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第37話(累計 第84話) 都内攻防戦 その5:敵陣へ強襲準備。僕らはまだ負けていない!

「ユウマくん、助かったよ! でも、どうやって輸送船とかを準備出来たの?」


「それこそ、(それがし)の人徳のなせるわざ……。ごめん、嘘でござる。海上保安庁、輸送船の方々。その他大勢の皆様がたのご厚意の元でござるよ」


 ……輸送船の船員さんが苦笑いしてるよ。多分、かなり無理したんだろうね。タダ働きだけじゃなくて、命の危険もあるんだし。


 テロリスト達に囲まれ、風前の灯火だった僕とアーシャちゃん。

 そのピンチを救ったのは、パワードスーツで飛び込んできたリナさんとダニエルお兄さん。

 アッと言う間に、テロリスト共を無力化してくれた。


 ……殺すのは後々問題になりそうだから、手加減モード。接着トリもち弾グレネードでテロリスト共の手足固めて、そのまま放置。後はユウマくん達と一緒に来てくれていた海上保安官の人たちに任せたんだ。


「とにかく無事でよかった、マモル、アリサくん」


「父さん、いや係長も無事で良かったです。あれ? リナさんのとこは、皆さんご一緒に来ちゃったのですか?」


 ……ソフィアさんやリナさんのお父さん達も、一緒に船に乗っているんだ。


 僕とアーシャちゃんは、海上保安庁の小型巡視艇に警護されたRO-RO(車両甲板)型輸送船に無事回収され、そこで父さん達と合流できた。

 そしてトレーラーごとパワードスーツを積み込んだ輸送船で荒川を下り一路、東京湾を目指している。


 ……埼玉県和光市新倉にある過去使われていた桟橋まで輸送トレーラーで戦闘しながら輸送。そこから海上保安庁と協力して輸送船にパワードスーツなど武器をを移し替え。後は荒川を移動してきたんだって。川を船で移動ってのは、現代じゃ誰も予想しないよね。


「ああ、奴らは家族にも手を出しかねないからな。実際、事務所や母さんのとこには敵が来てたし。あ! 母さんとこは、お義父さん達が護衛に来てたから全員返り討ち。関節外して達磨状態で道路に放置。今は警察署に逃げている。ウチの事務所もユウマの防犯システムで、敵を捕縛して地元警察に渡し済みさ」


「それは良かった。じゃあ、母さんのところもユウマくんが連絡付けたんだね?」


「そうでござる。敵が我らのネットや無線会話を傍受しているのは、最初から折り込み済み。個人情報もバレているであろうから、逆に敵を罠へ嵌めた形でござるよ」


 僕は自分や仲間達の家族が安全なのを知り、一安心をした。


 ……流石はユウマくんだね。あれ? それなら僕らが襲われるのも想定内だったの?


「ユウマくん。じゃあ、わたし達が待ち合わせ場所で襲われるのも想定内だったのよね。もしかして敵が出てくるのを待ってたの?」


「ま、まあ。その通りでござる。敵、ミハイルはアリサ殿の身柄確保が最優先。なら、いきなり撃ち殺される危険性は低いと思ってたでござるよ。でも、危険に晒したのは事実でござる。申し訳ない」


 アーシャちゃんのジト目指摘に耐え切れなくなったユウマくん。

 真実を話して真剣に謝った。


「まあいいわ。敵の各個撃破になっているし、リナちゃんの訓練代わりのもなっているものね。リナちゃん、すっごく強くなったのね」


 ……まあ実際助かったし、敵を撃破しつつも生かして確保。今のところはベストに近いよね。アーシャちゃんも本気でユウマくんに怒ってたわけじゃないし。


「まだまだマモルはんどころか、アーシャはんにも勝てないんやけどなぁ。でも、お二人のピンチを救えたんは良かったわ。ウチ、もっと強くなるでぇ」


「皆、リーちゃんをあまり褒めんでくれよ。直ぐに調子に乗るから、俺は心配なんだぞ?」


 アーシャちゃんとリナさんがイチャイチャ百合な雰囲気をしているのを、困った顔で見るダニエルお兄さん。

 彼もM3に騎乗し、僕らを助けてくれた。


少尉(ダニエル)。助けて頂き、ありがとうございました。しかし、良いんですか? 在日米軍は動いていないんですよね? 少尉がうかつに動くと国際問題にならないんですか?」


「そこは、わたしがなんとかするわ。『たまたま』非番の際に従妹に会いに来た米陸軍少尉が、『偶然』そこにあったパワードスーツに乗って従妹を救った。それ以上でもそれ以下でも無いし、米軍技術大尉からの『依頼』もあったという形にしておくの。娘と甥っ子を守るくらいは、大人の役目よ?」


「とまあ、ソフィア伯母さんが言うんだからな。それにマモルらには大きな借りがある。それを返せてリーちゃんを助けられて世界平和になるなら、俺が戦う理由には十分さ」


「……はい。では少尉、宜しくお願い致します!」


 少し恥ずかしそうにしつつも、僕に握手して共に戦うと言ってくれるダニエルさん。

 僕は精一杯の感謝をした。


 そして心強い仲間を加え、僕らは敵本陣。

 東京湾中央防波堤外側埋立地にある「ネオバビロンシティ」へ向かう。


「追加情報でござるが、中央防波堤外側埋立地に侵入した警察・自衛隊混成部隊は連絡途絶。更に、東京ゲートブリッジ、海の森大橋、中防大橋は攻撃ヘリの爆撃で通行止め。東京港臨海道路地下トンネル以外の埋め立て地への移動ルートは閉鎖されたでござる」


「それじゃ、第一係とかのお兄さん方は……」


「……我らで、彼らの敵討ちをするでござるよ。敵も我らが船で乗りつける事は想定外。ただ、攻撃ヘリと沖縄で使われた潜水艦が近くにいるはずでござるから、要注意でござる。そうそう、敵はレーザー通信ドローンを使っているでござるから、先程から回線を拝借してるでござるよ」


 悲痛な顔で状況を報告してくれるユウマくん。

 ミハイルは僕らの生活を壊し、仲間を殺した。

 その罪は、必ず償わせないといけない。


「分かったよ。みんな、絶対僕らでミハイルや他の使徒の野望を止めよう!」

「うん、マモルくん!」

「ええで!」

「もちろんでござる!」

「ああ、米軍少尉の名のもとに誓うぞ!」


 僕の掛け声に仲間達が集う。


「では総員、戦闘準備! 各自パワードスーツに搭乗! 敵地へ強襲揚陸を掛けるぞ」

「了解!」


 そして僕らは戦闘準備を開始した。

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