40.メディの薬屋に弟子入り(7) 魔力注入
「メディ、薬の調合って魔力使うの?」
「なに言っているんですか、使うのは当たり前じゃないですか、魔力を注入しないと効果が余り出ないんですよ。
って言うか、ロイ様ひょっとして魔力注入して無かったって事は無いですよね」
「俺、魔力持ってないから」
「魔力注入無しであの出来ですかぁ〜、神ですかぁ〜」
そうです。と心のなかでささやく。
「じゃあ仕方ありませんね、こちらの魔道具は魔力注入補助機能がありますのでこれで調合してみて下さいー」
大量の薬を一人で錬成するのに魔力枯渇をしないように魔石から魔力を調整して注入出来るようになっている、ドラゴンズ・ロイ特製の練機だ。
さっそく黒龍丸を作ってみる。
出来上がった物をメディが鑑定した。
「整腸薬(特)毒消し(特)! ありえません、これは幻ですね。無かったことにしましょう」
忘れられてしまった。
ナビくんどうして?
ーーロイ様は魔力はありませんが、世界の理に直結しているので素材の100%の効果を引き出すことが出来ます。
そこに更に魔力に寄るブーストがかかり、効果が上がったと思われます。
魔力注入は効果を引き出すのではなく強化している形になります。
そして更に神力を込めたものが、以前お作りになったエリクサーの様な神薬となります。
俺何も知らないで作ってたんだ、恥ずかしい。
こんな薬作っても、俺にしか出来ないんじゃしょうがないね。仲間のピンチに使うぐらいか。
まあ、色々なものを魔力と神力を込めて作っておこうかな。
それから、色々なレシピを教えてもらい、手持ち薬をたくさん作った。全て効果は(特)だ。
しかも、(劣化なし)のオプションまで付いていた。
メディさんは、知らない私知ーーらないーよー。夢を見ているのね私、疲れているんだわー。
と現実逃避していたが
「メディ、少しあげるよ。必要な時に使ってね」
「やっぱり現実なのね。これは女神像にお供えしておこう」
メディは神薬と書いて封印した。これがあれば一生遊んで暮らせそうだ。
やっぱり一生ロイ様に付いていこう。彼は薬神に違いない。
薬師ギルドには内緒にしておこう、ロイ様を煩わせることは出来ない。
えっ、魔人国の魔法薬ギルドのゴールドランクですって、なんで魔力注入知らないのよぅ!
まあ魔法薬ギルドは薬師ギルドの上位組織だから彼には頭が上がらないだろうから知られても大丈夫よね。
メディは仕込み作業を続けていた。呆然としながらも、的確に仕込み作業を続けているようだ、流石プロの薬師は違うなぁと感心してしまった。
これ以上此処に居たら迷惑かけちゃうよね。そろそろ御暇しよう。
「今日はありがとう、また色々と教えてね、おやすみ」