第四十五楽章 散華の騎士
攻撃の第一陣は凌ぎ切った。というか蹂躙して終わった。
「今までが魔王だの何だのと化物染みた連中とばっか遣り合ってた所為か、俺達って結構強くなってたんだな」
苦戦する相手ではないとは思っていたが、まさかあそこまで徹底的に無双出来るとは流石のアルベルトも思っていなかったのだ。
「それはまあ、『唯鍛えただけの人間』相手ならそうでしょうね。元々は魔女もそういった力を持っているからこそ迫害されたのだし」
ルクレツィアが手ずから振舞ってくれた紅茶を飲みつつ、セーラは微苦笑しながら言った。
「それでルクレツィア、この後はどうするんだ?まさかこうやってずっと他の領地からの攻撃を防ぐって訳でもないだろ」
「無論だ。都へ乗り込み、兄上……いやヒューゴを玉座から引き摺り下ろす!」
覇気の篭った笑みを浮かべるルクレツィアに、アルベルトも同意するように頷いた。
「その意気だ。まあ俺が血を流す事を煽ってちゃ本末転倒な気もするけどさ」
「構わんよ。元よりそなた達の助けがなければ、妾は元より無辜の民草をもが蹂躙されたのだ」
ルクレツィアは自嘲するように笑い、地図を広げた。
「マオが制圧した地域から首都まで三日行軍すれば着く。夜営を行いつつになるが……」
「いや必要ないだろ。《エクスカリバー》に収容して強襲すれば三日どころか三時間で到着するぞ」
「本当か!?」
アルベルトは頷くが、その耳をセーラが引っ張った。
「また1人で勝手に決めて、副官が聞いたら怒るわよ?」
「……あ」
とりあえず通信をかける事にした。
その後、一時間近く嫌味を言われ続けたもののコルトンは最終的に《エクスカリバー》を使った首都強襲作戦の敢行を許可してくれた。
「しかも足だけではなく戦力も貸してくれるとはありがたい。アル、妾はそなたに途轍もなく大きな借りが出来たようだ」
「そんな物はないさ。俺は俺の勝手でこの内乱に介入するだけだ」
「……そう言ってくれるな。礼を言い辛くなるだろう?」
《エクスカリバー》の執務室の隣、アルベルトの私室で武器を手入れしながらルクレツィアは苦笑した。
「それとも何か?言葉による礼ではなく、もっと即物的に金銭か体の礼でも求めているのか?」
「違う!何でそうどいつもこいつも俺を色ボケた女垂らしみたいに……!」
(いや全然否定出来ないだろ。お前にその気があろうがなかろうが、実際に惚れ込んで命を預けた女が何人いると思ってるんだ)
サラマンダーに言われ、アルベルトは吐血しそうな自分を何とか立て直しながら椅子に座った。その時ドアがノックされた。
「伝令です。先程1300時を以って首都のヒューゴ王子に対して宣戦を布告、受諾の返信があったのが1330時です」
サリの報告にアルベルトは無言で頷いた。
「先方は何て返してきた?」
「何も。全力を以って迎え撃つとだけ」
アルベルトはふと違和感を覚えた。自惚れる訳ではないが、《逆十字聖騎士団》の戦力は正面からぶつかり合えば相当の強さを誇る。にも関わらずあっさりと戦線を開く辺り、相当の自信家か唯の馬鹿か……もしくはアルベルト達を纏めて相手取っても勝てるだけの戦力を保有しているのか。
「メロディアから報告はあるか?」
「……斥候に出させた5人のサキュバスのうち、3人が」
残った2人が持ち帰った物だと付け加えてサリは机に何かを置いた。一房の艶やかな翠の髪に折れた角、そして根元から折られた羽……どれもが生乾きの血に塗れていた。
「恐ろしく強い傭兵を多数抱えているとの報告でした」
「分かった。彼女達には後で直接労っておく……それと遺品は丁重に弔ってやってくれ。彼女達の犠牲は決して無駄にしない」
一礼して退出するサリを見送り、アルベルトは拳を握り締めた。
「犠牲は無駄にしない、か……テンプレ通りの英雄様発言で笑いしか出て来ないや」
自嘲する彼をルクレツィアは何も言わず、静かに見つめていた。
それから二時間後。《エクスカリバー》は大きな妨害もなく首都上空へ差し掛かっていた。
「防衛はドワーフ隊に任せ、俺達とリザードマン隊で突入し正面から打ち破る。エルフ隊は後ろから援護、魔族は状況次第で遊撃に回ってくれ。指揮はキルトに任せる」
ルキナの頼みで《逆十字聖騎士団》へ出向していたキルトは何時も通り、何処か力の抜けた様子で手を振り応えた。
「城への突入は?」
「俺とルクレツィアは固定として、小春とマオにセルヴィ……」
「私も行くわ」
セーラが進み出た。だがアルベルトは一瞬躊躇う。少し嫌な予感、虫の知らせとでも言うべきものが過ったのだ。
「いやセーラ、今回は何もお前が出る必要は」
「この《逆十字聖騎士団》の戦力を考えれば、無理に私が出る必要は確かにないかもしれないわ。でも私は貴方の騎士……私以外の誰にもアルの背中を守らせるつもりはないの」
譲るつもりのないセーラの目に、アルベルトは結局折れるしかなかった。
「分かった。今回も俺の背中を任せる……無理はするなよ」
「ええ、分かってるわアル。預けてくれてありがとう」
嬉しそうに笑うセーラに頷き、アルベルトは《エクスピアティオ》を抜き放って声を張った。
「《逆十字聖騎士団》、今こそ出陣だ!」
歓声と雄叫びが艦を揺るがし、士気の高さを存分に示す。その様にルクレツィアも負けじと剣を抜いた。
「妾達も出陣する!本来は我等の戦争、《逆十字聖騎士団》に遅れを取るな!!」
一般兵の相手はリザードマン達に任せ、アルベルト達は一直線に城を目指す。幸い国民を盾にされる事もなく城内へ突入すると、そこにはタウラスとサジタリウスが待っていた。
「げ、やっぱお前等か!」
「そういえば金欠だって言ってたし、傭兵稼業か。にしても《ゾディアック》も案外暇なんだな」
「まあな……本当は通してやりたいんだが、こっちも仕事なんだ。悪く思わないでくれ」
「気にするな。元より期待はしてない」
《エクスピアティオ》を構えて前に出ると、ルクレツィアも《ダインスレイヴ》を抜いて身構えた。
「行くぞ!」
「おおおおおおおお!!」
振り下ろされた戦斧を剣で逸らし、がら空きになった胴体に蹴りを叩き込む。その時だった。
「あだだだだだだ!や、やられちまったぁ!サジタリウス手当てしてくれえ!」
そこまで綺麗に入った訳でもないのに、タウラスは大袈裟に痛がって転がる。何が起こったのかと混乱していると、ちょいちょいと奥を指差した。
「悪いな」
「サジタリウス頼む!転んだら尻の骨に響いた……」
「ええい世話の焼ける!」
喧々諤々とやりあいつつ、二人はそれぞれの合図で「早く行け」と示してきた。
「アル達は先に行って。私はちょっと此処で治療をしてから追いかけるわ」
小春が言い、アルベルトは一瞬逡巡した後に頷いた。
「ならボクも残るよ。万一に備えて護衛が必要でしょ?」
「そうだな、じゃあマオ頼んだ!」
小春とマオを残してアルベルト達は更に上へと駆け上って行った。
「アル、そなた一体彼奴らと何を通じておった?」
「大した事じゃないさ。前に食糧を援助した位でな」
ルクレツィアは呆れた様子でアルベルトを見た。
「そなた……何処までお人好しなのだ?いずれ雌雄を決する相手に食糧を援助するなど、塩を贈ってやるのとは訳が違うと思うのだが」
「私達も常々思ってる事よ」
ルクレツィアに同意するようにセーラが言った。
「でも、そういう優しさを持った人だから私は好きになってるし騎士として守ろうとも思った。それだけは譲れないわ」
「そうか……ふむ、納得しておこう」
「……」
頭の後ろで惚気合戦とも言える会話をされると、当人としては非常に困る。
「さ、謁見の間はこの上だ。覚悟と準備は良いな?」
ルクレツィアに頷き、アルベルトは重厚な扉を一気に蹴破った。
一方その頃。小春はタウラスに治癒魔法を唱えながらサジタリウスと向き合っていた。
「それで、俺に何か問う事があるのか?」
「はい。貴方の父親についてです」
小春に問われ、サジタリウスは苦笑気味に肩を竦めた。
「余り年頃の嬢ちゃんが聞いて楽しい話でもないぜ?あんたの想い人とは似ても似つかないゴミクズだったからな」
「ごめんなさい、言い方を間違えました。貴方に兄妹がいたとしたらどうしますか?」
するとサジタリウスは一瞬だけ寂しげな目を小春に向けた。
「そうだな……あの野郎がそこら中に種ばら撒いてる訳だし、何人かは半分だけ血の繋がった兄妹がいるかもしれねえ。そういう奴等も大手を振って暮らせる世界……俺はそいつが欲しくて今あんたの敵をやってる」
「……アルが、私達がその世界を作ります。だからもう戦わないで此方に着く事は出来ませんか?」
小春はタウラスにも向き直った。
「貴方も見たんですよね?アルが作った、飢えのない国を」
「ああ……見た。余りにも綺麗で、火傷しそうなくらいに温かかったぜ」
サジタリウスは品定めするように小春を見据える。二人の巨漢を前に、マオと共に立つ小春は余りにも華奢だ。それでも彼女は挑むでもなく、慄くでもなく静かにタウラスとサジタリウスを見据えていた。
「気持ちはありがたく受け取った。だが、まだ決めかねている」
「大丈夫です。選択肢の一つとして気に留めて貰えれば」
サジタリウスはすっきりした顔で腰を上げ、最後に振り返った。
「俺からも質問、いいか?」
「はい、どうぞ」
「あんたは何で、《勇者》が何も言ってないのに俺達を説得しようとしたんだ?」
小春は優しく微笑む。タウラスは一瞬、彼女が自分すらも包むのではないかという光を放ったようにも見えた。
「アルはセーラに背中を守らせ、何処までも走って行くでしょう。だから私はその全部を包み込もうと決めました」
自分はアルベルトの為に何が出来るのか、小春はずっとそれを考えていた。セーラのように共に並び立つ武勇がある訳ではなく、ミスティのようにバックアップを行える程の知識と発想がある訳でもない。ケーナはいざとなれば、誰よりも傍でアルベルトと共に戦えるだけの力を持っている。そして小春が出した答えは、アルベルトと彼と共に戦う仲間全員を包み込む事であった。
「セーラやケーナちゃんだけじゃない、アルの理想に共感し共に戦う者全てが私の守るべき者。そう定めましたから」
「……太陽の加護を得て生まれた慈愛の聖女・《天姫》か」
「え?」
サジタリウスが何を言ったのかが分からず、小春はきょとんとなる。
「何でもない。ある意味あんたが1番《逆十字聖騎士団》を支えてるってのはよく分かった」
「いずれ俺達もそこに加わる日が来るかもしれないが、それは今じゃねえ。拾って貰った恩があるんでな」
そう言い残して二人は姿を消した。
「ねえコハル、よかったの?」
「いいのよ。今はこれで」
マオは納得しているのかいないのか微妙な空気であったが、小春が決めた事ならと何も言わずにいた。
