55.来訪者(11)
その後、この星の技術レベルを見てもらった。
電車の技術はあるらしい。
母艦と宇宙戦艦の説明になると食い入るように見つめて質問の嵐を浴びる事になった。
ドラゴンサットとドラゴンビューも興味を示した。
彼らの世界には、コンピューターと映像技術がある様だ。欲しい。
技術レベルは此方よりもかなり進んでいる様だ、星を渡れる技術があるんだから当然だ。
こちらで出来ないか聞いたら、時間はかかるが出来るそうだ、素材を探すのは手伝える。
食べ物も違和感は無いらしいが、種類はこちらの方が豊富らしい。向こうにしか無い食べ物は無いらしい。
技術レベルは此方よりもかなり進んでいる様だ、星を渡れる技術があるんだから当然だ。
これらの技術は主に地球からの召喚者によってもたらされたものが多いらしい。
予想通り5000年前に亜人はこの惑星に置いてけぼりだった様でアルファ4には居ないらしい。
家畜などと食料で一杯で、人種も数百人だったらしい。
よく生き延びられたものだ。感心する。
ただ、やりすぎた結果こうして人口爆発を招き、侵略行為にまで発展してしまった。
彼らに事の顛末を教えた
5000年前、我々は同一種族だった、科学が進み、自然が崩壊寸前になり、邪神(邪な奴らを戒める神)として憤怒し地上世界を破壊した。人々は地下世界に逃げたり地上で隠れ住んだりした、そして宇宙へ逃避する者も、それが君たちの祖先だ。みなそれぞれの世界で逞しく生き延びてきた。
だが、地下世界へ逃げたものと、宇宙へ逃げたものどちらも亜人族を連れて行かなかった様だ。おそらく差別していたのだろう。死滅しただけとは考えられない。地下世界では歴史にも残っていなかった。
アルファ4でもそうだろ。
そごて、絶対に忘れないで欲しい。科学は人のためだけじゃない、亜人だって、動物だって、自然と精霊・妖精の全てのもののためにあるべきだと、これをわきまえない科学者達が5000年前の悲劇の引き金となった事を。
そして現在アルファ4もその道をたどってしまったという事を。彼らは邪神の怒りさえももらえないまま、自滅するかもしれないがな。
だから科学者として重要なのは技術を伝えるだけでなく、この精神「世界は自分たちだけではない事」を伝える方が大事だと言うことを。
必ずこの原点に立ち戻って考えて欲しい。
「マスター・ロイはその理念で動いているのですね」
「いや、俺は科学者じゃないし、それに全部俺の仲間だし、共存共栄は当たり前さ」
「自己中?」
「いや、違う、仲間中だよ」
台無しだった、でも結果は同じ。
ーーーー
「ここでは、龍脈、魔力、電気、どの形でも利用出来始めている。
これらの技術を習得した上で、コンピューターと映像機器を開発して欲しい。
これが君たちのファーストミッションだ、知りたいことがあれば聞いてくれ、こちらでも調査する。
おれは科学者じゃないけどこれらのものを開発してきた、お前たちにも出来る。
頑張ってくれ」
「「「おーー」」」
何のノリかは知らないが一致団結したようだ。




