38.メディの薬屋に弟子入り(5) 薬の新素材
他になにか作れないだろうか、そうだスペーステュナがあった、マグーロなら確か油にDHA・EPAとか脳に良い成分が含まれてたよね。血流も良くなるとか。
ナビくん、教えて
ーースペーステュナの油を精製してそのまま定量を長期間接種する事で脳の能力が維持されます。
が、薬と言うのは少し違います。健康サプリみたいなものですね。
これは丸薬に出来ないから、食用スライム製のカプセルの中に入れよう。
出来た。油を取ると肉が大量に余るな、肉は食材として使おう。食用スライムパックに入れておく。
「メディ、これはどうかな」
メディが鑑定をする
「栄養補助剤みたいですね。ボケ防止(中)血液循環改善(中)、ですね
これも貴族相手に売れそうです。栄養補助剤なので継続利用というところが良いですね。」
これも一度に渡しても劣化するだけなので、ひと樽だけ渡す。これは薬ではないので10万ゼニだった。
アルファ6に生息しているので再調達は可能だろう。まあこれも俺しか調達できない。
商品名は『健康維持薬』、そのままだ。
「ところでロイ様、こんなにぽんぽん新レシピを発表されると薬師としてはちょっと自信を失くしちゃったんですけどー」
「それは新しい素材を持っているから、というだけなんだけどね」
「今度、新素材探しの旅に連れて行って下さい、お願いです。私も新薬発表したいー」
「また機会があったら誘うよ」
スペースシャークは持ってこなかったけど何か出来るのかな?
ーーーーー
メディが素材鑑定してみると
「スペースオクトパスのスミ」「スペーステュナの油脂」と出てきた、なにこれ?どこに居るの?
まったく知らない素材だ
後日レシピが公開されるも、誰も素材名に心当たりがなかった。
冒険者ギルドに採取依頼も出されたが、受注者は居なかった、たまに偽物を持ち込む者も居たが、直ぐにお縄に掛かった。
メディの店にも問わわせが殺到したが、通りすがりの冒険者から大量購入したと言っておいてもらった。嘘ではない。
レシピを公開したのだから素材を市場に流出するように指導が出たので、瓶入りで販売している、一瓶約1リットル10万円だけど。これを製品にしたら僅かに儲けが出るはずなので法外な価格でもない。
主に薬学研究所の研究員が購入していったようだ。これを元に新たな新薬が出れば良いな。
薬価に定価は無いが、レシピ発表とともに参考価格が明示される。これが基準となって、取引がされるが、薬草の入手状況によって変化する。輸送手段が発達してくれば、地域差は無くなってくるだろうが、人里離れた場所では輸送費がかかるためどうしても価格が上がってしまう。でも、仕事が増えるから宅配業者はやらない。それに俺のマイワールドを使えば簡単に出来るが、そんなものを社会基盤にされても困る。人の手で再現できるものでないといけない気がする。




