49.来訪者(5)
念の為に、帝都内は警戒態勢を維持したまま
あとは直接砲撃に備えればよいよね。
シールドを多重展開してと。
更に、敵艦隊の周りに内側反射シールドを多重展開した。
来訪者の先遣隊は別の所に潜んでいたのか、急に現れたが、帝都のシールドに捕らえられた。
必死になって離脱した様だが、今度は歩いてきた。
銃を持っている。
ふん、それがどうした。
ドさぁ~
落とし穴だ、まいったか。
穴の底で気絶していたので、衣類装備品全て取り上げて、『尋問室』に放り込んだ。
自殺や、自爆する物が無いか徹底的に調べておいた。どうやら自殺用の毒しか無い様だ。
もちろん摘出。
手足を縛り魔法が使えなくなる拘束具を付け目を覚まさせた。
手間は掛けない、『聞かれたことに正直に答えたくなっちゃう』呪玉を発動する。
「おい、何しに来た?」
とりあえず、答えの分かっている内容から聞き出す。
「ちょっと脅して侵略しちゃおうかなって、そして増えた人口がじゃまなので、ここに連れてきちゃおうかなって思ってきました。」
正直に答えられても腹が立つのはなぜだろう。
「戦力は?」
「艦隊です。戦艦1、巡洋艦5、小型艇30機、クルーは450人です。すごいでしょう」
「どこから来た?」
「近くの惑星のマーズって星です。人がもう数億人も居て、太陽から離れているので寒くって食料も多く採れなくて大変なんですよ。ほんと、ここは豊かそうでいいなぁって」
「砲弾以外の武器は?」
「弓と拳銃ですかね。最終兵器があるとか言ってましたけど俺達下っ端は詳しく知りません」
「使えんな」
「そんなぁ、一生懸命正直に答えましたよ、ほんとうは喋っちゃいけないんですけど、なんか話したくなっちゃって、大変」
「最終兵器以外はこちらの想定内、調査した範囲内だ」
「そう言えば、現地潜入調査工作員との連絡がとだえちゃって、困っているですよぅ、知りません?」
「捕らえた。お前が戻らないと、次はどうなる?」
「艦砲射撃ですかねぇ、多分」
「捕虜とかは居るか?」
「艦隊には居ないですよー、拠点にしている所に住んでいた人は閉じ込めていますけど」
「場所は、東に5キロほど行った海岸近くの別荘みたいなところ、見張りが2人居ます」
「分かった、工作員の所に連れて行ってやる」
「ありがとぅ、優しいね、拷問されるか思ってびびって損しちゃったぁ」
『隔離』に放り込んだ。
「オブシディアン、見張りの捕縛、人質の開放をして来てくれ。」
「ラジャー」
そう、完膚なきまでに叩き潰す。精神的に。
方法は2つ、「何も出来ないまま敗退する」、か、「すべてやったのに何の効果もない」
交渉は一切しない。交渉と言うのは既に同じ土俵に乗ってしまっている。それだけで負けだ。
交渉とは、勝利した後に条件を突きつけるためのものだ。
どちらにしようかな。
前者にしよう、
戦艦の出来には興味があるので壊すのはやめておこう、そうなるとまず邪魔な乗務員を排除しなければならないだろう。敵艦隊の内部で『眠くなる呪い』を発動させる。
呪なので、船体構造には関係ない、密閉していても無意味だ。
しばらくするとイビキが流れ始めた。
空母で艦隊に向かい、全員を捕縛、『隔離』に放り込む、艦隊はそのままマイワールド『押収品』を作り、放り込む。
うん、完璧だ。
義父殿終わったよー。強盗犯捕まえた。




