スライム ギノ 転生編
連載小説は上手く行かずに諦めたので短編です.といっても1万字程度あるので暇な時に読んでやってください.
続きが浮かべば「冒険編」などもありかなと考えています.
杉野来夢
それが俺の名前だごく普通に暮らしていたが、道路で死にかけていたナメクジを近くの公園に戻してあげたらその夜ナメクジが枕の上にいて、話しかけてきた。
「今日は助かった。お前の寿命は今日で尽きることになっているが輪廻に還るか?今なら私の力で転生させることもできるが?」。
夢だろうと思い、ふざけてスライムになりたいと答えると直後に下の部屋が火事になり煙で息ができなくなった。
「不思議な奴だな。スライムになりたがるなんて。」
夢じゃないと気付いた時には既に意識なくなりそうで何も言えなかった。
生まれ変わると見たことの無い世界でスライムだった。見た目はドラク◯のスライムというよりロマサ◯のアメーバのような形だ。
身体は人とは違い核を中心に酸、皮でできている。核は心臓のような役割をもち、それだけでなく脳と視覚、恐らく聴覚をもっている。
酸は人の血液のようなもので水を飲んだり物を消化したりすると増やすことや密度を変えることができる。味覚はここにあり、虫などは美味しくない。
皮はオブラートのように薄く酸を覆っていて、攻撃の意思がないときは周りを溶かさずに移動などができる。形も自由に変えることができ、物を持ったりもできるがかなり疲れるのであまり持ちたくはない。触覚はほとんどここで、頑張れば酸の中に皮を生み出したりできる。
これだけじゃあ俺の気持ちはまだわからないだろうから五感を詳しく話そう。視覚は、素晴らしい。核から360度全てが見え、集中すると双眼鏡のように一方向をズームしたりできる。そのため人間に不意打ちをくらわない。俺の持っていたスライムのイメージよりも大分優秀だ。
次に聴覚、これは普通だ。人間と聴こえ方は変わらない。まあ高い音とか聞いたことないから可聴域とかは知らないけど。ただ鼓膜とかないから聞こえなくなったり平衡感覚が取れなくなったりする心配がない。
嗅覚はたぶんない。明らかに臭そうな洞窟なのに無臭だ。
そして触覚、皮全体が持ってるけど、無視したりできるっぽい、移動中は地面に触れてる感覚がないけど意識したらわかる。そんな感じ。
最後に味覚。さっきもいったように酸の部分にあるけど、いい食材がないから美味しくない!親の話によると一回食べた人肉が美味しくて忘れられないらしい。
ここで親が出てきたから親の話、説明が長いって?だってこれはただのスライムの話だぞ?俺の事以外に何を話すと思ったんだ?まあそのうち人間も出てくるがまだ俺は人間が通れるような道には出ていない。いきなり死にたくはないからなwそれでは話を戻そう。
親はもちろんスライム、名前はまだない。
スライムは無性生殖だが、細胞分裂とは違い、ある日突然神のお告げが聴こえたら隣に子供が出来てるそうだ。
ちなみに俺に発声器官はないが、スライム通しで意思の疎通はできる。
スライム間に伝わるテレパシーのようなもので、体感だと10km位の距離まで届きそうで重宝している。他の魔物とは話せないが、知能のある魔物となら筆談とかできるかと考えてるところ。まあ魔物は仲間みたいなもので襲われたりしないから基本放置でいいだろう。
そして俺のこの知識だが、スライム転生時から直接脳に記憶されている。親に聞いても普通のことだと言われる。そして俺のステータスがやばい。詳しくは説明しないが、人間のレベル1が平均10程度でスライムは平均3程度だ。ほとんどのパラメーターはレベルや成長と共に成長する。知力と運はレベルとは関係なく、前者は勉強や経験。後者は善行で上がるそうだ。下がることはない。
俺のステータスも知力を除いて平均3だが、運が10あり他はほとんど2しかない、なのに知力だけ300を越えている。大人の人間が300程度で大人のスライムは80程度らしいから俺の知力が異常らしい。
ちなみに親は75で、人間の子供位だ。
俺はこの世界のことは知らないから、500はいきそうだと話したら驚かれた。そうこうしている間に冒険者が来たようでみんな隠れ始めた。
ここで俺たちの隠れかたは説明しよう。もう説明は飽きたって?俺も飽きてきたけどそう言うな。同じ話は何度もしない(予定だ)し、話さずにイメージと違ったら訳がわからなくなるだろ?
