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闇を焦がす炎

科学魔導士がついにその本領を発揮します。

 ラピスを乗せたメルヘンチックなカボチャの馬車は、人の形をした物体と共にマトラ旧市街の中央広場にたどり着いて停止した。


 広場の中央に少し不自然に見える大きな木が生えており、ラピスは今それに向かって走っている。

 ついでに言うと、人の形をした物体もラピスを追いかける為に走っているのだが、その走り方はとても効率が悪そうに見えた。

 普通人は左右の足を交互に前へ出して歩くものだと思うが、その物体は片方の足を前に出した後、反対側の足は揃え程度にしか動かさない。

 常に片方の足しか前には出さない為、その速度は通常の半分程度なのだ。

 また、物体達は走りながらも不定期だが「ふぁ」と言うこもった音を発していた。

 それが大勢いる為、広場は「ふぁ」の大演奏の様になってしまっている。


「アハハハハハァーーーッ!」


 もうルビーはラピスと物体達の様子を、指を差して爆笑しっぱなしだ。


「木に着いたぞォーーーッ!!

 まさかこれを登れって言うのかーーッ!?」


 そう言い「ポン」とラピスが木に触れると耳が痛くなる程低い音の地響きが起こり、それに反応した様に人の形をした物体達は動くのをやめた。


「うわっ! な、、なんだ!?」


 大木はその地響きによってか破片を落とし始めている様だ、ラピスの周辺にも木の枝や皮の様なものがバラバラと落ち始めた。


「こういうパタンって大体無駄にでかいボスが出てくるよなッ!」

『そ、そうかもしれないですね』


 人の形をした物体達は動くことも「ふぁ」と言う音を出す事も辞め、完全に止まってしまっている。

 木の表面の破片が激しく四方八方に飛び散ると、人の形をした物体達にもその破片は当たっていた。

 ボテッと言う感じで倒れる物体だが、その後も起き上がる様子はなかった。

 そして地響きがおさまり、木の表面が完全に剥がれ落ちた後に現れたものは、モヤシの様に白い色をした物凄く細長い妙なものだった。


「なんだーッ!? あの細長いのは

 ボスかッ!? ボスなのかッ!?」


 細長いものを音で表すとしたら「ヒョロ~」だろう。


「おいーーッ!! なんなんだコイツはッ!!」


 またラピスが叫んでいる。

 細長いとはいえ、巨大な大木の中から出てきた物体のあまりのスケールに、ラピスはどうするべきか迷っている。


「知るかーッ!!!」


 それにルビーが逆ギレした様に大声で返した。


《誰が私の高貴な純血をそんなに欲しているのだ!》


 なんと細長い物体から声が聞こえた。


「んなッ!? モヤシが喋ったぞッ!?」

「うげッ! コイツ何か言ったぞ!!」

『喋りました!』


 細長い物体は少し宙に浮くと全身が光輝き、その頭上には巨大な光の輪が現れた。

 そして、細長い体からはしなやかな尻尾の様なものが何本も生え、その先端が怪しく光っている。


「さっきまでウドの大木だったくせに、やけに神々しいなッ!

 登場の台詞は受けだったけどッ!」


 そのうちに尻尾の先端がチロチロと光り、ラピスに向かって一筋の光を放った。

 ラピスの周辺に光の筋が現れ、次第に空間が歪み爆発が起こった。


「うわッ! 勇者さまが爆発したぞッ!?」

 激しい爆風により、辺りにあった人の形をした物体がドミノ倒しの様に転げた。

『しょうがないですね、とにかく焼いてみましょうか』

 その時、爆発の中心の煙が晴れ何か動くものが見えた。

「ふぅ、脅かしやがって」

 なんとラピスはそのままの状態で立っていた。

「おーッ! 勇者さまには効いてないぞッ!」

「おいっ!! 焼却する奴をくれっ!」

『いきます! 受け取ってくださいッ!』


 わたしは焼却する為の物をラピスに向かって投げた。

 わたしが投げた物、それは精霊魔法を核とした膨張後に核分裂を起こし、そのまま核融合にまで至る光の玉だ。


「なにぃぃぃーーーッ!?

 ちょっと待ったァァァァーーーーッ!!」


 そのラピスの声は届かない、わたし達はルビーの作ったグライダーで素早く飛び去っていたからだ。

 わたし達の乗ったグライダーは、ものの10秒程で街の外まで飛び出し尚飛行し続けた。


「どの位離れるんだ?」

『そうですね、街が小さく見える位までは離れましょう』


 街を振り返ると、街の中央部に真っ赤な玉が大きく膨張しているのが見えた。

 膨張した玉はやがて天井が割れる様に崩れて大爆発を起こた。

 その光は闇夜を真昼の様に照らし、そして天を焦がした。

 わたし達は、街から遠く離れた小高い丘の上でそれを眺めていた。


「ウッハァーーッ!

 久々に見たけどスゲェよなッ!」

『これが今わたしの使える最強の攻撃魔法です』

「でもさ、流石に勇者さまもこれじゃ生きちゃいないと思うぞ?

 儚い恋だったよな、きっともう永遠に春はこないだろうな」

『さぁ? それはどうでしょう』


 空を焦がす程の炎は、次第に小さくなって行き闇がまた訪れた。


放射能はナシという方向でお願いします(=ご都合主義)。

※すみません、分裂と融合を逆に書いていた様なので直しました

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