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詠(うた)いたい詩(うた)があるんだ  作者: MMPP.Key-_-bou


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2/2

思いは、まだ詩(うた)の中に

 あの日、彼が言った。

(うた)いたい(うた)があるんだ」


 私は笑ってごまかした。

「へえ、詩人だね」

 本当は胸がざわついたのに、素直に聞き返せなかった。

 その言葉が耳に残り続けた。


 夜。

 自分のノートをひらく。

 私は詩なんて書けない。

 けれど、たったひとつの答えなら、もう知っている。


 一行、二行、三行。

 拙いけれど、心の奥をたぐり寄せる。

 そして最後の行に、そっと記す。


「君のこと、好きです」


 ページを閉じ、胸に息を吸い込む。

 窓の外、月はとても眩しい。

 ──隣に、ずっといてもいいですか?

 

エピローグ


 月が沈み、朝が来る。

 まだ誰の(うた)にもならない想いが、今日も胸にある。

 ──あなたは、どんな(うた)(うた)いますか?


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