嫌い
小説ではありません。詩です。
あぁ
あなたはまた
今日という日を明けさそうと
やってくるのね
一晩の間に
誰かの指で卑しめられ
穢れたこの体に
あなたの光は眩しい
影も徐々に姿を現す
少しずつ現れ
私だけでなく
全てを露にさせる あなた
だから 私はあなたが嫌い
自らのその光で
全てを見ようとするから
綺麗なところも汚いところも
全てを照らすから
時をかけ
私を上から見下ろす
あなたの光は余計に眩しい
目が痛いほどに
光は視界を狭める
影は短く背を背ける
だから 私はあなたが苦手
燦燦と輝く神々しいほどの光で
全てのものに平等に光を降らすから
あなたにとって私は
大勢の内の一人になってしまうから
あぁ
あなたは西の彼方に
また 消えていこうとするのね
私はあなたのその姿好きよ
今まさに
消えようとしているのに
あなたは燦然と輝くから
あなたはいつも神々しい
影は長く細く伸びる
あなたはいつも通りの
光を放っているのに
何故かしら
今日はこんなにも儚げに見えるのは
何故かしら
虚ろに見えるのは
何故
だから 私はあなたの事が愛しいの
いつもは力強いあなたが
唯一見せてくれる弱み
それが私には
歯痒いくらい嬉しいの
そして真っ暗
あなたは消え、違う人が現れる
私はあなたも好きだけれど
違う人も好きなの
淡い 青白い光が
柔らかく私を包む
だから
私はあなたの事を忘れられないの
姿が見えない今でも
違う人と比較するために
私の記憶の殆どを
埋め尽くしているのだから
だから 私は
あなたの事が嫌いで 苦手で
愛しくて 忘れられないの
あなたが好き過ぎて
忘れられないの
あなたのことを忘れたいのに
忘れられないの
切ないの
このような作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございました