44.辺境伯城完成(4) 帝国会議
お披露目パーティも無事終わり、翌日は予定通り帝国会議となった。
帝国会議と言っても、挨拶程度だと思っていたけど、
「辺境伯ロイ殿、こちらへ」
呼ばれてしまった。何か悪い事したかなぁ?
「辺境伯ロイ殿、本日を以って将軍を拝命する。辺境伯と兼任とする」
「えっ? えーと、はい、承りました」
否定しちゃいけないんだよな
「そして、昨今の活躍を賞して帝国栄誉賞を授与する」
これも否定しちゃいけないんだよな
「えっ? えーと、はい、ありがたく」
なんかよくわからないけど、将軍になって栄誉賞もらえる?
特別なことしたかなぁ?
「何を腑抜た顔をしておる、昨今の働きを見れば当然のことじゃ」
「突然なもので」
「サプライズじゃからな」
「副賞として、アルガを嫁に..」
「それは、本人の...」
「本人の希望でもある」
「俺には既に二人の妻が」
「3人目で良い」
「ははぁー?」
これは断れないパターンか。まあ予想はしていたけど。いいか。
副賞って物じゃないし。
「はい」
仕方ない。
「それと、会議の後、相談したいことがある」
「では、第1会議室で」
スタッフが準備に走った。
その後、各領の現状報告などがされた。が案件は特になかった。
ーーーーー
会議は終わり、第1会議室に向かった。
その他打ち合わせが必要な領主とかは会議室を借りて個別に話し合いをしているようだ。そうでないものは帰っていった。
「ロイ将軍」
「まだ慣れないですね」
「はっはは、今は婿殿で良いか」
「誂うのはやめて下さい、それで、用件はなんでしょう」
「実は、非公開の案件があって、相談したいのだ」
「では、アイス以外は外で待機してくれ
人払いはしたけど、重要な案件ですか?」
今室内には、皇帝とアルガと俺とアイスの四人だけだ。
「実は将軍を拝命したのにも意味がある」
「そうでしょうね。いきなりですからね」
「先日来訪者があって、元大陸の支配者の子孫と名乗りおって、軍門に降れといって城の一部を破壊していったのだ」
「横暴ですね」
「被害は大したことは無いが、かなりの戦力を持っていると思われる」
「それで俺に関われ、という事ですね」
「戦力を考えるとロイ殿に関わってもらうのが一番良いと思ってな」
「判断は正しいですが、他の貴族たちは反対したのでは?」
「半分はな、主に帝国経済に関わる者は賛成で、役に立たん官僚と悪徳貴族は反対だったな
皇帝及び宰相、軍部、経済省の有力者が推したことで決定した」
「なんですか、悪徳貴族って?」
「お前に手先の強盗団を潰された貴族や、ローリン商会に収入源である手先のアコギな商人を潰された貴族の事じゃ」
「俺、恨まれているんですね。真面目にやってきただけなのに」
「だからこそ味方も多いんじゃ」
「分かりました。それで、他に情報は有りませんか?」
「ざっと纏めると
・言葉は近いが少し異なる部分もある
・見た感じは同じ種族の様だ、少し小柄ではあるかな
・空を飛ぶ船で突然やってきた、船の大きさは全長20m程度で大きくは無い。
・遠くから来たと言っていた。星の外?らしい
・武器は大砲のようで小屋を一つ木っ端微塵にした様だ。もっと強力な武器を持っていると言っていた
・先遣隊のようで、本隊は不在の様だ
この程度しかわからん
1ヶ月後にまた来ると言っていたのであと2周間ほどか」
「で、俺は何をすれば良いのかな、
調査するのか?、撃退するのか?、好条件を引き出す? とか、相手を滅ぼすとか」
「物騒じゃな」
「いや、そいつ等の方が物騒でしょ、いきなり来て軍門に降れとか、ふざけてますよね」
「では、一週間程度で敵の事をできるだけ調べてもらえんか、それから対応を考えよう」
「了解しました。それでは、こちらもお願いしたいことがあります。
まず、敵はいきなり来たと言いますが、おそらく調査員を送り込んでいるはずです。
そいつを捕らえて下さい」
「どうやって?」
「とりあえず、聞き込みですね。最近変わったやつを見かけなかったかとか、おそらくこちらの情報を得るために色々な店舗に聞き取りに来ているはずです。
そうですね、来訪から1ヶ月前ぐらいからでしょうかね
こちらのネットワークでも調べてみます。
アイス、ジャパンゲア大陸側にも連絡して情報を得てくれ」
「ラジャー」
「そういうノリが必要なんでしょうか?」
アルガが困惑している。
「アイスの趣味だ、俺が教えたんだけどね。戦闘のときは同じノリが良いと思うよ」
「らじゃぁ〜」
「おお、それと第3師団をロイ将軍の下に付ける、自由に使ってくれ」
第3師団ってジャパンゲア大陸侵略戦争が無くなり、要らなくなった部署だよね。
まあいいか。