23. 魔導具屋ドラゴンズ・ロイ忙しい
魔導具屋ドラゴンズ・ロイを始めたのは良いが、なんかやることが増えすぎた。
工場を増設しなくてはならない、コア部分の制作と製品組み立てと部品製造。
その他に全体の管理部門、物資の調達部門と設計部門など必要だ。
魔人国は台地の様なところで、既に街が広がりきって工場を立てる余裕がない。
簡単な作業は一部「刑務所村」に外部委託している。更に工場を刑務所村に集めたので、働くものの住居、食事処なども集まり一つの街になってしまっている。既に辺境伯の飛び地となっている。
作業員は、セントラルチャイとイーストチャイの両方から調達できる。良い出稼ぎ場所になっていて喜ばれている。
飛行艇だけでも最初に最低限10台は必要だ。その後のメンテナンス用とか増便用とかで増えていく。
地下世界との行き来も使えるようにしたいが、まだ数人程度を運べるぐらいなので当面の間、貨物の運搬は黒龍便が続くだろう。
発電所、レール、送電システムの工場もある。まだまだ電車化は始まったばかり、敷設が終わっても次はメンテナンスに追われる事になるだろう。
バスも試用ではあるが都市間の移動手段になり始めている。飛行艇よりも遅いが多くの人を運ぶことが出来る。
そのうち金持ち用の自家用車も作らないといけなくなりそうだ。
電灯は食堂や街の街灯なども使われ始めている。ハンドライトも警備に採用されているし旅の必需品になっている。
他の魔道具屋も似たものを作り始めたが性能と規模は全く追い付いてこられない様だ。
やはり既に魔道具屋じゃなくなっている。創設メンバー達は怒っている。忙しすぎると。
そうだよね。
このまま続けると仕事が無限に増えていくと理解した周りの人間は、
「「「「ロイ様!休暇を取りなさい。」」」」
「「「「お願いだから休暇を取って遊んでて、しばらく来なくて良い、ちゃんと仕事しておくし、お金も振り込んどくから」」」」
君たちは知らないのか、休暇を取って旅先で地下世界を発見してしまって魔導具屋を初めて
こんなに仕事が増えたんだぞ。
商業ギルドの中では、ワーカーホリック・ロイという二つ名が通っているらしい。




