50.来訪者(6)
とりあえず、チャイ大陸では対処完了だ、ジャパンゲア大陸はまだ調査中。
小型艇3機で向かったらしい。
まずは、報告だ。
「報告に参りました」
「おう、もう終わったのか?」
「はい、強盗犯を捕らえました」
「確かに、強盗犯といえばそうだな、我が家に押し入った強盗犯だな」
「はい、ジャパンゲア大陸に向かった者を除いて全員捕縛しました。艦隊は没収しました。
私のおもちゃです」
「わかった、やりたいようにやるって話だからな」
「捕縛した者の事情聴取はしますが、そのあとどうしましょう、技術者が居たら欲しいですが」
「指揮官だけ引き渡してくれ、あとは刑務所村で良いだろ」
「分かりました、事情聴取後に報告書とともに引き渡します」
艦隊司令官はどいつかな。徽章でわかるかな。ブリッジに居た星の多いやつとか。
こいつかな、
もちろん衣服装備を引っ剥がして、隠し武器とか、自殺用の毒とか、自爆爆弾とかは全てチェックして押収した。そしてもちろん縄で縛り、魔法が使えなくなる拘束具を付ける。
そして、『聞かれたことに正直に答えたくなっちゃう呪』を発動する。便利。
「お前が指揮官か?」
「そうだ、お前は誰だ?」
「お前には質問する権利は無いが答えてやる、俺はロイ将軍だ、我が家に押し込んだ強盗のお前たちを捕らえた者だ」
「強盗だと! お前たちを征服に来たのだ」
「どうやって?」
「艦隊を以て...」
「どこにある?」
「どこへやった、ここはどこだ」
「教えてやる、艦隊は俺の『おもちゃ箱』、ここは『尋問室』だ」
「俺は指揮官だぞ」
「さっき聞いた」
「こんな事をしてただで済むと思うな」
「負け犬の遠吠え?その格好でよく言えるね」
「我々が戻らなければ、大艦隊が来る」
「本当か?」
「嘘だ、我々が最大戦力だ、んっ?なんで本当の事を行ってしまうのだ?」
「さて、お前の星に関して知っていることを全て話してもらおう」
「嫌だ」
「お前の星の国の構成は?」
「新天地国の一国だ」
「人口は?」
「人口は約30億人」
「最終兵器とは?」
「自爆だ、半径50キロメートルは破壊される」
「動力は?」
「魔力炉だ」
「魔力で飛んでいるのか」
「そうだ」
面白そう
「技術者は乗船していたか?」
「そこの3名だ」
よしっ、技術者確保。
「お前たちは、元ここの大陸出身だと言っていたそうだな」
「ああ、この星が滅ぼさける時、みな色々な所に逃げた、我々は技術力が高く他の惑星を目指した。当時その惑星は不毛の地だったが、我々がテラフォーミングを行い住める星に変えていった。そして30億人にもなったが、資源の供給が需要に追いつかなくなったので、元の星に戻ろうとしたんだ」
「そして、この星も再び破滅へと導こうとしているのか?」
「そんなことは思っていない」
「思っていないだけでそうなる」
「なぜ言いそう切れる」
「その言葉はそっくりお返ししよう 、ではなぜ大丈夫だと言い張れるのだ?」
「そっそれは、次の世代が考える事だ」
「問題の先送りの言い間違いだろ、無責任なやつめ」
「じゃあどうすれば良いと言うのだ」
「そうやって他人に責任を擦り付けようとする。最低なやつだな」
「俺をばかにするのか!」
「バカなんだよな、よく考え直してみろ、時間はたっぷりあるさ」
「時間は無いぞ、軍隊と移民船団が来るはずだ」
「さっき今回が最大戦力って言ってただろ」
「そうさ、でも数は別だ、大編隊で来るぞ」
「いつ頃、こちらの回答待ちだから回答があればすぐだが、連絡が行かないだろうから半年後に出発かな」
「移動時間は?」
「出発時期によるが、今なら半年ぐらいか」
「猶予は1年か」
「そうだな、頑張る事だな、はっはっは、お前たちの科学力では太刀打ちできまい」
「大丈夫だよ、今回だって大丈夫だったよ」
「どうやってこんな事が」
「それは教えてあげない、教えても意味ないからね。
これだけは言っておこう、
我が家に来た強盗は容赦なく撃退する
とな」
嘘だけどね。




