53.来訪者(9)
さて、次は捕縛した技術者だな。まず本人の意思を確認しよう。
3人を呼んだ
「ここはどこだ」「開放して」「この拘束具は面白いですねぇ」
反応はまちまち。
「さて強盗団の技術者の皆さん、ちょっと確認したいことがありますので協力願います」
「なぜだ」「開放して」「魔法がかけられていますねぇ」
「「「強盗じゃない」」」
「他人の星に来て侵略して移住って、こちらでは盗賊行為とみなされるんですよ。
あなた達の星では、これは良いことなですか?」
「「「私達はいいの」」」
「じゃあ俺もあなた達の星を侵略しようかな、みんな奴隷奴隷に出来るな」
「「「良いわけ無いでしょ」」」
「あなた達は技術者・科学者ですよね。
理論的に物事を考えられるはずです。
理論的に考えておかしいと思いませんか」
「「「生き延びる権利がある」」」
「我々にもね」
「「「...」」」
「あなた達は、われわれにとっては単なる犯罪者で受刑者です」
「「「本国への送還を希望します」」」
「残念ながら国交がないので、無理ですね。あなた達は、侵略ではなく、友好使節団を送るべきだったんだよ」
「「「私達はどうすれば?」」」
「あなた達の処遇は俺に一任されています。
選択肢はあります。
・他の受刑者と同じく犯罪者として服役、刑期満了しても本国の引き取り手がないので送還できず
不法滞在で再逮捕が永久に続く。つまり一生刑務所ぐらし。
何も考えなくていいから楽かもしれませんね。
・俺の協力者として、働く。自由はないが研究も出来るし衣食住に不自由はない。
もちろん知識・技術は伝えてもらうし成果は出してもらう。
どちらか、または別に提案があれば検討はします。
」
「本国に送還するのは出来ないんですか?」
「無理だ、犯罪者を釈放する理由が欠片もない。あなた達には何の権利も無い、俺が与えた権利だけだ」
「横暴ね」
「侵略者なんていう横暴な犯罪者に言われたくは無いな」
「どちらも拒否したら?」
「さあどうするかは決めてないが、実験材料とかに出来れば良いんだけど...」
「「「協力して働かせいただきます。なんなりとお申し付け下さいマスター・ロイ!」」」
変わり身が早いなぁ。もう少しいじめようと思ったのに。じゃなかった、自己中な性格を自覚させたかったんだけど。まあ、働いてくれるならゆるしてやろう。
ではまず、俺の手下になってもらう
「ティム」「ティム」「ティム」
3連続ティム
せっかくだ、新たな名付けをして心機一転頑張ってもらおう。
「ウノ」「ドス」「トレス」
女性、男性、男性 だ
「「「えっ、私達ティムされたんですか? 了承もしていないのに」」」
「我々の星ではテイマーは動物だけが対象だった、しかも行為がなければ成立しなかった
これではまるで隷属化...」
「こちらでもそうですよ、俺のティムが特殊なだけだ
3人とも、我が辺境伯の一員として認めよう。
この星での人権と同等の人権は認めるから安心しろ」
「辺境伯って?」
「帝国で亜人を纏める辺境伯を拝命している。将軍でもある」
「亜人って?」
「そうだな、まずこちらの世界を知ってもらう事からかな」