それで隠れ方と言うより住み方だが蟻の巣穴をマネしている。そもそもスライムは核以外は流動体であり、核が入る広さがあれば入り込める。
だから入り口の小さい穴をいっぱい、中で繋げたり繋げなかったりしていろいろな穴を作ってそこに隠れる。
早速俺も親が昔掘った穴に周囲の仲間と入り込む。
やってきた冒険者は3人組だった。1人は戦士風の男でやたらとガタイがいい。1人はシーフ風の男で罠を警戒しながら歩いている。
最後の1人は小さい男の子で、皮の防具と鉄の剣を持っている。
戦士「ユウ、お前は入り口で待機してろ。俺らがお前用に装備拾ってくるからそれまでスライムでも狩ってろ。ここはスライムしか出ないから余裕だろ?」
男の子「わかった。道中でレベル4になったし、1人でもスライム位余裕だよ。」
シーフ「一応気をつけろ。レベルが上がると奴らでも固かったり群れていたりするから。」
男の子「大丈夫だよ。任せといて。」
(ねえみんな、洞窟って結構広いの?)
(広いよ。人間でも1時間は往復でかかるんじゃないかな)
(そうか。魔物って俺たちを攻撃したりしないよね?)
(ああ、同じ魔物だからな)
(じゃあ、あの子供殺らない?)
(いいけど、大人が戻ってきたら殺されるぞ?)
(大丈夫。任せて。まずは。。。)
5分後
男の子「スライム出て来ないなー。天井には何匹か張り付いてるけど届かないし。」
目の前の壁をスライムが横切った。
「よし、あいつをやるぞ。」
男の子は摺り足でスライムに近づく。すると天井のスライムが一斉に落ちてきた。
「うっうわー。」
剣を振り回すが、切れ味が悪くぶよぶよとくっついてくる。
仕方ないので剣を離して壁に背を付けポケットからナイフを取り出した。
「一匹ずつなら大丈夫だ。やってやる。」
呼吸を整え、動き出そうとするとプシュっと首から音が聴こえた。
「いったいなにが?」
押さえると大量の血が溢れていた。
「痛い、止まらない、力が。。。」
そのまま男の子は死んだ。
肩には針程度の大きさの刃を持ったスライムが乗っていた。
(みんな!!この後も手はず通りにお願い!)
人間倒すことなどほぼないため、みんなレベルが上がり能力が2倍近くになった。まぁまだ人間の子供にも敵わないけどなw
みんなで協力して男の子が持っていた剣で首を切断し、頭を集中して溶かす。間に合わない場合も考えて細かく分解しながらとにかく溶かす。
無事頭を溶かし終わり身体に入った頃、親からテレパシーが入った入った。
(2人がそろそろ戻るぞ。)
そこで一番素早いスライムを壁際に残し、残りは隠れた。
数分後、
戦士「結構結構いいドロップがあったな。ここは弱い魔物が多くて繁殖も早いからちょうどいいや。」
シーフ「そうだな。。。。。ちょっと待て、血の臭いがする。」
戦士「まさか❗走るぞ。」
戦士「なんてことだ。」
目の前には首から上がない死体があった。服装から見てユウだ。落ちている剣もユウの物で首を切断されている。
シーフ「太刀筋は素人だが足跡がない。ユウの首もまるで素人のような斬られ方だ。訳が分からん」
戦士「追うぞ。せめて首を取り戻すんだ‼」
シーフ「待て、スライムが身体を狙っている。身体を運ぼう。戦利品は置いていくぞ。」
戦士「ああ。急ごう!」
(よしみんな、金属と食料は運べるサイズに溶かして運んで。今度は俺が見張りをするからテレパシー飛ばしたらすぐ隠れてね。)
戦士「くそっ見つからね!!ひとまず町に戻るぞ。」
シーフ「わかった。先にユウを運んでおいてくれ。置いてきたものを取ってくる。」
戦士「手練れがいるかもしれない。人をみたらすぐ逃げろよ。」
(みんな、隠れて!溶かしかけの物はそのままでいい。余裕のある場合はやられたように少し体液を残してね!)
