日本帰還
……うん。忘れよ。
アルティメットキックなんてなかったんだ。俺が現実逃避しているとてくてくとアミカが近づいてくる。
「隼人様。誰だって失敗は有りますよ!どうせこれからアルティメットキックの武技を手に入れた人も え? ってなるかもしれないですが性能としては十分だと思いますよ?だってドラゴンの突進と鉤爪をよけて腹パン出来るぐらいなんですよ?凄いじゃないですか!」
微妙に褒められてる気がしない。
「はぁーやっちまったものは、仕方ない。そう。仕方が、ないんだ。」
「隼人様!現実逃避ですね!」
「うん。ちょっと黙ってようね。」
はぁー。もうやだ。日本に帰りたい。
......ほら。こんな事考えてるから足元に転移系の魔法陣が出てきたじゃねーか。
えーっと?魔法陣の効果を思考加速を使って解析していく。時間にすると約二秒位で解析が終わる。
………え?どういう事だ?日本帰還?俺、日本に帰れるのか?
「おいアミカ!見てみろよ!俺帰れるぞ!足元!足元だよ!ほらこれ見てみ......」
アミカがこっちに走って来ていたが、魔法陣に近づく前に魔法陣の効果が発動し呆気なく俺は魔王城から姿が消えた。
……そして俺は、日本に帰ってきた。