46.来訪者(2)
皇帝の執務室に向かう。
追い越していたことにびっくりしていたが、ロイだからな、と流された。
「何か分かったのか?」
「はい、イーストチャイ沖東10kmに敵艦隊を発見しました。現在他にも居ないか調査中です」
「ドラゴンサットか?」
「はい」
皇帝にもドラゴンサットの初期バージョンを渡しているので見られるはずだ。
「なるほど、こんな所に居たのか、これは便利だな」
「他にも居ないか調査を続行しています。
敵調査員に関しては商会ネットワークを通じて現在調査中です。
帝都の上空を封鎖したいのですがよろしいでしょうか」
フォーズンはまだ来ていないだろうが、商会には通信機を渡しているので、調査は始まっているだろう。
そうだ、刑務所村にも連絡を入れておこう。不審人物として捕らえられているかもしれない。
「帝都上空に飛行禁止例を出す。ワイバーン便などは城壁の外だから影響ないだろう。支障があるのは伝書鳩とかだな」
「既に帝都に侵入している者も居ると思われるので、安心は出来ません
おそらくは爆破テロ・放火テロとかが考えられます。
来訪日前後には戒厳令を
それと、消防体制を見直して下さい
おそらく同時多発的に行われると思います。帝都の城壁内の警備体制を整えて下さい。
あと、皇帝を捕らえるのが手っ取り早いと考えるはずです。初めて来た時にお渡ししたシェルターの準備を。それから城に最近雇用した者を城外へ出して下さい。
帝都民が人質になる可能性も高いです。第1師団を城周りに、残りは各区画の詰め所に分散して配備を
水源を確保される可能性が高いです。食料と水の備蓄とインフラ周りの警備を強化。
水源を絶ったうえで火事を起こし消耗させるはずです。
非常時には、商会の水源パイプラインを開放します。
家族を人質にとられた内部関係者がいる可能性もあります。
皇族・貴族・官僚の家庭訪問を複数機関を使って実施、問題ないことを確認して下さい。
敵艦隊の撃破は、人質が居た場合問題が置きますので、調査後に考えます。
イーストチャイにも同様の指示をお願いします。
」
宰相が必死になってメモしていた。
「お前、よくそこまで気が回るなぁ、経験あるのか?」
「あるわけ無いです。元は庶民ですよ、単なるラノベ知識です」
「?」
「物語の知識です」
「なるほど、そんなにためになる物語なら読んでみたいな」
敵の艦隊を見た時に思ったんだよ、日本の戦艦に似てるってね。これおそらく勇者召喚で得た知識使っているよねこれ。ラノベ知識で対応できるかわからないけど、できるだけやってみよう。
商会内も非常体制を整えようパイプラインの警備も強化、最近雇った者は外回りへまわす。
従業員全員の家庭訪問を実施。
を指示した。
獣人国にも協力を頼もう。戦力にならない者を借りるなら問題ないだろう、臨時雇用してインフラの警備をお願いしよう。
おそらく敵に獣人は居ない、地下世界でもそうだったが、地表から逃げ出したのは人族のみだ。