シーフ「装備がほとんどなくなっている!?一部はスライムが溶かしたようだが・・。何かが潜んでいるようだ。早く戻ろう。」
(みんなー。お疲れ様。次も冒険者を殺すかもしれないから用意しといてね。お肉は美味しいしレベルもどんどん上がりそうだし楽しみだね!)
((((いいぞー。 次は全部食べたい。 俺にはさっきの殺し方を教えてくれ。 たぶん次で進化できるからなにがいいか考えといてくれ、従うぜ。))))
俺達は持てるサイズに鋭く金属を加工し、念のため多少のトラップをしかけておいた。そして2日後再び冒険者がやってきた。
木の剣、木の盾、鉄の靴、鉄の鎧を身に付けた男の子。
木の本?を持っているマントを付けた男の子。
そしてなんかエロい恰好をしている弓使いの女の子。
新人戦士「初の冒険だな!初心者でもこの洞窟なら大丈夫らしいし気楽に行こうぜ!」
新人魔法使い「慢心せずに行きましょう。最初でこけるのは嫌ですよ。」
新人狩人「ほらほらついたよ。ウチの弓は洞窟では上手くできなさそうだし期待してるよ。」
(おー、魔法使い初めて見た。あれって強いの?)
(まだ初心者なら大丈夫じゃ。上級になってくると衣見たいの纏ってて触れないがのーww)
(長老はあったことあるんすね。)
(まあのう。懐かしいわい。魔法使いは詠唱前ならやりやすいから前の仲間が殺してたんじゃ。運悪く師匠が遠視で見てたようでみんな焼き殺されてしまってのう。ワシはびびって隠れてたんじゃが勇敢な仲間は・・・。)
(すみません、言い難いことを・・。)
(みんなー。戦うよ!俺が戦士を殺すからリーフィアが魔法使いを、リーフが狩人を頼む。残りのみんなは周囲でのフォローと逃走されそうになった場合に酸で足止めを頼む。)
ちなみにリーフィアは俺が好きなスライムだ。なぜが好きになってしまい、更に運動神経がかなりよくて奇襲の適性がある。
リーフは親だ。親なのになんかかっこいい名前であり、長老の孫で人望に厚い。そのおかげで俺の話が通りやすいんだ。他の家族はみんな人間に殺されている。
そんなこんなで作戦開始!!
戦士「見ろよ。スライムが5匹いるぜ。経験値もらおうぜ。」
狩人「ウチはここで様子を見ておくから行ってきていいよ。」
魔法使い「スライムなら本で打撃でいいよね。魔力そんなにまだないし。」
戦士と魔法使いが前へ進み狩人が後ろで様子を見ている。
(予定を変更します。リーフ、先に狩人を頼みます。)
(私は親だぞ?呼び捨てはないだろう。)
(ごめんごめん、そっちの方が呼びやすくて。親子よりも兄弟のような関係になりたいってリーフが言ってたしいいかなってw)
(わかった。せめてリーフさんにしろ)
(親にさん付けとかwわかったよリーフさんww)
狩人「?」「あっ」
戦士「どうかしたのか?」
振り返ると新人狩人の女の子の首から血が噴き出しており、真っ直ぐに地面に倒れだした。慌てて駆け寄ろうとすると鋭い痛みが・・。
魔法使い「うわー、なんなんだよ。」
魔法使いは逃げ出そうとしたが、いきなり皮の靴が脱げて躓いてしまった。足元を見ると靴が半分ほど溶けていて、スライムが数匹乗っている。
魔法使い「早く出ないと、 アァァーー。」
動こうとしたが周りのスライムが酸を飛ばしてきて全身がやけどしたように痛い。それでも必死に起き上がった所で首から血が噴き出し倒れた。
(リーフィア大丈夫かい?振り落とされていたけど?)
(えぇ、ごめんなさい。上り直すのに時間がかかってしまったせいでみんなを危険にさらしてしまったわ。)
(((気にするなよ。 無事でよかった。 やっぱり進化できるけど何になる?)))
