8.魔王国(7) 錬金精霊の里 呪玉の秘密(5)
出来上がった新型呪玉を念珠さんに見せた。
即決採用だった。錬金精霊の技術で充分加工可能であるとの事である。
レシピ使用料として一定の金額を商業ギルドの口座に振り込んでくれるそうだ。また資産が増えてしまうが、魔導具屋の設立で結構金がいるので大丈夫だろう。
ドラゴンズ・ロイの魔道具屋でもこの疑似精霊石と魔石キャパシターを基本としたものにしたいなぁ。
やはり、他の工房との差別化は必要だ。
逆に疑似精霊石の技術使用料を念珠さんに振り込むことにした。ちゃんと後継者を育ててねって言ったら、お前だと言われた。それじゃまた資産が増えてしまう。
ムーンストーンは今のところこの錬金精霊の里でしか発見されていないようだ。だからここに住んでいるそうだ。
少しもらって行こう。
そしたらなんとキングが
「あっそれ 月でみたことあるよ」
えっ、以前月に行ってみたけど何にも無かったので帰ってきた話は聞いたが、その時か。
ムーンストーンだからね、月にあってもおかしくない。そうか、神様は起源を知っているので、鑑定などで見た時にムーンストーンって名前が出てくるのか。でも月には龍脈無さそうだよね。
ナビくん教えて
ーー月にもかつては龍脈がありました。そもそも、龍脈自体ムーンストーンが起こしているのです。この星の核はムーンストーンで出来ています。大体の星が形成される時に自然にこの龍脈システムが出来上がるのですが、自然にできるため、出来の良し悪しで持続時間が異なります。この星はあと数億年持ちますが、月は既に枯渇した状態になっています。ですから月のムーンストーンを採取しても問題ありません。この地で採取されるムーンストーンは星が形成される時に出来た残りがたまたま地表付近に溜まっていたものです。
なんか、科学者が聞いたら怒りそうな凄い秘密をあっさりと話してくれるんだね。ナビくんすごい。
ーーナビですから。
そうですか。じゃあムーンストーンは月で採取しよう。母艦を改造しないと。
飛行戦艦を宇宙戦艦にしよう。シールドがない状態でも耐えられる様にして。戦力もアップしないと宇宙怪獣とか侵略者が来たら撃退しないといけないし。
改造点が多すぎるので新しく作った方が速いかな。
魔石は、一度粉にするので、廃棄処分された魔石やゴミ魔石を再利用して精製すれば材料費はほぼ0、だが回収する費用も必要だからそんなに儲からないか。
リサイクルショップを開業してゴミ漁りに低級冒険者を雇っても良いな。収入が増えれば生活が安定して経済活動が活発になる、良いことだ。帰ったら商業ギルドへ直行だ。