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弟と
「間違いないね、我らが王は狂ってる。
アー、どぉしたもんかねぇいっそトクオリに亡命でもする?アハハ、ハ、兄さん、」
「ウェル、おれは最後まで王に仕える。先代の王はただ一人、呪われたマークスを擁護して下さった。」
思うことは色々あるが
「俺はその恩に報いなければいけない。
だが、お前までそうする義務はない。
たとえ双子でもだ。」
双子といえども、あまり似てないな
堅物で典型的なマークスの俺と中身はメラリオのように奔放なマクウェル
未だに間違える奴が後を絶たないのは本当に不思議なことだ
「大丈夫だ、ウェル。俺には考えがある。お前はいつも通りのお前でいいんだ。」
俯いた弟からは少し酒の匂いがする。
「全部、俺のしたことだ。お前は関係ない。」
「おれ、だってマークスだよ、にいさん」
ゆっくりと顔を上げて言った。
らしくもなく、酷く傷ついた顔をしていたのを覚えている。