3人分の経験値が入り、こっちは30匹ほどだったとはいえ普段経験値など得ていないためみんなどんどんレベルが上がった。
現在の内容はこう。(戦闘員のみで長老や子供は別)
俺 LV7
リーフ LV9
リーフィア LV6
仲間19匹 LV5~9
仲間8匹 LV10(進化可能)
魔物はレベル10になると進化できる。人間でいうところのJOBチェンジだ。
スライムの進化先は3つある。
一つはミドルスライムで、簡単に言うと大きくなる。
一つはオレンジスライムで、サイズはこのまま色がオレンジになる(元は青っぽい)
そして最後はハネスライムで翼が生える。これにより空を飛べる。
特長はそれぞれあって、
ミドリは大きい分力が強くなる。核の大きさは変わらないから道が通れなくなることなどもなく、人間や獣をより吸収しやすくなるが狙われやすくなる。進化先はストーンミドルスライム(堅くなる)やビッグスライム(更に大きくなる)などがある。
オレンジは若干全能力が上がる。進化先もミドルオレンジスライム(オレンジ版のミドルスライム)などがあるため、成長できるまでやられない自信があるならこれが一番いいと思う。
ハネは素早さが大幅UP、ただ少し羽音がしたり、狙われやすくなったりするため生存率はあまり変わらなそう。進化先はフライスライム(より速く)、ミドルハネスライム(大きくなる)などがある。
基本的にはミドルかハネに進化するが、進化せずにそのままレベルを上げることも可能であり、経験値は無駄にならないので2段進化なども可能である。まあ深く考えるスライムはいないのでほとんどが進化をしているし、その度合いを見て人間は危険度を更新している。
進化先はある程度しかわかっていないため、人間の書物かなにかが欲しいところ。
ひとまずミドル2匹、オレンジとハネが3匹ずつとして、みんなで殺した3人の肉を食べて(少し備蓄)装備を溶かして仲間の武器を充実させた。
そしてお食事タイム!!結果からいうと女の子めちゃくちゃ美味しいです。前回の男の子でこれでもかって位おいしかったんだがそんなもんじゃない。女の子はなんていうか、男の子と一緒で鍛えられてはいるんだけど柔らかいというか反発力があるというか・・・上手い表現が見つからないけど男の子が高級な牛肉で女の子が同じ高級な牛肉なんだけど、さらに一番柔らかい部位って言えばいいのかな?まあ満足以外の言葉が出てこないほど幸福です!!
それから何度か弱そうな冒険者を襲った。
翌週、新手がやってきた。
ホーリーナイト「ここですか?最近若手の冒険者が失踪する洞窟というのは」
村人「はい。村のリョウ、ケンジ、レオナが先日失踪し、その前にはユウという町の男の子が随伴の冒険者が目を離した隙に殺されたそうです。」
ホーリーナイト「妖魔でも棲みついたのか?とりあえず見回ってみましょう。」
村人「お願いします。」
(みんな!そろそろ強そうなのとも戦ってみない?リーフが1人で向かってくる強うそうなのいるから隠れろって言うんだけど)
(((そうだな。 いんじゃね? 俺の力をみせてやる)))
(辞めんか!! 強い冒険者はキングスライムも1人で倒せるような化け物だらけじゃ。絶対死ぬぞ!)
((はーい。みんな隠れてね。 はーい。))
(((((俺は戦うぞ! 俺も。 じゃあ俺も。 せっかく進化したんだし。 それなら俺もー。)))))
(((((じゃあ私も戦おうかな。 私たちも行く? いこいこ!)))))
ミドル1匹、オレンジとハネが3匹ずつ。そして3匹のスライムが戦いに赴いた。
(やばくなったら逃げるんだよ!)
ホーリーナイト「んっ?」飛んできたものを真っ二つに斬ったところハネスライムだった。「こんなところにハネスライムか。大きなのでもいるのかな。」
さらに上から落ちてくるものを剣圧で払う。
「なんだ?スライムが上から酸を垂らしている?」足元の這い寄ってきたスライムを踏み潰し、天井のオレンジスライムを石を投げて倒す。
「なんだここのスライムは、統率が取れすぎている。」
「静かなる水神よ、我の願いに応えたまえ。「アクアショット!!」」
魔力をこめた水を目に映る全てのスライムにぶつけ蒸発させる。そして気配を探知する。
「壁の中に7匹か。統率者は出てこい。先ほどのミドルスライムではないことはわかっている。投降しろ。さすれば他の仲間は見逃してやろう!」
(やばいよギノ君。戦う仲間がみんなやられて、観戦して逃げるつもりだった人達もやられちゃったよ。)
(詳しく状況を教えてくれ。そのまま隠れておけばいんじゃないのか?)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。さらになんか感知できるみたいで、僕たち7人もバレてる。ボスがでれば残りは助けてくれるらしいけど、そんな判断できるのかな?)
