帰ってきたんだが……。
………え?この風景は…。辺りを見渡してみる。
見上げるとどこもかしこもビルばかりのこの街並み、ベンチで学生達がガヤガヤと騒いでいたり結構な広さがあるはずなのに少し窮屈に感じるくらいの人混み、これは...俺が住んでいた…...東京、か?
やった!俺は、…帰って、帰ってきたのか、本当に…。
ん?何故か視界の端に00:04:23ってのがある。
あれれ?どんどん数字が減っていく。なんかやばそうだ。
……すげぇ嫌な予感がするぞ。
周りの人もみんなこっちの事見てるし、気まずい。
「ねぇ、あの変な人急に現れたけどマジック?」
「大道芸人なんじゃない?」
「だとしても道の真ん中でされるのも迷惑よねぇ。」
「なぁ、おい。見てみろよアイツ。コスプレしてるぜ?」
「コミケでもないのに…、恥ずかしくないのかな?」
「でもなんか妙に、似合ってんだよなー。」
「ははは!人の邪魔になりそうな道の真ん中でコスプレして立ち止まってるとか迷惑すぎてウケるんだけど!」
まぁ急に痛いコスプレした奴が現れ無言で一喜一憂してたら嫌でも目立つ。
でも、でもこれだけは、言いたい。
「帰って来たぞおおおおおお!!!」
うわ!みんなびっくりしてこっちを見てきた。
すいません。つい出来心で!本当にすいません!
ヤベェ!警官も近づいてきた!
「そこの君!ちょっとお話聴かせてもらってもいいかな?」
あぁ!?視界の端のカウントが0になった!
魔法陣が足元に現れる。やっぱりかよ!
光に包まれると共にまた俺は異世界に召喚されるようだ。
最悪だ。帰ってきたと思ったら直ぐにこれだ。
だが、最後にひとつだけ言おう。
「もう召喚しないで!!」
帰れると思いました? (主人公に向けてゲス顔)
残念。すぐに異世界に戻ります。
あ、ちなみにこれで1章終了です。