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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

拝啓お母さん

作者: 鍵ネコ

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 拝啓



 お母さん


 あなたの息子のアルマです。

 紙はとても高価なので、お金を貯めるのが大変で、手紙を出すのが遅れちゃいました。

 お母さん、元気にしていますか?

 僕は元気にしてます。妻も子供も出来ました。とても可愛くて愛おしいです。お母さんも同じ気持ちだったのしょうか? 今となっては、考えさせられます。


 ところで最近、異常気象が多発しているようですね。嵐とか地震とか。とても心配です。王都には近くに流れる川があるので氾濫していない事を願います。


 お母さん、父さんは相変わらずなのでしょうか? 別に恨んでいるわけではありませんが、あの人の、人を切って捨てる性格は治りましたか? もし、治っていないのなら、お母さんは様々な惨状を目にしている事でしょう。そんなお母さんを思うと悲しいです。


 優しい僕のお母さん。兄様は、無事次代の王となれていますか? なれているのなら幸いです。僕はお母さんがあの時に逃してくれていなければ死んでいたでしょう。今の幸せを噛みしめることが出来ているのも、あなたのおかげです。


 お母さんは苦労も絶えない、壮絶な日々を送っているのでしょうか。

 それとも、明るい未来を送っているのでしょうか。僕を疎んでいるのでしょうか。


 それは僕に分かりません。


 ですが、僕はお母さんにずっと伝えたかった言葉があります。なので、この手紙に綴らさせていただきます。


 僕を生んで下さってありがとうございます。


 アルマ=ヴァレンシュテイル


 敬具


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「あなた、紙に書いてるんですか?」


 書き動かした手を止め、ペンをペン立てに直していると、妻が後ろから不思議そうに聞いて来た。


 そもそも、我が家に紙がある事も不思議な話だけど。


 僕はインクが乾くようにと、紙を窓際に置きながら答えた。


「これはね、ずっと会えていない母さんに送ろうと思って書いた手紙なんだ」


 紙にギリギリまで綴られた文字。

 彼は手紙を書くために只管文字を練習していた。それでもまだ拙くて、読みにくいものもあった。


 まぁ、読み書きできる事も成長の証としてだな。


 それから数分後。


 インクの乾いた紙を三つ折りに畳み、白い花と共に同封して閉じる。


 その入れた花の花言葉は「変わらぬ愛」


「ちゃんと、届くかな。僕の気持ち」

米!最後を変えました。


ふと思いつき、手紙として文を綴ってみました。

皆さんも電子メールではなく、たまには紙に書いた手紙を送ってみたらどうでしょうか?

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