(そのまま隠れてるか、ミドルのお前が武器を持ってそれっぽく振る舞うしかないな。)
(わかった。メズをお願いね。)
(ゴズ。まずは武器を持っていき、足元に置いて土下座っぽく振る舞え。最後まで特徴をテレパシーで流すんだ。今一時だがボスはお前だ。嘘は見抜かれるかもしれないからホントの事だけを話すんだ。もしもの時のためにお前の勇気をみんなに伝えるんだ。。。)
(ほぼ死んじゃうってことはわかってる。みんな、今までありがとう。)
「出て来たか!ミドルスライムか、意外だな。伝心の魔法をかけるから少し待っていろ。」
「聞こえるか?お前がここのボスか?」
ゴズ「そうだけど、会話できるの?凄いね。」
「お前は人間を殺し過ぎた。お前に知恵を与えたのは誰だ?」
ゴズ「教えてくれたのはギノだよ?でもボスは僕だしギノはここにはいないんだよ。」
「嘘じゃないようだな。」
ゴズ「嘘はつかない。だからみんなは助けてあげて?」
「今まで殺した人の数と方法を言え。」
ゴズ「昔迷子を1人殺したのと、この前子供を1人、と3人殺したよ。方法は首を今捨てたような刃物で斬ってだよ。」
「わかった。お前には悪いが危険な魔物を放置するわけにはいかない。ここのスライムは全部蒸発させる。騙してすまない。」
ゴズ「そっか。そんな気はしてたけど。ごめんねメズ、助けられなかった。」
「静かなる水神よ、我の願いに応えたまえ。「アクアバースト!!」」
みんなの隠れていた壁が壊され、潰れるか這い出てきたところを斬られ、生き残りはいなかった。遠くに逃げていた一部を除いて・・・。
近くの村では、
ホーリーナイト「妖魔ではなくスライムに知恵を与えた者がいたようですが、スライムは退治できたので大丈夫ですよ。私はギノという者を探します。」
洞窟では
(みんな!ホントに死んでしまったのかい?)
(無駄じゃよ。何度も確認したじゃろ?)
(ギノ・・・。今回は逃げるように言ったのに聞かなかったんだ。お前のせいじゃない。)
(でも、でも俺がいればなんとかできたかもしれない。)
(無理じゃよ。相手はホーリーナイト、言動からして恐らくジークハルトと呼ばれている男じゃろう。ドラゴンと互角に戦えるとの話じゃ。)
(元気出してギノ、私達だけでこれから生きていかなきゃいけないんだよ。)
今回、離れることを望んだ長老、付き添いのリーフとギノ、そしてリーフィアだけが生き残り、元の洞窟に戻って行った。
(絶対に仲間を守れる力を付けてやる。)
人間の民家から盗んだ本を一冊ずつ持ちながら・・・。
現在の仲間
ギノ LV7
リーフ LV10(進化可能)
リーフィア LV6
長老 LV18(進化可能だが、昔に戦線を離脱)
ハク LV5(無名の1スライム)
1か月後、ジークハルトが遠くに行ったのを確認後再び狩りを開始した。基本的に長老には隠れていてもらい、元気がある時は見張りを。そうでないときは残りの4人で交互に見張りを立てながらひたすら人間を狩った。
罠も前回はまとめて壊されてしまったが念のため張った。
とにかくひたすらに人間を狩りまくり、2週間もすると「不帰の洞窟」と呼ばれるようになり、人が近づいて来なくなった。これまでの一か月間もひたすら勉強していたギノは魔法が使えるようになり、たびたび本を盗みに村まで行くようになった。これまで学んだことはこうだ。
魔法とは神々の力であり、マナと呼ばれる空気のようなものを体内で変換して方向性を持たせ、放出する力である。集中するために本来は聖句を唱えながら使用するが、唱えなくても使用は可能であり、ドラゴンなどの高い知能を持った魔物も使用することがある。弱い魔物では杖を持ったゴブリンロードが使っているのを近年目撃した。
魔法には5つの属性があり、火、水、風、土、特殊に分類される。特殊は光や闇など様々な属性があるが、才能のある者しか使えない。闇は主に魔物が使う属性で、光は聖職者などが使えることが多い。残りの4属性は誰でも使用することができ、知識と魔力次第でとても便利である。
