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02 プロローグ2 ~英雄連盟(マスターズ・リーグ)~



 シャフベラルク大陸には天使がいない。

 もしいたとするならば、十数年前に起きた大戦争【天使蹂躙】の時の生き残りだけ。つまりその生き残りの天使は産まず増やさずのはぐれ生物のため、実質いないと言って等しい。

 そして逆のロジックでこれらを表すと、「シャフベラルク大陸には天使以外の全てがいる」と表現出来る。


 天使以外の全てとはもちろん、人間やエルフなどの亜人種、そしてリザードマンやウェアウルフなどの獣人、さらには天から落とされた堕天の使徒サタニックとは違う純粋な闇から生まれた闇の眷属デモニックなどなど、それこそ雑多と言う言葉が気持ち良く当てはまる様な、様々な種族の楽園……それがつまりシャフベラルク大陸であった。


 様々な種族がその身に適した土地で命を育み国家を成す中で、その大陸の中央からやや南東側の温帯湿潤気候エリアに人間種の作った国家「シュラッテンフルー」がある。

 エルフやホビットなどの亜人より感応性が鈍く、獣人よりも体力に劣った中庸な人間種ではあるが、交渉力などの社会協調性に秀でた人間は、大陸を血の海にした天使蹂躙の際に全ての種族をまとめ上げて天使軍に対抗した。いわゆる英雄連盟(マスターズ・リーグ)と呼ばれ、今では伝説となった時限超法規的軍団の事だ。

 国家と種族の垣根を超えて天使軍に反抗したそれは、見事に地上人の勝利へと導いたのだが、地上人は天使蹂躙がその一度きりとは限らないと考え、地上人の総意をもって人間の国シュラッテンフルーに、とある施設を作った。


「種族間のいさかいやわだかまりを廃し、全ての種族代表に武器や魔法の最高峰を教える教育機関。共通の教育を施す事で、次に来るであろう天使蹂躙に備えて、いざと言う時能動的に動く事の出来る次代のリーダー養成」


 つまりは、第二次英雄連盟(マスターズ・リーグ)の幹部候補養成学校を作ったのである。

 虐殺の天使を地上に遣わす大いなる神と違い、魔法力にも直接影響する土俗の全能神フェレイオの名前を冠した【フェレイオ学園】が、その名前であった。


 フェレイオ暦八百十五年の春、今年も大陸の様々な種族の代表となった者たちが入学し、新たな希望に胸を膨らませるそんな時期、さっそく学園中が騒然とする様な事件が起こった。


 その事件とは、とある人間の少年が学園の門をくぐったところから始まる。



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