18.魔導具屋ドラゴンズ・ロイ
魔道具屋ドラゴンズ・ロイを開業できたが、まだまだ軌道に乗ったとは言えない。
ほぼ独占的な製品があるので心配はしていないが、まだ普及するには製品群が足らないし時間がかかる。
電灯とコンロだけでは心もとない。
『人工高密度魔石』、名前が長い、『積層蒸着魔石』、一文字減った。『積層魔石』、うん4文字。
内容は別にして文字数で判断しよう。次からは『積層魔石』と呼ぼう。
まだ充電池は出来ていないが代わりに小型発電機は出来た。
コンロは電気コンロが効率が良さそうだ。
電灯は、電球を使っているが懐中電灯は出来るかな。
LEDは作れるかな?結晶化技術はあるので半導体は作れるだろう。素材を探すのが大変そうだ。課題だな。
ミスリルに魔力を通したら光らないかなぁ。
あれぇ、よく見ると呪玉使うときって光るよねぇ。小型発電機では魔石部分が光っている。
積層魔石を作る時魔石層と魔石層の間にミスリル層を挟んでいる。ミスリル層が光っているかも。
そこで、魔石層1層とミスリル層1層だけの物を作ってみた。
そこに積層魔石から魔力を流してみるとミスリル層面が発光していた。魔力量によって明るさが変わった。魔力量を多くしていくと、実用レベルまで明るくなったが、ぽんっと割れた。
空気に面している部分が多く層が薄いのが原因のようだ、積層魔石ではミスリル層は魔石層に覆われているので問題ないのだろう。熱は発生していなかった。
そこでミスリル層の上に透明な層、とりあえずスライム液で覆ってみた。
そして、再度魔力量を上げていっても、先程の様に壊れる事は無かった。ある程度明るくなるといくら魔力を上げてもそれ以上明るくはならず発熱しだした。安全かつ明るい限界と光らなくなる限界とを見極めて、ミスリルプレート段階的に魔力流量を設定できる様にプログラミングした。
スライム万能説がラノベではよくあるので試してみたら、その通りだった。
別の素材でも試したが、耐久性、透明度共にスライムがベストだった。
こうして製品群に、懐中電灯、いや電気じゃないから 懐中魔灯? ハンドライト? ライ灯? 魔石灯?
なんて呼ぼう。
とにかく新製品が出来上がった。普通にハンドライトにしよう。
どうだ、自由研究部門の実力は。
一般魔道具部門に製品の量産化に向けてデザイン、スクリーニング、シェイプアップをお願いした。
開発と製品化は違うしね。
自社工場を建てて製造部門を作ろう。これも彼らにお願いした。その方がやりやすいだろう。需要はかなりあると思われるし独占市場だ。他社の参入は当面難しいだろう。おそらく出来ても採算が合わない可能性が高い。こちらは初期投資がほぼ0だからね。まあ少量であれば作るのは作れるだろうけど。
発電事業と、送電事業、充電サービスステーションなどが必要になってくるが、それは魔道具屋の仕事ではないな。
これは、フォーランに頼むか、ローラン商会はもう設立されてたんだっけ? そちらに任せよう。
それらに使う設備の受注だけ受けよう。
余り手広くするとまた資産が増えて指導をくらう。投資に回したら当然なんだけど。投資に回しちゃ駄目なのかな?
慈善事業? やってるし、女神教を通して孤児院とかも運営している。
領地運営に鉄道事業もやってる
そうか、屋敷とかは自前だし、自分にお金を使っていないのがいけないのか。
辺境伯とかやっているけど、拠点無いし。魔人国の近くに作ろうかな。