
「おおー、まさか重たい両手剣を片手で振りまわすとは、流石ですね。......ステータス同じはずなのになんでだろ?」
「まぁな。力には自信があるんだ。」
流石ですねの後にも何か言っていた気がするが声が小さくてあまり聞こえなかった。まぁどうでもいいか。
まぁ相手の話など、どうでもいいのでとりあえず大剣を横に薙ぎ、近づかせないようにしながら距離を置くとしよう。それにしても、魔力が低い。MPが少な過ぎる。これじゃ、あっという間になくなってしまう。
仕方がないので『魔素吸収』のスキルを使用して周囲の魔素を体に取り込み自分のMPにする。
…良し、これで満タンになったな。
MPを回復したその後も、暫く睨み合いまた打ち合う。
剣同士をぶつけ合い、避けて、切って、また打ち合う。
「はあっ!!!」
..….チッ!俺の振り下ろした大剣を相手は二本のロングソードで受け流しさらに距離を詰めてきた。
仕方ない、普段から使ってるけど切り札って言うとかっこいいから切り札と呼ぶことにする。…コホン。
「…切り札を切ることにしよう。」
大剣を持ってない左手にまず『豪腕』スキルを使い筋力を強化しさらに魔力をありったけつぎ込み、相手の剣を左手で捌いていく。最後にロングソードを掴み取り握って砕く。
ハッ、さすがに驚いたみたいだな。残念だがここからが本番だ。
まずスキルの『瞬動』を使って一瞬にして距離を詰める。そしてさらにスキル『無拍手』を使い予備動作なしで相手に大剣の腹の部分を叩きつけた。相手が吹き飛んだ…が、直ぐに受け身を取り着地する。
「ぐっ、今のは効きましたよ。」
「随分と素直に言うんだな。」
まぁ、流石にこれだけじゃやられないよなぁ。
あ、イイ事思いついた。大剣を地面に捨てる。
もう使わないし、いーらないっ…と。
さぁ、決着をつけようか。