37.メディの薬屋に弟子入り(4) 黒龍丸
薬師の弟子は諦めたが、一種類の薬を調合することは出来るだろう。
店の機材は使っているので、隣の魔道具屋で買った。自分の店だけど。
調合室の一部を借りて、薬を調合してみる事にする。
さて、何を作ろう、全く考えていなかった。
そう言えば、スペースオクトパスのダークマター(スミ)があったけど何かに使えないかな。
ナビくん、これなにかに役に立つの?
ーー毒性はありますが、そもそも薬は毒を有効に使う技術のことです。
呪い屋本舗が呪を有効に使うのと同じです。
胃薬草と合わせて丸薬にして適量使えば、胃薬草だけのときよりもよく効く胃腸薬になる様です。
そうか作ってみようかな。メディから胃薬草をもらい、乾燥粉砕しスペースオクトパスのスミを充分に混ぜて練って丸薬にしていく。
形を保つ程度に乾燥させる。
メディに鑑定してもらおう。
「なんですかぁ?これは、整腸薬(特)毒消し(中)ではないですかぁ!
整腸薬(優)毒消し(弱)までしかレシピは無かったはず、これは新薬かぁーー」
「特殊な材料を使っているので、まだたくさんありますが、再調達はちょっと難しいです」
なんせ宇宙で探さないといけないからね、あいつを捕まえておけばよかった。
「あるだけ下さい。結構貴族に需要があるんですよ。
食事会に誘われて色々珍しいものが出たりするんですが、
体に合わないものや、色々あるんですって。
絶対に売れます。」
とりあえず樽一つ渡した。まだ百樽分ぐらいあるので全部渡しても置く場所がないからね。
でかいからねあいつ、タコスミは少ししか取れないらしいが本のサイズがでかいので大量だ。
「100万ゼニでよろしいでしょうか?」
「いいよ」
まあ只でもらったからね、集めるのが手間だったけど。
開発者権限で『黒龍丸』という商品名にした。とはいえ最初「ブラックドラガン」って言ったらダメ出しくらったんだ。効きそうな名前でないといけないらしい。
レシピはメディにあげて、材料だけ売る事にした。俺以外材料持っている人は居ないからね。著作権の意味がない。それにどのみち薬が売れたら利益の一部は俺の懐に入るし。




