34.メディの薬屋に弟子入り(1) 弟子入り出来なかった
大分長いお休みを取った。と言ってもやっていることはあまり変わらないような気がする。仕事を持ち込むか持ち込まないかの差かな。この世界の発展のためになると思って頑張ってきたが、焦りすぎたのかもしれない。俺の謎能力に頼らないでも良い様に技術を身につけて欲しいという気持ちが強すぎた。
魔道具屋に行くと、みんなの視線を感じた、睨まれた。
「「「まだ、早すぎるーーー」」」
そうだな、事業内容が広いからちょっとやそっとで片付かないよね。
これからはゆる~い仕事にしよう。どの道魔導具屋と言えなくなってきたのなら、いっそのこと他の事業を趣味でやってみようかな。そうだ、次はメディに薬屋の弟子にしてもらおう、自分でやろうとするから変な方向に行ってしまうんだ、師匠のお手伝いなら大丈夫、変な方向にはいくまい。
メディさんの薬屋に行った。
「メディ! 弟子にして」
「オーナー、いきなりなんですか?」
「ちょっと違うことがやりたくて来ちゃった」
「あのですね、薬師の弟子は学園の薬師課程を卒業したものしかなれないんです」
「えっ?知らなかった、じゃあ先生と生徒なら?」
「なら大丈夫でしょうけど、エリクサーを作れる人に教えることなんて無いですよ
だって、費用さえ気にしなければそれだけでも良いんですからね」
「じゃあ知識として通常の薬の種類とか作り方とか知りたいな、オーナーとしてもそのぐらいの知識がないと恥ずかしいからね」
「わかりました。日中は結構忙しいので、仕込みの様子とかを見るなら、閉店後からですかね」
「あっ、そうだ、魔導具屋ドラゴンズ・ロイで作った薬師向けの道具ってどんな具合?
報告書では見たんだけど使いやすい?」
「はい、色々と意見を出して、改良してもらい、この店でも売っています。
撹拌機とかは大変喜ばれています。あれは結構体力使いますから。
それと粉砕機もとても良いです、細かくするのには結構時間と体力使いますからね。
薬師って結構力持ちが多いんですよ、学園でも体力づくりから始まりますし。体が弱くて薬師になれなかった優秀な者も居るので、業界全体からも良い評価を得ているんですよ。
あっ、そうだ、今度薬師ギルドから、魔導具屋ドラゴンズ・ロイとこの薬屋に功労賞をもらえるそうです。こんなのめったにない事なんですよ」
「役に立っていて良かった、
じゃあ、閉店頃にまた来るね、よろしく。」
弟子にはなれなかったけど、色々教えてくれるみたいだ。