そんな会話があったとは露知らず、アルベルト達は謁見の間に飛び込んでいた。
「ほう、我が愚妹がよくぞ此処まで。まさか他国の人間を抱きこんでまで玉座を欲しがる程浅ましい妹だとは思わなかったよ」
「確かにな。妾とて本来なら己の領地と領民を守れればそれでよかったが……今此処で兄上を野放しにしては妾の領地どころか《西国》全てが脅かされる」
「それは誤解というものだ。俺はこの《西国》を《北国》や《中央》を超える最高の国にしたい、それだけだからな」
「ならば何故守るべき民草を兵士として妾にぶつけた!?帰る家があり、守る家族があり、愛する者がいたであろう彼等を何故!」
割り切ったつもりでいた痛みが噴出し、ルクレツィアは声を上擦らせながら叫んだ。
「それを片っ端から斬って回ったお前に言う権利はないと思うが。そうは思わないか?アルベルト団長閣下」
「そこについては俺も同罪だからグダグダは言わない。あんたは自分が守るべき民を同士討ちさせ、実の妹すら手にかけてでもこの国が欲しいってのか?」
「ああ、欲しいとも。あの軟弱な姉に任せていては何時まで経ってもこの国は流れが止まったままだったからな……おお、そうだ。アルベルト殿、俺と組むつもりはないか?そこの愚妹を引き渡してくれれば、相当額の賞金を支払うし今後も貴殿等の持つ武力を貸してくれる前提で定期的に資金援助をしてもいい。よもや一国を統べる者は目先の事に捉われる程愚者ではあるまい?」
アルベルトはじりと間合いを詰めながらヒューゴを見据えた。
「悪いが、友を裏切る位なら俺は愚者で構わない」
「そうか……この世界を憂う者同士、肩を組んで目的に向かえると思ったのだがとんだ見込み違いだったな。所詮は大事の前の些事も理解出来ない子供か」
「子供で結構。ルクレツィアの事がなかったとしても俺はあんたと組む事はないだろうがな」
《エクスピアティオ》を抜きながら凄むと、ヒューゴは意外そうに目を見開いた。
「それは興味深いな。何故だね?」
「決まってる……あんたの思想が、その心根が全て気に食わないからだ!」
ある意味で最もシンプルな答えだった。
「なるほどな。やはり貴殿とは相容れないか、残念だよ」
すっとヒューゴが手を上げたその時だった。
「アル危ない!」
「っ!?」
セーラがアルベルトを突き飛ばした。
「セーラ!?」
「あ……」
全ての時がゆっくりになったような錯覚を覚える。目の前でセーラはゆっくりと倒れていき、アルベルトの腕に受け止められた。
「セーラどうした……っ!」
首筋に突き刺さった小さな矢。その傷口の周辺がどす黒く変色しつつあった。
「まさか、毒矢か!?」
「あーらら。おのれを毒殺してその子達全員を絶望したところが見たかったのに、随分と鼻の利く番犬を飼ってたんだねおのれは」
手の中でダーツを数本弄びながらヤズミが姿を現す。何が起こったのか、アルベルトにも明確に教えるように。
「待ってて下さいアル。私が……!」
セルヴィが解毒の魔法を唱えるが、一向に回復する兆しがない。
「駄目駄目。それ薬ってか呪いも混ぜてあるから、普通の魔法じゃ解毒出来ないよ?というか僕も解毒の魔法とか呪い、全然組んでないから助ける方法なし。残念でしたー♪」
「……」
「あ、怒った?」
セーラの首から矢を抜き取り、セルヴィに預けてからアルベルトはゆっくりと立ち上がった。
「セルヴィ、セーラを連れて戻れ」
転移用の鈴を渡し、アルベルトは《レーヴァテイン》を呼び出した。
「セーラや小春には悪いが、俺はこいつを殺す!」
「……分かりました。武運を」
