16.人工精霊石の実験
材料は揃った。
クズ魔石や割れた魔石の加工から始めよう
まず綺麗に洗浄して、粉々に粉砕する。
ここまでは簡単に機械化できる
次は高温高圧で溶かして棒状に固める、棒を立てにしてゆっくり固めると不純物が上と下にたまる。その部分をとり除く。
次にまた溶かして、核となる魔石を表面に触れさせ、ゆっくりと引き上げながら固めていく。
次に高温のリングを作り魔石の棒を片側から一方向にゆっくり通し、溶かしつつ固めていく。それを鑑定結果が純度99%以上になるまで繰り返す。
これで、魔石の精製が完了だ。
ここからが新たな実験。
今回は蒸着させてみる。
ライディが雷魔法が使えるので手伝ってもらう。
真空のチェンバーに薄く加工した魔石を置く、雷魔法を極細制御で蒸着する素材を雷で蒸発させ薄く加工した魔石の上に蒸着していく、ある程度の厚さになったら、別の物質(これを探す)を同様に蒸発させる。
これを気が遠くなるほど続ける。ライディごめん。
頑張って(ライディが)1ミリまで蒸着した。千回繰り返した。別の物質は今回精製した石英を使ってみた。
そして、魔力の蓄積量を比較していくといった実験を繰り返した。ライディ大活躍。
試作・量産するときはちゃんとした設備をつくらないとライディが何人も要る。
どうやら、魔石の表面に多くの魔力が留まる様だ、通常の魔石の場合、重さに比例して魔力の蓄積量が上がらない事は知られていた。内部にも蓄積されるが表面の方が多いみたいだ。
今回は蒸着により面積は増えている。そしてその間に入れるのは数種類試したがやはりミスリルの層が良いみたいだ。
こうして実験を繰り返し、魔力蓄積容量を約千倍まで上げる事ができた。
ムーンストーンは単純に純度と均一性を99%まで上げた。同じ能力を0.5ミリ厚で実現出来た。
流れの調整方法はまだ検討途中だ。現状では純度の低いムーンストーンを使っているが、別の方法がありそうだ。
結果として、動力部分が2ミリ程度の厚さで1000倍の記憶容量が実現できた。呪玉としては四分の一程度になった。もっと小型化を思っていたが、あまり小さくても使いにくい。
まずは、S級の呪玉をたくさん作って練習だ。
とりあえず100個ほど作った。
だいぶ慣れてきた。出来たものは、錬金精霊の里に納品しよう。