現在ギノは複数の初級用の本を読み終わり、中級の本を読んでいるが村にはそれ以上の本が無くなったため、他の洞窟に移動するかを検討していた。
(みな、冒険者が来たぞ。最初に殺した子供を連れていた2人組じゃ。)
(((了解)))
戦士「まさかスライムの仕業だったとはな!!全滅させたとは言っていたが他から移ってきているかもしれない。見つけ次第殺すぞ!!」
シーフ「ミドルスライムくらいまでなら俺らだって余裕だしな。行こう!」
洞窟を進んでいくとハネスライムが上空から酸を飛ばしてくる。
戦士「無駄だ。酸に強い装備は整えてきた。」
シーフ「くらえっ!「トリプルナイフ!!」」
3本のナイフを同時に放ちスライムを狙う。しかし素早く躱された。
戦士「なんだあのハネスライム。あんな素早いの見たことないぞ。」
下では2匹のスライムが酸を撒いており、気づけば囲まれていた。
シーフ「なんかやばそうだ。いったん引くぞ!」
シーフが加速して囲いから抜けようとするとハネスライムが酸を目の前に飛ばしてくる。
戦士「しかたねー。足元の潰してからいくぞ。」
無造作に剣を下すが、弾性力が高く弾ける。
戦士「なんだこいつ!オレンジスライムよりも堅いぞ。それなら「回転斬り!!」」
器用にスライムがよけ、一部斬れたが核は破壊できなかった。
(ちっ、まだ全然柔らかいな。ギノ頼む!!)
(わかった。燃え盛る炎神よ我に小さな火を与えたまえ(プチファイアー!!))
戦士「なんだ!油だったのか。燃え移ってきた。」
シーフ「一匹だけでも道連れにしてやる。「乱れナイフ!!」」
シーフがナイフを素早くハネスライムに投擲する。しかし、またしても躱された。そして倒れた先に一匹のスライムが小さな杖を持ち火の球を打ってきた。
シーフ「嘘だろ。スライムで魔法使いなんて。。。」
(うまくいったな。ギノのエンチャント系の魔法のおかげでかなり堅くなれるぜ。)
(私は早く動けるわ。ハネスライムにして正解ね。)
(僕は酸を撒いてただけだけど動きやすかったよ。)
(これでレベルが上がるだろうけど、流石に目立つだろうから旅立とう、他の洞窟に!!)
(ワシも移動に賛成じゃ。本を読むのが最近の楽しみでな。また新しいのを読みたいんじゃ。)
(にしてもレベルが一気に上がったね。しばらくは今のままで進みたいと思うけど進化したい人いる?)
(いや、俺はここまで生きられるとは思ってなかったしお前に任せるよ。)
(私はまだ進化出来ないわ。)
(僕もギノ君に従うよ。)
ギノ LV19
リーフ LV21(進化可能)
リーフィア LV8(ハネスライム)
長老 LV18(進化可能だが、昔に戦線を離脱)
ハク LV16(無名の1スライム)
ここまでが俺の話のプロローグだ。
まだまだ冒険はこれからだ!!w
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火の魔法
スライムなのにギノが今一番得意な魔法。洞窟などで火を使うのは人間には悪手だがスライムには関係なし。窒息させちゃおう。
今回使ったプチファイアは一番弱い攻撃魔法だけど油に火を付けるには十分!
あの油はみんなで近くの村からチュウチュウ吸ってきました。
また、どの属性にもエンチャントの魔法があり、素早さや防御力などをかさましできる。一杯勉強したから2番目に下のエンチャントも使えるようになったけどまだ魔力が少なくて今回はリーフの防御力とリーフィアの素早さを上げるので限界だったからハクは遠くで的にならないようにしたらしい。
生前の杉野君はごく普通の日本人だけどスライムに転生したことで倫理観とか欲とか思考に変化が生じたみたい。
ギノさん頑張った.26匹の仲間が殺されてもめげず,魔法を覚え,今度は冒険へ.
パーティーが曽祖父と父,それに想い人.なんか胃が痛くなりそうだけど彼には頑張ってほしい.