英雄の子、剣を燃やす。
英雄の子はエリスに連れられてゴミ処理場にやってくる。
そこにはモグラがやってきた。
半日が過ぎ、エリスが帰ってきた。
「ビビ、フィナンシェ、帰りましたよ」
エリスは疲れているように見えた。
「エリス、大丈夫か?」
「ありがとう、ビビ。大丈夫よ」
エリスは何というか厳かな雰囲気のドレスを着ていた。
外交にでも行ってきたかのようだ。
「エリス、お疲れ様。大変そうだな」
「ありがとう、フィナンシェ。そうでもないわよ」
それから私たちを乗せた魚は泳ぎ続け、どこかに着いた。
降りてみると魚は姿を変えていた。
「これは?」
「ああ、サンダーワームよ。あなたを乗せた時はマスだったかしら」
「なるほど、便利なものだな」
そこへモグラのような男がやってきた。
「おお、エリスじゃないか。元気だったか?」
「ええ、おかげさまで」
「なんだ珍しいな、人間の男とは」
「紹介するわ、フィナンシェよ」
「俺はバウムクーヘンだ。仲良くしようぜ」
「ああ、よろしく」
辺りを見渡すとそこはゴミ処理場みたいだった。
燃え盛る炉が見える。
不思議といやな臭いはしない。
「まるでゴミ山だな」
「そうだな。だが宝の山でもある」
「どういうことだ?」
「あっちでは価値がなくても、でもこっちでは価値が出る」
「なるほどな」
そういえばビビの姿が見えない。
「ビビは?」
「ああ、あの子は炎を見るとダメなの。トラウマなのね」
「そうか」
それから私は炉で剣を溶かし、魔法装備に新調した。