鈴を鳴らして転移するセルヴィとセーラを見送り、アルベルトは二刀の構えを取ってヤズミと睨み合った。
「さぁてさてさて、騎士様を喪った《勇者》は何処まで頑張ってくれるかな?精々足掻いて愉悦させてよね」
「アル、彼奴はそなたに任せる。済まないが妾はあっちに集中させて貰うぞ」
ルクレツィアも両手の魔剣を軽く素振りしてヒューゴと睨み合う。
「兄上、決着をつけましょう」
「相手になろう。出来の悪いお前に何処までやれるか見物だがね」
ルクレツィアは裂帛の声と共に床を蹴り、一気に間合いを詰めた。
ヤズミと激しく斬り結びながらも、アルベルトの心は乱れに乱れていた。
(だって……行っても私1人だし、友達もいないし……)
初めて出会った寂しがりやの可愛い女の子。自分から友達になろうと手を差し伸べた初めての相手でもあった。
(ここにいる全員、私をセーラと呼び捨てにする事を許すわ。共に戦った仲間ですものね)
再会した彼女は美しく、そして強くなっていた。
「うおおおおおおお!!」
「ほらほらどうしたのさ?動きが単調だねえ!」
短距離転送で背後に回り込んだヤズミの剣がアルベルトの左肩を斬り、血がしぶいた。
「ぐああああああ!」
「あ~あ、騎士がいないとこの程度?」
痛みに朦朧とするなか、視界の端ではルクレツィアがヒューゴと激しく斬り合っていた。
(その……まあ、宣戦布告?私だってコハルやケーナには負けたくないから)
ひたむきにアルベルトを好きだと告げ、その為に尽くすとまで言ってくれた。
(我が剣と誇りにかけて、魔法騎士セーラ・アスリーヌは貴殿をお守りする事を誓います)
その結果がこれだ。アルベルトはヤズミではなく己自身に怒り狂っていた。
「怒って暴れるだけか……つまんね」
ヤズミの刺突が右の腿を貫き、アルベルトはたまらず倒れ伏した。
「やっぱり予定通り、おのれの首を見せてあの女達みーんな壊してやろっと。その方が愉しそうだし」
《エクスピアティオ》を拾おうと伸ばした手に、ヤズミは容赦なく刀を突き刺した。
「手始めにあの銀髪かな?簡単に壊れそうだし」
そう言ってヤズミが刀を振り上げ、アルベルトの首を断たんとしたその時だった。
「アクアスパイラル!!」
超高密度に圧縮された水の槍がヤズミに襲い掛かる。慌てて彼が回避すると、アルベルトを庇うように仮面を着けたローブの女が立ち塞がった。
「ヤズミ……よくも、よくもアルを此処まで痛めつけてくれたわね!」
「また来たの?人形の分際で母親気取りも大概にして欲しいんだけど」
仮面の女はその軽口には対応せず、右手に巻き付けていた鞭を振るいヤズミと戦い始める。人間では耐えられないようなスピードで動くその様は、レイナと同じ異質さを感じさせるものだった。
「消えなさい……!ケイオス!!」
壁際まで追い詰めて放たれた暗黒魔法。しかしヤズミはルクレツィアと戦い近くまで来ていたヒューゴを盾にしてそれを回避した。
「貴様!?」
突然の事に絶句するルクレツィアには構わず、ヤズミは余波で開いた壁の穴から外に飛び出した。
「もー!興醒めだし僕帰る!」
「待ちなさい!」
オフィウクスは追撃しようとしたが、すぐにそれどころではないとアルベルトに振り返った。
「アル、アル!しっかりなさい!」
無機質な仮面とは裏腹に、余りにも純粋な心配する声にアルベルトは不思議と安堵感を覚え始めていた。
「貴方の大切な人は必ず助けるから、助ける方法は必ずあるから……だから今はお休みなさい」
優しく心を慈しむ声。その声に縋り、アルベルトはゆっくりと意識を手放した。
続く




